機能と審美の回復を図り
残存歯の維持をめざすインプラント治療
わかすぎ歯科
(久留米市/久留米大学前駅)
最終更新日:2025/03/13


- 自由診療
何らかの理由で歯を失った場合の治療法には、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つがある。それぞれの治療にメリット、デメリットがあるが、残されている健康な歯への影響が一番少ないとされるのはインプラント治療だろう。ブリッジはその構造上、両サイドの健康な歯を削る必要があり、入れ歯は留め具による負担で固定している歯を傷める可能性がある。「特に若い世代においては、将来の口腔内環境を見据えてインプラント治療をお勧めします」と話すのは「わかすぎ歯科」の若杉紘人院長。歯を失うことは誰にでも起こり得ることだけに、事前にインプラント治療とはどのようなものかを知っておくことは有益だ。若杉院長にインプラントに関する気になる点を聞きながら、実際の治療の流れをレポートした。
(取材日2025年2月13日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療のメリットについて教えてください。
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A
インプラント治療は、ほかの歯を削ることなく、インプラント体と呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋めることで天然歯のような噛み心地をめざすことができます。ブリッジは両サイドの歯を削る必要があり、入れ歯も留め具による負担がほかの歯にかかります。一方、インプラントは健康な歯への影響が少ないことが大きな特徴となります。痛みや違和感も少なく、噛み合わせのバランス調整も可能です。歯がなくなると、歯を支える顎の骨は徐々に痩せていきますが、インプラント治療では人工歯根が顎の骨と結合し、噛む力が刺激となって伝わるため、骨の丈夫さを保つことも期待できます。
- Qインプラント治療はどのような人に適しているのですか?
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A
基本的にはどなたでも受けられますが、糖尿病の持病がある方は細菌感染のリスクが高くなりますし、喫煙者は骨との結合が悪くなる場合があります。また、骨粗しょう症を患っている場合は、服用している薬の関係で適応できないこともあるので、全身疾患のある方はご相談ください。「噛む」ことを軸に考えると、高齢者の場合は入れ歯やブリッジの選択も良いでしょう。しかし、20代や30代で若くして奥歯がなくなった、奥歯に何本か欠損歯があるという場合は、奥歯で噛める状態をつくらないと、手前の臼歯を含め前歯にまで負担が及び、さらに歯が抜けるリスクが増えますから、将来の口腔内の健康を見据えインプラント治療をお勧めします。
- Q治療期間が気になります。
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A
当院の場合、治療期間は、検査から治療終了まで約3ヵ月から半年が目安となります。検査、治療プランの決定後、歯科用CTで撮影したデータをもとにインプラントを埋入するポジションを決めるためのインプラントガイドをメーカーに発注しますが、ここで約2週間を要します。また、インプラント体を埋入してから骨と結合するまでの時期を経て安定してから上部構造物を装着しますから、骨とインプラント体がしっかり結合して定着するまでの時間が必要です。その期間、前歯であれば快適な仮歯を作りますし、もともと使っていた入れ歯があれば、それを使って過ごしていただきます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前説明と検査
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事前説明でインプラント治療のメリットとデメリット、治療期間の目安や費用などの説明を行い、同意を得て検査に移る。検査では、歯科用CTでインプラント体を埋入する骨が十分あるかを確認し、口腔内の写真撮影と上部構造を作るための型採りを行い、どのような上部構造物を作るかを検討する。また、虫歯や歯周病がないかなどの基本的な検査も行い、問題があれば治療を優先。ある程度症状が落ち着いてからインプラント治療に入る。
- 2治療プランの説明
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検査結果をもとにインプラント治療が可能だと診断されれば、その人に合った上部構造を想定した上で、どの位置にインプラントを埋入するか、どの方向に入れるのか、インプラントのサイズや太さなどについて説明が行われる。その際インプラントを長く維持していくために必要なメンテナンスやセルフケアについてもレクチャーされるので、インプラントに対する理解を深め、疑問点や不安な点があればこの時にしっかりと確認しておこう。
- 3インプラント体埋入
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作製されたインプラントガイドをもとに、麻酔下で歯茎を切開して穴を開けインプラント体を埋入する手術を行う。同院では、世界的に普及したメーカーを採用。インプラントの表面性状や形態の種類が豊富なので、患者の骨のタイプに応じて使い分けることができる。インプラント体を埋入してから一定の期間を経て、骨と結合することができているかを確認。表面の歯茎の状態が落ち着き次第、上部構造を装着するステップに移る。
- 4上部構造物の装着
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インプラント体の埋入後、骨との結合が確認されれば、一度歯茎の中にしまい込まれたインプラント体にキャップをかぶせるため、再び切開。キャップに置き換えられた部分を歯茎の形に成形し、上部構造物をインプラント体に装着する段階へと進む。骨と結合するまでの期間はケースバイケースで1ヵ月~3ヵ月。同院の場合、必要に応じて歯科技工士が患者の口腔内を直接確認し、より精密な上部構造物の作製に取り組んでいる。
- 5定期的なメンテナンス
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治療完了から3ヵ月後、少なくとも半年以内にメンテナンスを受ける。その後は、3ヵ月ごとの定期的なメンテナンスが理想。天然歯同様、スケーリングやクリーニングを行うことで、インプラント周囲炎の予防が期待できる。インプラント自体や上部構造物に緩みがないか、噛み合わせに異常がないかなどのチェックも行われる。メンテナンスでは、チタン製のインプラント体を傷つけないよう専用の器具が用いられる。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円(1本)