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鬼武 美幸 院長の独自取材記事

中須おにたけこどもクリニック

(広島市安佐南区/古市駅)

最終更新日:2022/04/11

鬼武美幸院長 中須おにたけこどもクリニック main

JR可部線大町駅から徒歩5分、アストラムライン古市駅から徒歩4分。広々とした駐車場が完備されたドラッグストアの2階に「中須おにたけこどもクリニック」はある。小児科に加えて、小児外科を標榜科目に掲げたクリニックだ。院長の鬼武美幸(おにたけ・よしゆき)先生は、15年以上の勤務医経験があり、小児泌尿器分野が専門。広島や大阪の大学病院などで研鑽を積んだ後、より多くの症例にふれるためにイギリスへ留学した経験を持つ。現在、国立病院機構呉医療センター・中国がんセンターで、外来診療も行っている。「未就学児の患者さんが高校生になるくらいまで、ずっと成長を見守りたい」と話す鬼武先生に、診療時に大切にしていることや今後の展望などを聞いた。

(取材日2022年1月29日)

鼠径ヘルニアや便秘症など小児外科の症状にも対応

開業までの経緯やクリニックの特徴を教えてください。

鬼武美幸院長 中須おにたけこどもクリニック1

大学卒業後、広島で小児外科医としてスタートし、15年以上、大学病院や国立病院などで診療にあたってきました。その後「地域に根差して、一人ひとりの患者さんの成長を長く見守りたい」と思うようになり、2021年に開業したんです。当クリニックの特色は、小児外科を標榜科目に掲げていることですね。日本小児外科学会小児外科専門医資格もあります。通常、基幹病院などで診療することが多いですが、当クリニックでは、発熱や乳幼児健診、予防接種などの一般的な診療に加えて、小児外科特有の病気や小児泌尿器の病気にも対応しています。それから、院内やスタッフの雰囲気が明るいことも特徴ですね。

どのような患者さんが多いですか。

近隣住民の未就学児の患者さんが多いですね。ホームページを見て、遠方から来てくださる人もいますよ。症状としては、風邪などの一般診療のほか、便秘症や夜尿症、包茎などの相談も。夜尿症は、生活指導で改善に向かうことが多いのですが、隠れた病気が原因になっているケースもあるんですよ。当クリニックでは、生活指導を行うことに加えて、エコーを用いて泌尿器系の異常を調べるようにしています。他には、病院で経過観察と診断された、鼠径ヘルニアの患者さんもいらっしゃいますね。待ち時間を短くできるよう工夫していますので、通っていただきやすいのではないかと思います。

先生が診療時に心がけていることはありますか。

鬼武美幸院長 中須おにたけこどもクリニック2

患者さんのご両親を、必要以上に心配させないようにしています。病気になった本人はもちろんですが、ご両親もとても不安ですよね。その不安を少しでも和らげられるよう、必要なことのみを話すようにしています。例えば、病状や今後の処置などの説明は、多くも少なくもなく、適度にお伝えするようにします。また、腫瘍など深刻な病気の際は、特に心に寄り添うようにすることを大切にしていますね。気持ちが少しでもほぐれるよう、あえて病気とは関係のない話をすることもありました。

笑顔と相手の立場に立ったコミュニケーションを大切に

患者さんが来院しやすいよう、工夫していることはありますか。

鬼武美幸院長 中須おにたけこどもクリニック3

患者さんを明るくお迎えできるよう、スタッフ一同、笑顔を大切にしていますね。相手の立場に立ったコミュニケーションも心がけています。同じ内容でも、人によって感じ方が異なりますから。誤解を招く可能性もありますので言葉足らずにならないよう気をつけたり、こちらが意図していない伝わり方にならないよう、丁寧に対応したりするようにしています。設備面では、必要なものはそろえていますし、超音波診断装置やエックス線装置も完備していますよ。その他、子どもが自分で上がれるように、ベッドや椅子の高さを低めにしたり、椅子を自分でくるっと回して後ろを向けるようにしたり。子どもに優しい院内づくりに努めています。

子どもの健康を保つために、知っておくといいことはありますか。

便秘症は、食事をしっかり取ったり、水分を十分補給したり、体を動かしたりするなど、生活リズムを整えることが大切ですね。「小さい頃に、処置をしておくべきか」といった、包茎に関する相談もよく受けます。昔は、手術をすることもあったのですが、今はほとんどしないんですよ。医師によって見解が分かれることがあるものの、何もせずに、自然に任せておけばいいというのがスタンダードな考え方です。インターネットや人づての情報に不安を覚えて、相談に来られる保護者は少なくありません。そのような場合は、医学的な立場からしっかりと説明し、不確実な情報は気にしないようにお話ししています。

患者さんとの印象的なエピソードはありますか。

鬼武美幸院長 中須おにたけこどもクリニック4

手術を担当した患者さんが、印象に残っていますね。基幹病院に勤めていた頃は重篤な患者さんもいましたから、大がかりな手術をすることが度々あったんです。ある患者さんは、手術後にお礼のはがきをくださったり、私が当時勤めていた病院を退職する際には、贈り物を送ってくださったりしました。他には、病気が完治してからもずっと、夏と冬に便りをくださる患者さんもいるんですよ。その患者さんは現在、看護師として活躍しています。ご自身が病気になったことがきっかけで、医療の道に進むことにしたのだそうです。患者さんからそういった報告を聞けるのは、とてもうれしいですね。

地域と関わりながら、患者の成長を見守っていきたい

小児外科医をめざしたのはなぜですか。影響を受けた医師はいますか。

鬼武美幸院長 中須おにたけこどもクリニック5

当初は、外科医師をめざしていたんです。その後、勉強を重ねる中で腎臓に興味が湧き、専門を泌尿器科にするか小児外科にするかで迷いました。最終的には、子どもが好きだったことと、特定の臓器だけではなく全身を診られることにやりがいを感じて、小児外科を選びましたね。影響を受けた医師は、大学卒業後、一番初めに勤めた病院の医長です。小児外科医として理想のような人で、患者さんからも信頼を寄せられていました。患者さんに対して優しいというわけではなく、むしろ威厳のある雰囲気だったんですよ。ただ、技術や知識などを豊富にお持ちでした。医師としての在り方にとても影響を受けましたね。

イギリスへ留学したのはどうしてですか。

小児泌尿器の診療をライフワークにしたいと思い、よりたくさんの症例にふれるために留学しました。留学したロンドンの小児病院は、イギリスの中で歴史が長く、ヨーロッパの中でも症例数が多かったんですよ。現地で印象的だったのは、手術のスピード。日本なら、朝から夕方までかかるような手術を、午前中で終わらせることも。症例数が多く、たくさん手術を経験することで、スピードを極められるのかもしれないと感じました。また、手術をする医師が4~5人おり、医師によってそれぞれやり方が違うのも勉強になりましたね。

今後の展望をお聞かせください。

鬼武美幸院長 中須おにたけこどもクリニック6

今まで培ってきた小児外科医としての経験や、診療時に心がけてきたことなどを大切にしながら、これまでどおり診療にあたっていきたいと思います。また、現在、来院されている未就学児の患者さんが高校生になるくらいまでなど、ずっと成長を見守っていきたいですね。もし要望があれば、学校のイベントなど、子どもの健康を守る活動にも参加したいと考えています。小児外科の分野で役に立てることがあれば、地域と関わりながら行っていきたいです。

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