半田 忠靖 院長の独自取材記事
ホームクリニック六高台
(松戸市/高柳駅)
最終更新日:2024/09/26
昔ながらの屋敷と新興マンションが混在する松戸市六高台にある「ホームクリニック六高台」。2021年の開業以来、かかりつけ医として近隣住民の健康を支え続けている。廊下・待合室・診察室・検査室・トイレなど院内は広々としており、ベビーカーや車いすでもスムーズに移動可能な造り。大型駐車場完備、玄関から段差のないバリアフリー設計で患者の利便性に配慮されている。2024年4月にはリハビリテーション施設がオープンし、これまで以上に地域医療の拠点となるような体制が整った。町のホームドクターとしてめざす診療はどのようなものか、半田忠靖院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2024年5月15日)
生活習慣病も腰痛も、気軽に相談できるホームドクター
先生が医師をめざしたきっかけやご経歴をお聞かせください。
父が医師で、私が小学校1年生の時に開業しました。クリニックの2階が自宅だったので、父が町の人たちの健康を守る姿を身近に見て育ち、自然と医師をめざすようになっていましたね。大学卒業後は大学病院の医局に所属、難症例の手術にも立ち会うなど充実した日々でした。ですが、大学病院から地域の中核病院に派遣されてみると「大学病院での治療が必要になるほど重症化してしまう前に、できることはないのだろうか」と思うようになったんです。「病気を早期発見し、うまく管理していくことで重症化を防ぎ、少しでも健康寿命を延ばすお手伝いができるような診療をしたい」、そう考えるようになりました。それが町のホームドクターとして開業に至った理由です。
こちらには、どのような方が通っているのでしょうか?
お子さんからご高齢の方まで、患者さんの年代もお悩みも多様です。内科・消化器内科・循環器内科・アレルギー科を標榜し、幅広く診療にあたっています。会社の健康診断などで、血圧・血糖値・コレステロール値に異常があったと相談に来られる方も多いですね。また以前から「痛み」に関するご相談が多かったこともあり、2024年4月にリハビリ施設をオープンしました。節々の痛みにお悩みのご高齢の方、デスクワークで肩凝りが悪化してしまった働き世代、通勤・通学で長時間電車に座りっぱなしで腰痛や足のむくみを感じる方など、幅広い年代の方にご利用いただいています。一通りの医療機器を備えていますが、患者さんのニーズに合わせてさらに設備や体制を充実させていければと考えています。
生活習慣病の治療で大切なことは何でしょうか?
生活習慣病は服薬だけではなく食事や運動が鍵になってきますが、最初から無理は禁物です。続かなければ意味がないので、患者さん一人ひとりの生活背景を配慮して「できることからスタートする」ことを重視しています。例えば、アルコールは控えていただきたいところですが、仕事のお付き合いで仕方なくという方もいますよね。そんな時は「飲む量に注意してください」「休肝日もつくりましょう」などとお話しするようにしています。私は、病気を診るだけではなく「人を見る」ことを大切にしているんです。生活習慣病では服薬以上にライフスタイルの改善が意味を成すこともあるのですが、「好きなものは好き」という気持ちもよくわかります。それに、あまり知らない相手からあれこれアドバイスされたら腹も立つでしょう。患者さんとの信頼関係を丁寧に築きながら、じっくりと解決の糸口を探し、一緒に前に進んでいきたいですね。
睡眠時無呼吸症候群などの検査や健康診断にも随時対応
検査から診断、治療まで院内で一貫して行える環境ですね。
できる限りいつものかかりつけのクリニックで検査を行い、何かあればそのまま治療に入れるとしたら、患者さんにとって利便性が高いですしストレスも少ないですよね。当院でできる検査としては、例えば胃内視鏡検査があります。私はもともと内視鏡に興味があって消化器内科の道に進んだという経緯もあり、胃内視鏡の経験も十分に積んでいます。当院では経口胃内視鏡・経鼻胃内視鏡のどちらにも対応できますし、鎮静下での検査も可能です。もし、ピロリ菌が見つかった場合には投薬治療も行っています。また、超音波診断装置は診察室に置き、頸動脈、心臓、腹部、甲状腺など、いずれもいつでも診られる体制を整えています。その他、ホルター心電図検査、骨密度検査、アレルギーの検査にも対応していますが、中でも力を入れているのが睡眠時無呼吸症候群の検査です。
なぜ、睡眠時無呼吸症候群の検査に注力しているのでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病との関連性が非常に高いからです。睡眠時無呼吸症候群を放置していては、生活習慣病同様、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気を引き起こしかねません。早期発見が重要なんですね。日中の眠気やいびきに悩んでいたり、肥満・高血圧などがある方は一度検査をしてみてもよいかもしれません。検査では睡眠評価装置という小型機器を、自宅での睡眠時に8時間ほど装着していただきます。もし睡眠時無呼吸症候群が見つかった場合、就寝中装着したマスクから空気を送り込む「CPAP治療」を行うことも可能です。
健康診断にも柔軟に対応していると伺いました。
入社前の雇用健診などにも随時対応しています。基本的に予約がなくてもできるようにしているので、お急ぎの時もご相談ください。また、松戸市の特定健診も当院で受けられます。検査を受けてみると、血糖値、コレストロール値、血圧が高いなど思わぬ発見があるものです。健康に自信があって「健康診断を受けるのは初めて」という方でも、すでに進行してしまった深刻な疾患が見つかるケースもあるんですよ。何の自覚症状もなかったとしても、健康診断は少なくとも年に1回は受けることを習慣にしてほしいところです。そのためにも、自宅の延長のような気持ちで気軽に立ち寄っていただけるクリニックをめざしています。
多様なニーズに応え、地域医療の拠点をめざしたい
日々の診療の中で、大切にしていることをお聞かせください。
患者さんとのコミュニケーションです。大規模病院は患者さんの数が多く、一人の患者さんに向き合える時間は限られます。「もっと人とのふれあいがある温かな医療を提供したい」という思いが常にありました。患者さんとの会話に重きを置けるのは、開業して良かった点の一つです。日々の診療を通し、患者さんから人生観や物事の考え方などを教わることも多いです。まずは患者さんの考えを尊重しながら傾聴するようにしています。また、この辺りには働き世代の方も多くお住まいで、同年代の患者さんも少なくありません。「年配の先生だと緊張してしまう」といった方にも、気軽に足を運んでいただいています。これからの長い年月、一緒に年齢を重ねていきたいですね。
吉川美南駅の近くに分院も開院したのだとか。
はい。ご縁があって吉川美南駅から徒歩1分の場所にあるクリニックを継承し、2024年3月より「ホームクリニック吉川美南」として開院しました。当院の患者さんを分院にご紹介することもありますね。患者さん一人ひとりに向き合う姿勢は、当院も分院も同じ。私も毎週金曜は分院で診療にあたっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
例えば、風邪一つとっても我慢して悪化させてしまう人も少なくないものです。特に、働き盛りや子育て世代はその傾向が強いように思いますが、長引く咳を放置していて咳喘息になってしまう例もあるんですよ。ほんの少しでも不調を感じたら、いつでも気軽に相談してください。肩凝りや腰痛などの「痛み」に対しても、リハビリ機器でしっかりと対応します。必要に応じて高度医療機関への紹介も行いますが、手術後のフォローなどは当院でも可能。患者さんにとって「人生を一緒に歩むパートナー」「健康を守る応援団」というような存在として、気兼ねなく立ち寄れるプライマリケアクリニックでありたいと思います。