鎮静下での痛みの少ない大腸内視鏡検査
プライバシーにも配慮を
やすふく内科クリニック
(箕面市/箕面駅)
最終更新日:2023/03/10
- 保険診療
がんの中で女性の死亡者数が最も多い大腸がん。自覚症状がないため見つかった時にはすでに進行していたというケースも少なくないという。初期の大腸ポリープの段階で発見できれば、検査と同時に切除も図れるため、定期的な大腸内視鏡検査が重要だ。そこでプライバシーに配慮した検査を行っているのが「やすふく内科クリニック」。待機やリカバリーは半個室で行い、トイレについても患者同士がかぶらないように1人1室を準備するなど、できる限り受けやすい検査をめざしている。「まずは検査を受けるという最初の一歩を踏み出すことが大事。大腸がんなどの予防や早期発見につなげてほしい」と呼びかける安福智子院長に、大腸内視鏡検査の重要性や検査の流れについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年2月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査はどのような病気の発見に役立つのでしょうか?
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A
大腸ポリープ、大腸がんが代表的な病気ですが、そのほか粘膜の病気である潰瘍性大腸炎やクローン病などの発見につながります。また、肛門周囲の痔が見つかることも。大腸内視鏡検査は肛門からカメラを入れ、直腸から大腸、そして大腸と小腸とのつなぎ目までに異常がないかどうかを調べる検査です。胃の内視鏡検査を受けた方は多いかと思いますが、同じ内視鏡検査でもその準備段階は大きく異なります。胃の内視鏡検査の場合は朝から絶食いただければ受けることができますが、大腸内視鏡検査は腸内に便が残っていると検査が難しいため、前日から消化の良い食事を心がけてもらったり、当日に下剤を服用してもらったりと準備が必要になります。
- Q大腸内視鏡検査を受ける目安はありますか?
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A
健康診断で便潜血が陽性となり検査を受ける方が多いですが、それ以外でも何か自覚症がある場合は受診したほうが良いでしょう。肛門からの出血はもちろん、慢性的な便秘症状、便秘と下痢を繰り返している時などは、大腸に問題がないか調べることをお勧めします。肛門からの出血は痔であることが多いものの、大腸からの出血ではないと否定はできません。また、家族に大腸ポリープの治療歴のある方や大腸がんの既往がある方も、早めに大腸内視鏡検査を受けてほしいですね。がんは加齢に伴って増えていくため、40歳を超えたら定期的に受けたほうが安心です。特にポリープが見つかったことがあるという人は念のため定期的に検査を受けてください。
- Q検査に際して痛みや苦しさがないか不安です。
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A
大腸は体の大きさに比例せず、小柄な女性でも大柄の男性でも、長さに差はありません。そのため女性のほうがおなかの中のスペースが狭く大腸の曲がり角が窮屈になり、カメラを入れていく時に大腸に当たり痛みを感じやすいという点は否めません。当クリニックでは検査を行う前に点滴を使った静脈内鎮静をかけ、痛みが強く出そうな際には痛み止めを併用して検査を行うようにしています。女性だとプライバシーを気にして受けづらいという側面もあるでしょうから1人1室のトイレを準備していますし、検査までの待機時間や検査後の回復時間は、カーテンで区切った半個室で過ごしていただくので、ほかの患者さんと会うこともありません。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1まずは医師の診察で検査が必要かどうかを判断
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出血や継続した下痢・便秘などの自覚症状があった場合、まずはクリニックを受診して診察を受ける。大腸内視鏡検査を受けるにはある程度の体力が必要なため、検査が可能か、本当に必要かどうかを診察し判断してもらう。検査が必要となった場合は、看護師から説明を受け、血液検査などを行って健康状態をチェックする。
- 2下剤を服用する
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検査前日の食事は消化しやすいものにし、夜に少量の下剤を服用する。翌日、クリニックに行ってから下剤を1〜2リットル飲み、腸内に残っている便を取り除いて検査に備える。検査に慣れている場合は、自宅にて下剤を服用することも可能。
- 3大腸内視鏡検査を実施
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腸内がきれいになったら検査用の下着と検査着に着替えて検査室に移動。希望者には鎮静剤や、場合によっては鎮痛剤を加えて点滴した後、実際の検査を行う。何も異常がなければ検査時間は15〜20分程度。
- 4ポリープのサイズや数に応じて対処
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検査時に大腸ポリープが見つかった際は、、形態にもよるが概ね1センチ以内の大きさであればその場で切除を図る。1センチ以上の大きなポリープが見つかったり、複数のポリープが見つかったりした場合、同院では大腸がんの可能性や切除時の出血のリスクを考慮して、提携の病院を紹介している。
- 5リカバリー室で休憩し検査結果の説明を受ける
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検査が終了したら半個室に戻り、30分ほど休息を取る。歩けるようになったら検査結果の説明を受けて帰宅。鎮静剤を使っている場合、検査当日は自転車、バイク、車などの乗り物の利用は避ける。