八上 公利 院長の独自取材記事
しぶや東 歯科・口腔外科クリニック
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2025/12/15
2021年、渋谷区を走る明治通りの東交番前交差点を入ってすぐの場所に開業した「しぶや東 歯科・口腔外科クリニック」。八上公利院長は大学病院に長年勤務し、口腔外科領域を中心に数多くの症例をこなしてきたほか、日本人に適応したインプラントの開発・製作にも携わってきた。「口腔がんや、インプラント治療の難しい症例を診てきた経験を生かし、日々の診療に取り組んでいる」という八上院長は、現在も大学病院に籍を置き、非常勤としての勤務を続けている。常に患者に寄り添う診療を大切にしている八上院長に、同院の診療や今後の展望など、幅広く話を聞いた。
(取材日2025年9月10日)
大学病院レベルの歯科口腔外科診療をクリニックで
こちらは、どのようなクリニックですか?

当院は、大学病院レベルの歯科口腔外科診療を提供することをめざしています。そのため、虫歯や歯周病といった歯科一般に加え、口内炎や腫瘍、顎関節症、抜歯やインプラント治療などの専門的な診療まで、幅広く対応しています。嚢胞ができたものの近所の歯科医院では診療を断られた方が、インターネットで検索して当院を見つけ、遠くから来院されたこともあります。また、インプラント治療はニーズの高まりを感じており、比較的若い世代に加え、高齢で入れ歯に慣れない方からの希望も少なくありません。3代続いた歯科医院の後を継ぐかたちでのスタートでしたが、引き継ぎが非常にスムーズに進んだこともあり、近隣にお住まいの患者さんなども前院から引き続きご利用いただいています。そうした方々からのクチコミで患者さんの輪も広がり、かかりつけ医としてご利用いただいていることをうれしく思っています。
設備も充実していますね。
CTは医科・歯科共用の装置を導入しています。あまり知られていませんが、虫歯は進行すると鼻腔にまで及ぶことがあり、しかも無症状のことも少なくありません。歯科用CTは撮影範囲が狭いため、顎全体の疾患を見逃さないよう、歯や顎に加えて頭部まで立体的に撮影できる医科・歯科共用CTを導入しました。また、マイクロスコープもなくてはならないと感じており、開業時に微細な病巣の除去のため導入しました。最大20倍の視野を確保できるため、根管治療や歯の根の先端にできた嚢胞の切除の際に役立ちます。さらに動画撮影が可能で、ユニット前のモニターに映しながら患者さんへ説明することもできます。言葉だけの説明と比べて理解が深めやすく、治療を進める上でもっとも大切なことの一つだと考えています。加えて、患者さんの負担を抑えつつ、高精度の型採りが可能な口腔内スキャナーも導入しています。
インプラント治療について教えてください。

インプラント治療は自分の歯のような噛み心地が期待でき、定期的なメンテナンスを行うことで半永久的に使用することもめざせますので、歯を失った際の選択肢としてとても優れていると考えています。さらに、入れ歯やブリッジのように周囲の歯に負担をかけることもなく、残った歯を守ることができる点は大きなメリットです。当院では、インプラントで入れ歯を固定する治療も行っています。固定することで、これまで諦めていた固い物も、しっかり噛んで食べられる状態をめざします。私は長年、歯科口腔外科の処置を行ってきましたので、インプラント治療の際に顎の骨を作る処置が必要な場合も対応しています。また、患者さんの負担を抑えながら治療を進めることも心がけ、有病者でも全身状態を把握しながら安全面に配慮して治療を行うために、心電図や脈拍、血圧、呼吸などをモニタリングできる体制を整えています。
インプラント治療や口腔がん診断などで専門性を発揮
先生は、インプラントの研究や開発にも携わっていたそうですね。

歯科口腔外科の歯科医師として働き出したまだ若い頃に、ちょうどインプラント治療の一般化に向けた研究が始まり、私も昭和大学(現・昭和医科大学)でアシスタントとして携わっていました。当時のインプラントは生体とのなじみが悪く、私自身もあまり良い印象がありませんでした。しかし、チタン製のインプラントが開発されると世界中で使われるようになり、私自身のインプラント治療への印象も大きく変わりました。そんなこともあって、松本歯科大学に在籍していた時に企業と共同でインプラントの開発に取り組みました。現在も、その時の経験を日々の診療に役立てています。
口腔がんの早期発見にも力を入れていると伺いました。
大学病院の歯科口腔外科診療で主体になるのは口腔がんで、当時は日々多くの口腔がんの患者さんを診療しました。少し前には芸能人が罹患したことなどで注目を浴びたため、心配して受診する方が増え、早期発見につながったこともあります。また、渋谷区の歯科医師会で年に数回行っている口腔がん検診も多くの方が受診し、気にしていることがうかがえます。しかし、口腔がんの前段階というのはちょっと特殊な状態で、気がつくのが難しいこともあります。別の症状で受診した際に偶然見つかったというケースもあるんですよ。当院では大学病院と同じように、疑いのある時点で組織を採取して顕微鏡で調べる病理検査を行うことが可能です。通常の歯科検診と併せて口腔がん検診を行うこともできるので、気になる方は積極的にご相談ください。
ほかに力を入れていることはありますか?

エアフローによるクリーニングにも力を入れています。エアフローとは、歯の表面に微細なパウダーを吹きつけて汚れを落とすための装置です。もともと「歯をきれいにしたい」というニーズは高く、ホワイトニングを希望される患者さんも少なくありません。しかし、ホワイトニングでは除去できない着色汚れには、エアフローによるパウダークリーニングがとても有用です。また、歯周病の原因にもなる細菌の塊であるバイオフィルムを歯茎の奥まで除去するためにも使われます。歯をきれいにするための施術ですが、終わった後にすっきり気持ち良くなってもらえたら、と思って取り組んでいます。
「つらい状況でも前向きに」、気持ちに寄り添う診療を
大学病院とも密に連携を取っているのですね。

当院では、昭和医科大学病院や日本赤十字社医療センターなどと連携を取っています。街のクリニックとしては、一次医療機関として最初に患者さんを診察し、必要な場合は大学病院などの専門的な医療機関に紹介することが、とても大切な役割です。私は大学病院での勤務が長く、地域の歯科医院からの紹介患者さんをたくさん診てきました。そのため大学病院に、どのような症例やタイミングで紹介するべきかがわかっています。これまで培ったスキルと、街のクリニックでも大学病院レベルの診断ができるように準備した設備を生かして、当院でできる診療はしっかり行い、必要な場合には早急に見極めて大学病院へつないでいけたらと思っています。
診療の際に心がけていることはありますか?
常に患者さんの気持ちを大切にし、治療に前向きになれるようお手伝いできればと考えています。がんが見つかったときや、虫歯が進行して抜歯が必要になったときなど、患者さんにとってはつらい告知となり、すぐには受け入れがたい場合もあります。そうした状況でも、患者さんの「生きたい」「歯を残したい」といった思いに寄り添いながら、どのように治療していくべきか一緒に考えていきたいと思っています。そのためには、検査結果をわかりやすく示し、丁寧に説明することで理解を深めていただくことが欠かせません。また、「先生にお任せします」というご希望も一つの選択肢です。その場合には、最適だと考えられる治療をこちらから提案いたします。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

大学病院には、そこでしかできない治療があります。しかし、病院まで通うことや定期的な受診が大変なのも事実です。実際、大学病院に勤務していた頃に、「もっと早く診て差し上げられたら」と感じることも少なくありませんでした。だからこそ、地域医療を担うクリニックとして、大学病院での経験を生かしながら、そうした患者さんにも対応したいと考えています。その際には、しっかりと診断を行い、ご希望に沿って最も適した選択肢を選んでいただけるよう努めています。当院は気軽に相談できるクリニックです。特に、口腔がんは手遅れになる前の早期発見が重要ですので、少しでも心配や不安があれば、ためらわずご相談いただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正(片顎)/30万円~、インプラントで入れ歯を固定する治療(義歯含む)/39万円~、ジルコニアインレー/8万6800円~、ジルコニアクラウン/13万3300円~ ※費用は使用する材質や状況により異なります。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

