萱野哲矢院長の独自取材記事

北24条かやの歯科クリニック

(札幌市北区／北２４条駅)

最終更新日：2022/03/18

札幌市営地下鉄南北線の北24条駅より徒歩4分。6台分の駐車場も備える「北24条かやの歯科クリニック」は、2021年春に開業。一般歯科の他、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科を診療。ホワイトニングといった審美歯科、インプラントにも対応し、幅広い世代の患者のニーズに応えている。萱野哲矢院長は北海道医療大学卒業後、札幌市内総合病院の歯科、複数の一般歯科医院などに勤務。数多くの経験を積み、満を持しての開業となった。地域のかかりつけ医をめざし、患者が通いやすいよう土日も診療。患者の立場に立った丁寧な説明と診療を大切にしながら、アメリカンフットボールで鍛えたスポーツマンらしくハードワークもいとわない。そんな萱野院長に、診療方針や患者への思いなどを詳しく聞いた。

（取材日2021年10月21日）

治療だけでなく、来院したいと思える環境づくりも重視
患者の背景を理解し、それぞれに合わせた診療を
地域のかかりつけ医をめざし、今後は予防セミナーも

治療だけでなく、来院したいと思える環境づくりも重視

土曜・日曜も診療されているのですね。

このエリアはマンションが立ち並び、共働き家庭も多いので、地域の方が通いやすいよう土日も診療しています。木曜と祝日は休診ですが、他の日はすべて19時まで診療しています。平日は通いにくい働き世代の方もよく来院されますし、学生さんも多くみえます。

クリニック名の由来について教えてください。

当院の住所は北区北22条ですが、最寄り駅は札幌市営地下鉄南北線の北24条駅なんです。実は大きな理由が他にもあって、24という数字が好きなんです（笑）。大学時代に所属していたアメリカンフットボール部の背番号が24。有名なスポーツ選手もつけていることが多い番号なんですよ。ポジションは、後ろ向きで走る場面が多く、ウイングの砦といわれるディフェンスでした。

院内で工夫されたのはどのようなところですか？

まず、歯科医院らしくない雰囲気にしたいと思いました。薬剤のにおいがなく、自分も行きたくなるような雰囲気づくりを考えました。歯医者に行く時って、クリーニングは別ですが、「痛くて嫌だな」など良いイメージはないですよね。ネガティブな気持ちで来院される患者さんに、痛みを取ることはもちろん、プラスアルファの対応をしたい。治療そのもので満足してもらうだけでなく、待合室を広く心地良い空間にするなど、また来院したいと思ってもらえるような環境づくりも大切と考えています。診療室も広く取り、完全個室と半個室にして衛生面とプライバシーに配慮しています。開院した時はすでに新型コロナウイルス感染症流行下にありましたが、感染症対策も徹底しています。消毒滅菌システムや換気設備などは性能を重視して機器を選びました。また、特殊なコーティングを施した壁紙を採用し、滅菌消毒室のゾーニングも実施しています。

診療方針について教えてください。

健康であるためには、長期的に安心してごはんを食べられることが大切です。しかし、患者さん一人ひとりが求めている「健康」は違うので、ライフスタイルやお考えを理解し、より良い選択をお示しすることを大切にしています。歯の健康、体の健康のための情報提供は大切にしていますが、患者さんの思いを尊重せずに無理強いするようなことはしません。

患者の背景を理解し、それぞれに合わせた診療を

実際の治療で重視していることは？

今痛みがあって困っているなどの場合は、もちろん先にそれを解決することから始めますが、治療は口内環境を整えた上で始めたほうが良いと考えています。口内写真を撮り、診療ユニット前の大型モニターを使って口内の状態をご説明しています。普段口内全体をご自身で見ることはできないので、歯が何本あるのかということも認識していないというケースがよくあります。全体を把握してもらい、汚れも見てもらい、視覚的に理解していただくことが必要と考えています。実際に見ると「ずいぶん汚れているんだな」と驚かれるはずです。

日々の診療で患者さんと接する時、大切にしていることは何ですか？

患者さんの背景を読み取ることを大切にしています。カルテやお話の内容などから、何を求めていて、期間や費用のことを含めどこまでの治療を求めているのかを理解する。直接聞かれるのが嫌なこともあると思うので、できるだけ与えられた情報から察するようにしています。さらに自分が患者ならどうしてほしいかも考え、対応するようにしています。患者さんへのご説明では、メリットとデメリット、価格を含めた材料提示や、例えば人前で話す職業かどうかなど、それぞれの背景に合わせた最も良いと思われる治療の順番をわかりやすくお伝えすることを心がけています。治療内容や今後の見通しなどを提示されずに不満に思って、セカンドオピニオンを求めて来院される方が意外に多いんです。患者さんに十分伝わっていないからではと感じるので、治療期間や今後の見立てなどもしっかりご説明し、患者さんの不安を少しでも減らすことができるよう努めています。

患者さん一人ひとりに合わせた診療をきめ細かに行っているのですね。

知り合いの美容師さんと話していると、気配りを要する面で重なる部分があると感じます。歯を削る音やドライヤーの音、足音など周囲の音、私語やスタッフへの指示の言葉、隣の人のことなど、いろいろな音が耳に入ってきます。歯科治療では、口は開けたままの無防備な状態で耳だけが研ぎ澄まされたような感じになり、それだけで嫌な思いが増してしまうのではと思います。口の中で何をされているかわからない恐怖もありますから、「削っていますよ」「もうすぐ終わりますよ」と適切なタイミングで伝えるようにしています。立ち振る舞い、話し方を含め配慮しなければいけないことは多々あると思います。説明をきちんとすることは当然ですが、例えば歯を削っている時、患者さんは言葉を返せないのに歯科医師が長々と話し続けるのはよくありません。患者さんに合わせて、安心してもらえるような話し方も工夫しています。

地域のかかりつけ医をめざし、今後は予防セミナーも

特に力を入れている診療はありますか？

予防歯科ですね。虫歯がなくても定期的にクリーニングをし、歯周病などをケアすることが大切です。歯科医院で行う専門的なケアとセルフケア、その両立をしっかり行うことが、歯の健康のために重要視されています。お口の中は千差万別ですから、ライフスタイルを含め、患者さんそれぞれに合わせたセルフケア方法を提案いたします。

先生が歯科医師をめざしたのはなぜですか？

父をはじめ、家が代々歯科医師という環境が大きいですね。開業医だった父の働いている姿はよく見てきましたし、気づいたら私も同じ道を歩んでいたという感じです。子どもの頃、父に治療してもらう時、「痛い！」と言うとよく怒られましたね（笑）。私は子どもの頃から顎関節症で口を開けるのがつらかったのですが、患者さんの中にも口を開けているのが苦痛という方がいらっしゃいます。その気持ちがとてもよくわかるので、休みながら少しずつ治療を行ったり、少しでも安心してもらえるよう声がけをするなど気を配っています。

お忙しい毎日と思いますが、オフの時間の過ごし方を教えていただけますか？

週6日の診療なので確かに忙しい毎日ですが、歯科医師も体が資本。健康が大事なので、休日は心身の疲れを癒やすことを優先していますね。特別な健康法は実践していませんが、忙しくても3食きちんと食べることは心がけています。コロナ禍の影響もあり、スポーツはしていないので基礎体力は落ちているかもしれません（笑）。娘の休みに合わせて、キャンプやスキーに行き自然の中で気分転換をしています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

まずは地域に根づいたクリニックをめざすこと。歯科のかかりつけ医として、生涯を通して健康なお口を維持するためにお役に立ちたいと考えています。将来的には、足が悪いなどでクリニックに来られない方の訪問診療も行っていきたいですね。また今はコロナ禍で難しいですが、歯科衛生士の妻が全国で予防歯科に特化した多数のオンライン・オンデマンドセミナーを行う活動をしているので、クリニックでも行っていきたいですね。歯科医院という独特の空間の概念を覆すようなクリニックづくりを実践しているので、歯医者さんが苦手という方も気軽にご来院ください。待合室だけでなく診療室も広いスペースを取り、診療中に待っている時間の緊張感も和らげられるよう努めています。窮屈な環境だとストレスを感じると思います。待っている間の環境も大事だと考え、ゆとりのあるスペースで、心のゆとりも提供したいと考えています。