原田 敦 院長、齊藤 さや子 先生の独自取材記事
まつえ城下町レディースクリニック
(松江市/松江駅)
最終更新日:2023/09/14
松江城をバックにたたずむ「まつえ城下町レディースクリニック」は、乳腺や痔、婦人科領域の症状などセンシティブな悩みに応えてくれる女性専用クリニックだ。スタイリッシュで清潔感あるサロンのような空間と、豊かな緑で心和らぐ中庭が印象的な同院では、女性患者が気兼ねなく通えるように、プライバシーへの配慮はもちろん、受付から検査までをすべて女性スタッフが対応するなど、高いホスピタリティーも特徴だ。2022年7月からは齊藤さや子先生による産婦人科診療も開始。そんな同院の原田敦院長は乳腺や大腸肛門病が専門の医師で、県外内の基幹病院などで経験を積んできた人物。「県内の乳がん検診の受診率向上に貢献したい」と専心する原田院長と、「女性が元気になれるお手伝いをしたい」とほほ笑む齊藤先生に、同院についてたっぷり聞いた。
(取材日2021年7月20日/更新日2023年7月12日)
女性の居心地の良さを追求した施設とスタッフ
とてもおしゃれなクリニックですね。施設でこだわったポイントは何でしょうか?
【原田院長】当クリニックは清潔感あふれるホワイトを基調に、患者さんがサロンに行くような感覚で通えるクリニックに仕上げました。検診や診療に行く際、不安な気持ちになる方も多いですよね。その気持ちを「安心感」に変えてもらいたいと、大きな窓から中庭を眺められるロビーや、圧迫感のない広い診察室、明るくきれいな検査室・オペ室など、患者さんに上質な空間で「特別感」を味わいながら心地良く過ごしていただけるような場所をめざしました。ほかにも、患者さんのプライバシーを守れるように完全個室の更衣室に加えて、診察から会計まで他の患者さんに会うことなく、すべて1室で済ませられる特別個室も備えているのが特徴です。
乳がん検診に力を入れていると伺いましたが、具体的な検査内容を教えてください。
【原田院長】私以外のスタッフは女性で、検査は女性の診療放射線技師が担当しています。そして、クリニックでは珍しいと思いますが、2Dと3Dのマンモグラフィ、乳房を自動でスキャンできるエコーを併用して、精度を追求した検査を提供しています。さらに専門的なスキルを持った診療放射線技師が検査を行うため、検査技術はもちろん、痛みが少ないのもポイント。お体の状態や持病によってマンモグラフィ検査を受けられない場合は、エコー検査にするなど、臨機応変に対応するので心配しないでくださいね。検査時間も受付から会計まで30分程度と、仕事や家事・育児で忙しい方も受診しやすいようにしています。
どうして、この松江の地でのクリニック開業を決められたのですか?
【原田院長】私はこれまでに島根、京都、大阪などの病院で研鑽を積みました。開業前に勤めていた松江の病院では、松江の医療事情について詳しく学び、この地域に必要な医療について考えるようになったのです。乳腺外科にスポットを当てて考えると、乳がん検診や、術後のホルモン療法のサポートをする乳腺外科のクリニックが足りておらず、患者さんは大きな病院に受診するしか選択肢のない状態でした。「自分が開業してその立場を担うことで、松江市や島根県の皆さんが検査や治療を受けやすい環境にしたい」という強い思いが、この度の開業につながりました。開業経緯をお話しすると、「乳がん専門のクリニックなのかな?」と思われるかもですが、女性の悩みをトータルに対応できるクリニックをめざしています。
女性の悩みに幅広く対応できるクリニックをめざして
具体的な診療内容を教えてください。
【原田院長】乳腺外科の分野では、乳がん検診以外に胸の痛みや、授乳中の乳房痛など産後のおっぱいに関わるトラブルなど、さまざまな悩みを抱えた方がいらっしゃいます。女性肛門外科に関しては、痔の治療が中心ですね。女性の皆さんは、妊娠・出産・便通異常を機に痔になることが多く、女性にとって身近なトラブル。恥ずかしいと思わず、早めに受診してほしいです。ほか、婦人科領域や美容医療のご相談にも対応をしています。昨年からは、齊藤さや子先生が常勤医師として産婦人科診療を提供してくれるので、非常に心強く思っています。
【齊藤先生】ありがとうございます(笑)。産婦人科では、妊婦健診から、月経困難症や子宮内膜症の相談、タイミング療法までの不妊治療、ピルの処方、中絶手術、更年期や骨粗しょう症といった女性内科領域まで、幅広く対応をできればと思っています。
原田院長は肛門外科の専門医師でもあるのですね。
【原田院長】はい。勤務医時代には、乳腺外科のほかにも、痔の手術など肛門外科の手術に数多く携わらせていただきました。そうした中で、肛門外科も担い手が不足していることを知り、「経験を生かしてお困りの方の手助けになったら」と乳腺外科とともに注力して取り組み、専門性を深めました。当院の肛門外科の大きな特徴は「痔の日帰り手術」に対応している点です。最近では日帰り手術のほか、症状によっては注射で治療できる方法も出てくるなど、治療のハードルも下がってきていることを知ってほしいです。最初の1歩を躊躇される方もおられると思います。当クリニックは女性専門クリニックな上に、複数の診療科を掲げているのでどの診察に訪れたのかがわかりにくくなっています。プライバシーへの配慮もしっかり行うので、安心して受診してくださいね。
齊藤先生のご経歴や、クリニック診療への想いなどを伺いたいです。
【齊藤先生】鳥取大学医学部を卒業後、同大学附属病院や、鳥取市や大阪の病院、米子市のクリニックなどで、子宮内膜症の研究から周産期医療の従事まで、広く産婦人科領域の研鑽を積んできました。私自身も松江市出身で、ご縁が重なり、入職となりました。今までの診療でも、乳腺や痔のご相談をいただく機会が多くあったので、院内で専門医師と連携が取れるのはうれしいですね。当院での産婦人科診療では気軽に相談できる存在として「女性が元気になれるお手伝い」をできたらと思っています。例えば、月経痛といった身近な症状も放置すると、子宮内膜症や不妊へつながるリスクも。原因も栄養状態やホルモンバランスなどの身体面や、ストレスといった心理面など、一人ひとり異なります。だからこそ、患者さんのお話を丁寧に聞いて悩みの根本を探し、漢方の処方を含めたさまざまな選択肢から、その方に合った治療方法をご提案していきたいです。
乳がんの早期発見に向けて、検診の受診率向上を目標に
お二人が診療の際に心がけていることはありますか?
【齊藤先生】相談しやすさを大切にしています。もやもやと不安を抱えて生活するのはつらいもの。日々我慢している症状が、少しでも楽になったり、毎日が楽しく過ごせるようになったりすればと思うので、気軽にご相談いただきたいです。
【原田院長】そうですね。皆さん、勇気を出して来院への一歩を踏み出してくださっていると感じています。せめて、精神的な部分ではこまやかな配慮ができたらと心がけていますね。男性の私と一対一にならないように女性スタッフをそばに配置するなど、患者さんが話しやすい雰囲気づくりも意識しています。さらに当院のスタッフは全員、専門的な知識を持ったエキスパートのため、患者さんがどのスタッフに質問をしてもすぐに答えられるのが強みですね。
今後の展望について聞かせてください。
【原田院長】島根県における乳がん検診の受診率を上げて、乳がんで亡くなる方を減らすことが目標ですね。現在、乳がんは日本女性の約9~10人に1人がかかるともいわれるほど、身近な病気です。しかし、早期発見で治療をすれば治すことをめざせる病気でもあります。そのため、まずは「乳がんは身近な病気だ」という自覚を持っていただき、定期的な検診はもちろん、何か異常を感じた際は速やかに専門の医療機関を受診してほしいです。また、当院では傷の処置・縫合のほか、皮膚のできものの切除、巻き爪など爪の処置、肩凝りへの注射といった一般外科にも対応し、ファーストピアスのご相談にも応じています。些細なお悩みでもいいので、まずは一度ご相談ください。
読者へのメッセージをお願いします。
【原田院長】皆さん、忙しい中でなんとか時間をつくって受診されるので、当院は少しでも受診しやすく、スムーズに診療や検査ができるようにと、完全予約制をとっています。また、広い駐車場や、キッズスペース、授乳やおむつ替えスペースの完備など、お子さん連れのママさんにも安心して通院していただけるようにしておりますので、気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは乳がん検診項目
プレミアム(マンモグラフィ検査(3D+2D) + 超音波(エコー)検査)/1万4800円、ベーシック(マンモグラフィ検査(2D) + 超音波(エコー)検査)/1万2800円、マンモグラフィ検査(3D+2D)/1万800円、マンモグラフィ検査(2D)/8000円、超音波(エコー)検査/6000円、ファーストピアス/5500円