歯周病に位相差顕微鏡とPCR検査を
補綴には口腔内スキャナーを
山之内歯科医院
(北九州市小倉北区/小倉駅)
最終更新日:2024/10/30


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歯周病はよく耳にする疾患だが、自らの口腔内の歯周病菌量を調べられることをどのくらいの人が知っているだろうか。「当院では、口腔内の細菌状態がわかる位相差顕微鏡や歯周病のリスク菌がわかるPCR検査を取り入れ治療を行っています。」と、一般歯科から入れ歯、矯正、インプラントまで幅広い診療を展開している「山之内歯科医院」の山之内達哉院長は話す。これらの検査では、歯周病菌の有無や量を調べられるため、状態に合った適切な処置をすることができるようになるとか。また、かぶせ物などの補綴治療では、先進の口腔内スキャナーを導入。口腔内を小型カメラでスキャンし、そのデータを3D画像で見れるため、より精密で正確な治療がめざせるとか。そこで、同院が取り組む歯周病治療と口腔内スキャナーを用いた補綴治療について詳しく聞いた。
(取材日2024年10月4日)
目次
位相差顕微鏡やPCR検査を活用し口腔環境の改善を、補綴では口腔内スキャナー活用で正確性向上をめざす
- Qこちらでは歯周病治療に注力されているそうですね。
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A
▲知識を常にアップデートしていきたいと話す山之内院長
これまでもメンテナンスに注力し、口腔環境の改善と維持の大切さを呼びかけ、実際にメンテナンスでの来院も増えました。しかし、口腔内には数億から数十億ほどの細菌が生息しているといわれていますので、メンテナンスだけでは限界があると思い、何か手を打たなければと考えたところ、新たな歯周病治療の導入にたどりつきました。当院の歯科衛生士は対応力も向上心も高い者ばかりですので、これまでのメンテナンスに付加価値をつけることで、患者さんだけではなく、スタッフのモチベーションも高められると思ったことも理由の一つです。そこで、新たな取り組みとして、位相差顕微鏡用やPCR検査を用いた歯周病検査と治療を開始しました。
- Q従来の歯周病治療とは何が違うのでしょうか?
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A
▲新たに導入した検査で、一人ひとりに合わせた治療を行う
以前も歯周病リスクがわかる検査キットを使用していましたが、簡易的なものでしたので、なかなか結果が出ませんでした。患者さんの更なる動機づけのためにも、位相差顕微鏡や歯周病のリスク菌がわかるPCR検査を新たに導入しました。これらの検査では、細胞や細菌を生きたまま観察できるため、採取した歯垢をリアルタイムで観察・診断することが可能。口腔内の歯周病菌の種類や量を調べることで、その方に合った治療方針を決めれることがメリットです。具体的には、歯周病菌とカンジダ菌に対する抗菌薬の服用とブラッシングの改善、そして定期的に口腔内の細菌量を確認。良い状態になれば環境維持へとシフトしていきます。
- Qどのタイミングで受診を検討すると良いでしょう?
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A
▲待合室の花は、患者からプレゼントされることも多いそう
当院のアプローチとしては、虫歯治療やメンテナンスに来院された際、お勧めしたほうが良いと判断した方に歯周病検査のお声がけをするようにしています。もちろん歯周病検査を希望されて来られる方もいらっしゃいますが、ご自身の口腔内にいる菌を調べられることを知らない方も少なくありません。そのため、今回の記事をはじめ、さまざまなツールを使って多くの方へ情報を発信していくことが、まずは重要だと思っています。こうした取り組みを始めてから、患者さんの意識にも変化が生まれているのではないかと感じています。口腔内環境が改善していく様子を患者さんと共に実感していけたらうれしいですね。
- Q口腔内スキャナーも導入されたと伺いました。
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A
▲口腔内スキャナーも導入し精度と正確性を高めた治療を行う
これまで虫歯治療で行うかぶせ物などの型採りは、粘土のような印象材を用いていましたが、さらに精度と正確性を高めたく、口腔内スキャナーを導入いたしました。白いかぶせ物のCAD/CAM冠が保険適用になったことも導入の後押しになりましたね。口腔内スキャナーは、お口の中を小型カメラで撮影し、そのデータを3D画像で見ることが可能。360度あらゆる角度から観察できますので、肉眼では見えづらい部分も確認できますし、いろんな治療に役立ちます。入れ歯のような装置を用いて行う小児の咬合育成にも活用。矯正は専門の歯科医師に来てもらっていますが、更に床矯正の治療の一助を担ってくれるデジタル機器です。
- Q床矯正にも口腔内スキャナーを使用されているのですね。
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A
▲スキルとデジタル機器を融合した治療が特徴
ええ。また、私は入れ歯治療が得意中の得意なので、その際もこの機器を用いることができます。ずいぶんと多くの入れ歯を作製してまいりましたので、その過程で得た勘、微妙なさじ加減といいますか、熟練者ならではの手技をご提供できると自負しております。また、顎関節症治療で用いるスプリントという装置を作製する際も活用。長年歯科医師をやっていますので、その間に身につけたスキルとデジタル機器を融合した治療が当院の特徴と言えるのかもしれませんね。ただ、そこだけにとどまらず、まだまだ向上したいという気持ちがあります。糖尿病と歯周病の関係性のように、お口の健康は全身にも影響があることから、東洋医学も勉強中です。
自由診療費用の目安
自由診療とは咬合育成/3万円~、床矯正/30万円~80万円、歯周病PCR検査/3300円、インプラント治療/3万5000円~※個人個人の症状や症例によって価格は変動いたしますので、あくまで目安の価格となります。詳細の問い合わせは歯科医院までお電話をお願いいたします。