上田海毅院長の独自取材記事

奈良やすらぎ歯科

(奈良市／近鉄奈良駅)

最終更新日：2022/07/11

2021年1月、近鉄奈良駅から北へ徒歩7分の場所に開業した「奈良やすらぎ歯科」。上田海毅（うえだ・かいき）院長は「きれいで長持ちさせる治療」を実現するため、技術の研鑽に熱心で、一人ひとりの患者に向き合う時間を多く取り、丁寧な治療を心がけている。噛み合わせを考慮した治療を行い、かぶせ物を作る上でも歯茎の高さを見極めながらの入念な微調整を行うなど、妥協のない治療がモットー。「見た目にも機能的にも満足いただける治療をめざしたい」と話し、言葉の一つ一つから患者への真摯な思いが伝わってくる。そんな上田院長に、クリニックのこだわりや治療にかける思い、将来の展望などを語ってもらった。

（取材日2022年3月25日）

歯の噛み合わせを考慮した精度の高い治療をめざす
大切な歯と健康を守るための矯正にも注力
一人の患者に時間をかけてじっくり向き合う

歯の噛み合わせを考慮した精度の高い治療をめざす

先生が開業場所として奈良を選ばれたのはなぜでしょうか。

私は三重県出身なのですが、大学は福岡にある九州歯科大学に進みました。大学卒業後、大学の先輩がいた奈良県立医科大学の歯科口腔外科で、歯科医師としての実地訓練を受け、その後同じく奈良市内にある「おかもと歯科」に勤務し、診療経験を積みました。歯科医師になって10年くらいがたち、独立したいなと思って土地を探していた時、たまたま通りすがりにこの場所を見つけたんです。観光地に近いのですが、近隣は昔から住んでいらっしゃる人が多いですし、大学があって若い人も多いエリアだったので、幅広い層の患者さんを診ることができるかなと思い、ここでの開業を決めました。

どのような患者さんが来られるのでしょうか。

近くに歯科医院が少ない場所だからかもしれませんが、ご来院いただく患者さんは歯周病の方だったり、歯石が残っていたりとこれまで口腔管理をあまりされてこなかったのかな、と感じる方が多い印象です。主訴でいうと歯がグラグラするとか、かぶせ物が外れたというケースが多いですね。当院では噛み合わせをはじめ、歯周病、かぶせ物、入れ歯、インプラント治療などに特に力を入れていますので、私のやりたいことと患者さんが求められていることがちょうど一致していたのかなと感じています。もちろん近くに女子大学もあるので若い患者さんでホワイトニングなど審美的なケアを求められる方もいらっしゃいます。あと当院では矯正も行っておりますので、小児矯正のご要望も多いです。

勤務医時代には噛み合わせ治療の経験も数多く積まれたそうですが、こちらでも行っていらっしゃいますか？

私が勤務した「おかもと歯科」は噛み合わせ治療に力を入れているクリニックでしたので、そこで学んだことを引き継いで、当院でも噛み合わせ治療に力を入れています。歯科領域の中でも、噛み合わせはまだまだ知られていない分野のような気がします。しかし、噛み合わせは全身の健康から考えても非常に重要です。年を取って歯が残っていたとしても、その歯がきちんと機能していなければ意味がありません。詰め物を入れたからちょっと噛みにくくなったとか、入れ歯の調子が悪い、顎の関節が痛いなどといった不調を抱えながらも諦めてしまっている方は多いのではないでしょうか。当院では「おかもと歯科」で学んだことをベースに、私が学んだ歯周病やかぶせ物を調整する技術をプラスした治療を提案しています。

大切な歯と健康を守るための矯正にも注力

歯列矯正にも取り組んでいらっしゃるんですね。

噛み合わせや歯並びが悪いとうまく歯磨きができず虫歯や歯周病の原因になりますし、全身の健康にも影響を及ぼすこともあります。これも「おかもと歯科」のコンセプトを引き継いでいる点ですが、できるだけ非抜歯の矯正を行いたいと思っておりますので、矯正を希望される方にはきちんと説明させていただいています。将来的に歯を抜かずに歯列を整えるためにも、できたら子どものうちにアプローチを始めることをお勧めします。当院ではできる限り抜歯せずに矯正できるよう最善を尽くしますが、成人矯正では場合によってどうしても抜歯が必要なケースもあります。その場合は、患者さんに丁寧に説明した上で、抜歯も選択肢に含めて矯正を進めていきます。

子どもの頃に矯正をするのは大事なんですね。

歯並びが悪い場合、子どものうちに矯正を行うことはとても大事だと思います。私にも2人の子どもがおり、長男は歯並びが悪くなりそうな兆しがあるので、時期が来たらきっと矯正を行うだろうと思います。人生の何に投資をするかは、人それぞれ考えがあるでしょうが、歯は健康や見た目など人生を大きく左右するものだと思うので、投資する価値はあると私は思います。矯正は一律で料金を設定している歯科医院が一般的に多いと思うのですが、当院では難易度や期間によって料金を変えています。ホームページにも費用一覧を載せていますので、判断材料の一つにしていただければと思います。

診療方針についてお聞きします。

保険診療であっても自由診療であっても、丁寧でクオリティーの高い治療にこだわりたいというのが私の治療方針です。例えばかぶせ物を作る時も、私は噛み合わせの良いかぶせ物を作りたいと思っています。かぶせ物の治療は通常、削ったその日に型採りをして、次の来院時にかぶせ物をするのが一般的だと思うのですが、削ったその日はまだ歯茎が落ち着いていない状態なんです。ですので歯茎が落ち着いてから型採りを行うようにしています。そうしたほうが高さ調整や、歯茎とかぶせ物のバランス調整もしやすく、最終的にご満足いただけるものに仕上がると思うからです。多少時間はかかるかもしれませんが質の高い治療を提供したいんです。納得いく仕上がりになって患者さんが喜んでくれるのが、私のやりがいにつながり、さらに勉強を重ねて技術を向上させる原動力にもなるからです。

一人の患者に時間をかけてじっくり向き合う

ところで、先生が医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

歯科医師をめざしたのは高校時代です。2年生の時に医療系の理系か英語教師の文系かで迷っていたのですが、食べることが大好きな祖父や父が、入れ歯のせいでトンカツなど好きなものが食べられないのを目の当たりにしたことと、友人に歯科医師の息子がいて「一緒にめざそう」となり、歯科医師をめざすために理系を選択しました。ただ私は親も親戚も医療関係ではないですし、私立の歯学部に行ける経済的な余裕もありませんでした。すると友達が公立の歯科大学があることを教えてくれ、そこに進学して歯科医師になることができました。今はセミナーに行っていろいろ学ぶのが楽しいですね。学んだことを生かすため、採算度外視で妥協せず治療をすることも多いのですが、満足いく治療ができた時はすごくうれしくて、歯科医師は自分の天職だったなと思っています。

奥さまも歯科医師をされているのですね。

妻は大学の同級生で同じく歯科医師をしています。妻には開業を決める時など要所要所で相談に乗ってもらっていたのですが、彼女のアドバイスに従うと結果的に良い方向に転ぶことが多くて、私にとってはとても心強い存在です。「おかもと歯科」も妻の紹介で勤め始めたという経緯があって、本当にいい縁を運んで来てくれるんです。妻は現在育児休業中ですが、復帰したら当院の副院長として働いてほしいと思っています。基本的な治療方針やコンセプトは共有した上で、担当医制にしてそれぞれの患者さんを診られるようにしたいですね。また、将来的に歯科医師を増員する場合も、誰が行っても同じクオリティーの治療を提供したいなと考えているので、教育には力を入れていくつもりです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院では「きれいで長持ちさせる」をコンセプトに診療を行っているので、治療に時間がかかってしまうことも多いのですが、これからも妥協することなくこだわって治療していきたいと考えています。保険診療でも自費診療でもクオリティーを変えることなく、どの患者さんにも全力で対応させていただきます。今かかりつけの歯科が見つからずに困っている方や、噛みづらいといった違和感で悩んでいる方は、一度相談にいらしてください。当院では、幅広い症状を一貫して診ることのできる体制を整えていますし、患者さんには私の持っている情報を惜しみなくお伝えしたいと思っていますので、安心してご来院いただけるとうれしいです。