実はさまざまな人が利用可能
自宅で受けられる歯科訪問診療
原宿わたなべ歯科診療所
(横浜市戸塚区/戸塚駅)
最終更新日:2024/06/26


- 保険診療
さまざまな事情により歯科医院への通院が困難で、人知れず口腔環境が悪化してしまうケースは多いと聞く。その実情を目の当たりにした「原宿わたなべ歯科診療所」の渡邉仁史院長は、在宅歯科医療の必要性を痛感。すべての患者が衛生的かつ介護がしやすい口腔環境を維持できるよう、歯科訪問診療ができる歯科医院を開業した。同院では外来と並行して歯科訪問診療にも毎日対応し、専門チームが患者の自宅や介護施設などで必要なケア・治療を実施。虫歯の治療をはじめ、入れ歯の調整やブリッジ治療、誤嚥性肺炎予防のための摂食嚥下機能評価など、その内容は多岐にわたる。今回は「歯科訪問診療は寝たきりの人のためだけのものではない」ということを伝えるべく、渡邉院長に診療の対象となる人や治療内容、依頼方法について聞いた。
(取材日2023年11月29日)
目次
要介護度や年齢に関係なく、外出が困難な人を対象とする歯科医療。外来でできる治療のほぼすべてを提供可能
- Q歯科訪問診療とは、どのようなものでしょうか?
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A
▲畳半畳ほどのスペースがあれば診療可能
歯科訪問診療とは、患者さんがご自宅で、ベッドの上や車いすに座ったままの状態で診療を受けられる歯科医療です。診療は健康保険、介護保険が適用されますので、どの歯科医院に依頼しても診療費に大きな差はありません。詳しい費用については初回時にご説明を差し上げます。また、当院には院長を中心とした訪問専門のチームがあります。外来の空き時間で訪問歯科診療に対応しているわけではないため、ご希望の曜日や時間に合わせてスケジュールの相談、調整が可能です。治療の際はご自宅で機材を組み立てますが、畳半畳ほどのスペースがあれば十分に行えますのでご安心ください。
- Qどのような方が対象になるのでしょうか?
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A
▲訪問診療で使用する器具
歯科訪問診療に対し、「寝たきりの方を治療する」というイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし実際の対象は「お一人での外出が困難な方」で要支援・要介護度なども関係なく、元気にデイサービスに通われている方もおられます。当院にも歩行に不安があり、ご家族と一緒にタクシーで通院されている患者さんがいらっしゃいますが、その中の多くの方は歯科訪問診療の対象です。また年齢も不問で、ご高齢の方だけでなく、医療的ケア児・者や障害者、知的能力障害児・者も対象に含まれます。なお訪問対象となる疾患や患者さんの状態には目安がありますので、まずは自分が当てはまるのか、お電話にて気軽に相談するのがよいでしょう。
- Q歯科訪問診療で受けられる治療内容を教えてください。
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A
▲外来で治療できるほとんどは対応が可能
まったく一緒とはいかないものの、外来で可能な治療のほとんどはご自宅で受けられます。治療内容は患者さんの全身状態や体調などを踏まえてご相談させていただきますので、初めに現在患っているご病気を含め、全身の健康状態をお伝えください。当院でご提供可能な治療は、虫歯を削って詰める治療や麻酔を用いた神経の治療、差し歯・かぶせ物の治療、ブリッジ治療、義歯の修理や製作などです。また在宅であっても、外科的な切開を伴う抜歯に対応可能です。さらに誤嚥性肺炎のリスクを減らすべく、内視鏡による摂食嚥下機能の評価と指導に注力しているほか、口腔乾燥への対応や口腔カンジダ症の検査・治療もしっかりと行います。
- Q依頼方法についても伺います。
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A
▲毎日対応できる体制を整えている
ケアマネジャーや訪問看護ステーション、医科からのご相談を受けて始まるケースが約9割です。もちろん、患者さんご本人やご家族、介護者の方が直接申し込むことも可能ですので、お電話やFAXにてご連絡ください。その後、ご要望をもとに訪問日時を決定し、一人ひとりに合った診療方針を考えます。診療は毎回30分が目安で、治療後にアフターケアのご説明もします。患者さんと介護者の方の負担を軽減するために、定期検診も実施し、口腔内の食べ残しや歯石・歯垢の除去、入れ歯の調整、セルフケアのポイントもお伝えしています。治療を受ける際には健康保険証、お薬手帳をご提示ください。また、お持ちの場合は介護保険証もご用意ください。