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渡邉 仁史 院長の独自取材記事

原宿わたなべ歯科診療所

(横浜市戸塚区/戸塚駅)

最終更新日:2024/06/26

渡邉仁史院長 原宿わたなべ歯科診療所 main

戸塚駅からバスで20分の住宅街にたたずむ白い戸建ての「原宿わたなべ歯科診療所」。バリアフリーで親しみやすい雰囲気だが、その中は戦場だ。訪問診療への熱い思いから渡邉仁史(ひとし)院長が開院したのは2016年のこと。現在では、かかりつけ医として頼りにする近隣住民も増え、バックヤードの壁一面に掲げられたエリア地図には訪問先を示す多数の付箋が貼られている。外来診察が終わった後も、必要とする家族に治療報告の電話をかけ続けるスタッフの姿がそこにはあった。診察券に携帯番号を記載し、家族や患者の急なSOSにも可能な限り対応しているという渡邉院長。口腔内から命を守る戦いに挑む日々について、詳しく話を聞いた。

(取材日2023年8月4日)

内視鏡やエックス線も備えた本格的な歯科訪問診療

まず、歯科医師をめざしたきっかけやご経歴を教えてください。

渡邉仁史院長 原宿わたなべ歯科診療所1

もともとは研究の道に進みたくて、北里大学理学部では唾液の生化学を専攻していました。テーマとしていたのは、口腔内カビが増殖する口腔カンジダ症を唾液中のタンパク質をコントロールすることで克服できないかというものです。それには歯学的なアプローチも必須と思い至り、26歳の時に鶴見大学歯学部に編入しました。卒業後は海外の大学院に留学する予定でしたが、口腔外科で研修をして「人と話しているほうが自分に向いているかもしれない」と気づいたんです。タンパク質も微生物も喋りませんからね(笑)。現在は日々の診療の傍ら横浜薬科大学薬学部の研究生も続けています。

なぜ、開業しようとお考えになったのでしょうか。

勤務医時代にご家族とともにタクシーで通院する方の多さに驚き、在宅医療ができる歯科医院を作らなければと思うようになったんです。わたしは学生時代よりデイサービスで口腔ケア指導のボランティアを行っており、合わない入れ歯でも誰にも気づかれず食事の形態があっていない方、折れた歯がそのまま放置されている方など、さまざまな状況を目の当たりにし、在宅医療の必要性を痛感しました。「在宅医療を受けている人にブリッジをしても仕方ない」と考える歯科医師もいるかもしれませんが、訪問対象となる患者さまはリハビリなどを行えるなど、皆さまお元気です! 私は「誰であっても清掃しやすい口腔内作り」を目標に治療を行います。その結果、より質の高い介護が提供できる口腔内環境を実現したいのです。外来診療も行っていて、ご紹介などで遠方から通われる方もいます。

現在の診療体制はどのようになっていますか。

渡邉仁史院長 原宿わたなべ歯科診療所2

外来の合間に訪問診療をしているのではなく、私も含めた専門のチームが患者さまのご都合に合わせて訪問しています。月曜日から日曜日まで、訪問診療を行っていない日はありません。訪問診療に携わる歯科医師は現在7人で、大学病院で入れ歯、嚥下機能検査などを専門としているスペシャリストたちです。基本的には家族への連絡などをする医療コーディネーター、歯科衛生士、歯科医師の3人組で動くのが原則です。移動用歯科ユニットなどの機材は1人では運べませんからね。

外国語の対応は可能ですか?

英語対応の他、ごあいさつ程度の手話も行いますが専門的なことは筆談になります。

患者の気持ちに寄り添った診療を行う

訪問診療では具体的にどのような治療ができますか。

渡邉仁史院長 原宿わたなべ歯科診療所3

外来での診療とまったく同じにはできませんが、一通りの治療が可能です。虫歯や差し歯の治療はもちろん、入れ歯も作り根管治療もします。作っている入れ歯の経験数はとにかく多いです。たくさん歯が残っていても、折れていたり化膿しているケースも多いです。在宅であっても、メスを使った抜歯術などもよく行っています。その他、口腔ケアでは食べ残しや歯垢の除去だけではなく、口腔内のカビが増殖する口腔カンジダ症の検査をして粘膜の治療も専門的に行います。また、必要に応じて患者さま、ご家族さま、介護従事者に毎日のお手入れのポイントをお伝えしています。さらに、注力してめざしているのが誤嚥性肺炎のリスクを減らすための摂食嚥下機能の評価です。嚥下内視鏡検査もしながら、ご家族さまに食事の工夫の仕方などをお伝えして、食事場面を多職種で観察して機能を評価することも行っています。

こちらでは、どのような方が訪問診療を利用しているのでしょうか。

訪問診療というと寝たきりの方を想像されるかもしれません。しかし実際はデイサービスにも通われ、皆さまお元気です。疾患は脳血管障害、心疾患、認知症、ALS、パーキンソンなどの神経難病の方の相談が多いですが、実は患者さまに年齢は関係ありません。「お一人での外出が困難な方」が対象となります。インプラントのトラブルを抱えているケースも増えてきています。また、ご高齢者は世代的に歯科医師に遠慮する方が多く、入れ歯が合ってないのに「かかりつけ医に悪い」と、転院をためらう方も多いです。歯科は医師と患者さま、1対1の関係です。セカンドオピニオンを求めるのにためらわないでほしいです。まずは自分が訪問診療の対象になるかお問い合わせください。

診療にあたって大切にしていることをお聞かせください。

渡邉仁史院長 原宿わたなべ歯科診療所4

とことん、患者さまのお話を聞くことです。外来でも30分、1時間と話す方がいれば、他のユニットも回りながら最後まで耳を傾け、その方のお話に否定はしません。その方がつらいのは本当のことですから。また、患者さまの立場になるというのも大事にしています。ある時「先生は若いから、入れ歯を使っている人の気持ちなんて絶対わからないよ」と患者さまに言われたので、自分で入れ歯にしてみました。4種類くらい作ってみましたね。神経も取り、麻酔もあえて神経に直接打ってもらいました。そこまでする必要はなかったのですが、治療を受ける側になるとどれだけ大変なのか身をもって知りたかったんです。入れ歯の不快さも知りましたし、本当につらいものだと実感できた良い機会でした。

自費診療も行っていますか?

インプラントや矯正治療などの自費診療は行いません。希望される方には信頼できる医療機関へのご紹介を行います。患者さまの希望があれば自費の入れ歯治療なども行いますが、決してこちらから勧めることはありません。海外の歯科治療も見てきましたが、日本の保険治療は世界一、素晴らしいものだと思っています。

患者の命と生活を口腔内から守る真剣勝負の日々は続く

今後の展望についてお聞かせください。

渡邉仁史院長 原宿わたなべ歯科診療所5

医療従事者、介護従事者向けの講演会をボランティアで行っています。話を聞きたいという方が一人でもいれば全国どこへでも伺います。特に啓発したいのが口腔カンジダ症です。「口の中に白い膜ができる」という特徴で知られますが、実は約半数の方は逆に真っ赤になります。診断がつかないまま何年も歯科医院を転々とする患者さまをなくしたいのです。また、今後とも歯科訪問診療に力を入れていきますが、外来診療をなくすことはありません。私を頼って遠方から通われる患者さまがいるのですから、私は外来診療も行います。自営業を営んでいた母の言葉を借りるなら、「いつもと同じ時間に同じ場所で、同じ人が同じように商品を売っているのが大事。そうしないと、コンビニに買いに行っちゃう。みんな、私と喋りに来るんだから」ということ、歯科医院も同じだと思っています。

休日はどのようにお過ごしですか。

週一回の休日は母の通院の付き添いや、講演会、歯科健診で予定が埋まっていきます。移動でバイクに乗るのは好きですが時間的に遠出はできず、毎日の出勤で走っているくらいですね。もう一つの趣味である柔道は中学時代から続けている唯一の運動です。どちらも妻に「けがをして患者さまに迷惑をかけたらいけない」と心配されています。でも、本当はたとえ私がいなくても滞りなく診療が続いていくのが理想ですから、後進の歯科医師、歯科衛生士の教育にも力を入れているところです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

渡邉仁史院長 原宿わたなべ歯科診療所6

ケアマネジャー、ホームヘルパーなどの介護従事者の方、内科などの医療従事者の方で、訪問診療に対応できる歯科医院をお探しの方はぜひご相談ください。ご高齢の方はもちろん、障害のある方への歯科訪問診療、外来診療ともに対応可能です。ユニットは仕切らず、洗い場との壁も撤去して、治療中に体調が変わる人がいてもすぐに駆けつけられる大学病院の口腔外科と同じような作りにしています。時には私が大きな声で話しているのが聞こえる日もあるかもしれません。それは、患者さまの食や健康に関わる問題なので私も必死です。常に本気で、患者さまの命と生活に寄り添う歯科医院でありたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

入れ歯/ノンクラスプデンチャ―:10万円~

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