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橋本 集 院長の独自取材記事

逢縁クリニック

(札幌市北区/北34条駅)

最終更新日:2021/10/12

橋本集院長 逢縁クリニック main

24時間365日対応型の訪問診療・往診を行う札幌市の「逢縁クリニック」は、2021年春に開院したばかり。同院のある北区、中央区、東区を中心に、半径15キロメートル以内を訪問対象エリアとしている。橋本集院長は、脳神経外科の医師として札幌禎心会病院に勤めた後、市内の在宅クリニックに勤務。そこで大きなやりがいを感じ、開院を決意。勤務医時代の仲間である2人の看護師、事務長とともにスタートさせた。仕事も人柄も信頼し合う仲間たちとあって連携はスムーズ。皆豊富な経験を持ちながら、機動力にあふれている。「医療知識のある親戚のようなスタンスで、患者さんと関わっていきたいですね」「アピールポイントは成長力です」と話す橋本院長に、診療内容や患者への思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2021年6月14日)

モットーは医療知識を持つ親戚のような存在になること

こちらではどのような診療を行っているのですか?

橋本集院長 逢縁クリニック1

在宅医療を提供しています。基本的には入院治療の延長だと思っており、病院のベッドではなく、家のベッドで寝て入院していただいているというような感覚です。ですから、手術や、心臓カテーテルなど大がかりな検査以外の診療は在宅で行えるようにしたいですね。「できますか?」と聞かれたら、可能な限り「できます」と答えたいのです。ご自宅に伺うと、家の中でお困りのことや、ご趣味、ご家族など、患者さんの人生を含めて深く把握できます。選択肢があったり、重大な決断をしなければならなかったりするときも、その方がどういう道を選びたいのかを、よりしっかりと感じることができると思うのです。

このエリアで開院した理由と、診療ポリシーについて教えてください。

以前、勤務していた札幌禎心会病院に近く、土地勘があるというのが大きな理由ですね。当院から半径15キロメートル以内を対象エリアとしていますが、特に石狩方面など、在宅医療が行き渡っていない地域でかなりニーズがあると思っています。診療では、医療知識を持っている親戚になることがモットーです。例えば、自分の祖母から「具合が悪い」と電話が来るのは自然なことですよね。「先生」というより、「よく来たね」と言っていただける、孫のような存在になれたらうれしいですね。

どのような患者さんが多いのですか?

橋本集院長 逢縁クリニック2

通院困難な認知症、末期がんの方などが多いです。また、今は新型コロナウイルスの影響も関係しています。最期を看取りたいと思っても、病院に入院している患者さんには会えないという実情がある。そうした理由で在宅医療を受けることを選択している患者さんも多い印象です。当院へのコンタクトは、ご家族から「家に連れて帰るにはどうしたら良いか」などと病院に相談があり、病院の医療ソーシャルワーカーからご家族の希望を取り次ぐ形で連絡を頂いています。直接、当院へ連絡が来るケースもありますよ。当院では患者さん急変の連絡があったとき、病院で対処が必要な場合に備え、各地域の基幹病院に医療連携をお願いしていますが、患者さんに熱があると受け入れのハードルが上がってしまいます。そんなところでも、コロナ禍の影響はありますね。

終末期医療で大切にしているのはどんなことですか?

後悔を残さないようにすることですね。患者さん、ご家族ともに、良くも悪くも慎重になりすぎる面があります。薬のことから外出、食べ物や飲酒、椅子に座っていいのかまで心配されるんです。相談を受けたときは、どうすれば一番後悔しないかを考えて判断しています。例えば、患者さんが「バナナを食べたい」と言うけれど、ご家族は「喉に詰まったら大変だからやめよう」と考えていたとします。もしそれが口から物を食べられる最後のチャンスだったとしたら、食べずに亡くなれば後で後悔すると思うのです。そうしたことを冷静になって先に想像してもらえるようにして、良い時間づくりのようなものができたらと思います。

「逢縁」は患者を応援し出会いを大切にするという理念

脳神経外科専門の医師から、在宅医療の医師へと移られたのはなぜですか?

橋本集院長 逢縁クリニック3

3年ほど前に、子どもが生まれたのが大きいですね。脳神経外科の医師は病院で多くを過ごし、家に帰るのは寝るか風呂に入るため、という日常を送ります。憧れて選んだ道でしたが、家族と過ごす時間を大切にしたいという思いが強くなったのです。また病院では、手術をする患者さんなら入院中に主治医となり多く関わることもありますが、外来診療はどうしても流れ作業のように過ぎてしまうことも。患者さん一人ひとりとしっかり関わりたくて、市内の在宅医療を行うクリニックに転職しました。在宅医療では何度も患者さんと接することができ、生活スタイルや嗜好なども理解しながら、その方にとって「一番良いことは何か」を考えることができる。ライフワークにしていけると思いました。

日々の診療で、大きな手ごたえを感じるのはどんな時ですか?

在宅医療は24時間365日往診が基本です。夜中に電話が来て診療に伺うとき、「お役に立てているな」と強く感じます。夜、患者さんのご家族から電話が来る。勇気を出して呼んでいただいて、問題の解決や不安の解消ができると、うれしく思います。自分が行かなければ救急車を呼ぶしかない、自分が最後に頼れる人になっているんだという使命感。気が引き締まりますし、達成感は大きいですね。

クリニック名の由来について教えてください。

橋本集院長 逢縁クリニック4

人のチャレンジを応援するのが好きという友人がいて、よく「応援、応援!」と言うのを聞いて、好きな言葉になりました。表舞台には出ず、サポートするのが好きというのも素敵だなと。「応援」をそのまま名にしてもわかりにくいので「おうえん」と読む熟語を探したら、禅の言葉で「逢縁即宗」、縁に逢うて宗に即すという言葉を見つけたんです。すべての世界の物事は何かの関わりの中で存在しているという教えらしく、医療と患者さん、自分とスタッフ、地域とクリニックなど、いろいろな関係性を描いているような言葉だと思いました。そういう経緯から、患者さんのことを応援し、関係性を大切にするという意味を込めています。当院の名が、地域で成し遂げたいことそのものであり、理念。自分の名刺を見るたび、電話を受けるたびに意識し、メンバーでも共有できる。とても気に入っています。

アピールポイントは、若さと柔軟性と成長力

先生が医師をめざしたきっかけは?

橋本集院長 逢縁クリニック5

父が医師だったことが大きいですね。実家は網走なのですが、将来の職業を考えた時、周囲にモデルとなる大人は学校の先生か医師である父くらいしかいなかったんです。父は有床の脳神経外科病院を開院していて、町の人からとても頼りにされているのを感じ、格好いいなと思っていました。脳神経外科を選んだのも、やはり父の影響です。将来は地元に戻って病院を手伝えたらと思っていたのですが、人口構造を考えた時、自分の代まで長く続けるのは難しいと断念しました。

お忙しい毎日と思いますが、オフの過ごし方やご趣味などについて教えてください。

開院してからは毎日仕事のことばかりで、合間に息子と遊んでいるという感じですね。休日の過ごし方でいうと、脳神経外科時代と変わらないかもしれません。今は仕事とプライベートの境目がないですが、充実しています。健康のために週1回テニススクールに通い、レッスンの前後に併設のジムで軽く汗を流し、運動習慣を絶やさないようにしています。食生活はというと、食べたいものを食べ自由にしているほうで、模範になるようなことはしていませんね(笑)。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

橋本集院長 逢縁クリニック6

訪問看護ステーションを設置したいですね。また、良い意味で医療業界の閉塞感を壊したいという思いがあります。職種、年齢、地域に関係なく医療以外の分野とも調和できる、そんな組織をつくりたいんです。今取り組んでいるのが訪問美容室で、市内のサロンとタイアップしています。それをさらに発展させ一般社団法人をつくり、市内の事業者、美容師さんたちを募ることを考えています。逢縁という名を選んだのは、偶然出会ったことに価値を感じてもらえるような組織になりたいという思いからでもあります。医療機関と患者さんという関係の中で、何を提供できるか。まだまだ模索中ですが、僕らには成長する力があるし、スタッフ教育でもそこを意識しています。アピールポイントは、若さと柔軟性と成長力。今より1年後にもっと良いチームになっている自信があります。この熱量に共感して、当院を選んでもらえたらうれしいですね。

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