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神農 悦輝 院長の独自取材記事

神農デンタルオフィス

(豊見城市)

最終更新日:2022/05/16

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沖縄本島南部の豊見城市渡橋名の医療モール「メディカルプラザとよさき」内に、「神農デンタルオフィス」はある。京都出身の神農悦輝院長は、大阪大学歯学部で顎関節症を専門に学んだ後、沖縄の口腔外科の担い手をめざし、琉球大学大学院へ。琉球大学病院で研鑽を積んで、浦添総合病院や南部徳洲会病院で口腔外科部長として救急医療に従事。重篤な疾患や難しい症例を経験した。自らの口腔外科の専門的な知識や治療技術を生かすために、顎関節症治療とインプラント治療に特化した神農デンタルオフィスを2021年7月に開院。歯科医師としての歩みから沖縄の歯科医療へ貢献したいという熱い思いまで、神農院長に話を聞いた。

(取材日2021年7月15日)

ある出会いから沖縄に呼ばれ口腔外科を学ぶ道へ

歯科医師をめざした理由を教えてください。

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もともと漠然と医療従事者への憧れがありました。高校も医学部に進学する生徒が多かったんですが、生死に関わる仕事に就く自信がなかったんです。でも、再建医療の分野であれば、命に関わる重篤な疾患を扱うことはないとの考えで歯科医師を志すようになり、大阪大学歯学部に進学しました。

口腔外科を専門にしたのはなぜですか?

沖縄でのある出会いがきっかけです。大阪大学在学時中、沖縄に遊びに行った時に、琉球大学医学部で講師をしていた産婦人科の佐久川哲郎先生にお会いし、先生と親交のあった当時口腔外科の准教授の砂川元先生を紹介されました。その時に「きれいな海が好きだから、沖縄の離島で歯科医師をしたい」と言ったら、「沖縄には口腔外科の担い手が不足している。特に琉球大学では顎関節症を専門にする人がいないから、私が教授になった暁には呼び寄せるので、大阪大学で顎関節症の勉強をしなさい」と言われたんです。当時沖縄では、口腔がんなどの治療は琉球大学病院で治療していたのですが、人手が足りないので、患者さんを県外に送ったり、逆に県外から医師を呼んだりして治療しなければいけない状況でした。その後、卒業後も大阪大学に残って顎関節症の勉強をし、臨床経験を積んだ後、琉球大学病院の口腔外科へ入局しました。

沖縄に来てからは、どのようなキャリアを積みましたか?

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琉球大学病院の口腔外科では、顎関節症に加え、インプラント治療も行いましたが、一般の歯科では難しい症例が多かったです。例えば、先天性疾患の口唇裂・口蓋裂や、口腔がんの患者さんなどは、歯を再建しようにも土台になる骨がないので、腰など体のほかの部位から骨を移植してからインプラントを行うといった場合です。その後、浦添総合病院で7年勤務し、南部徳洲会病院に移りましたが、どちらも救急病院です。命に関わる仕事をしたくなくて歯科医師を志したはずが、離島からヘリで運ばれて来るような、重篤な症状で救急搬送される患者さんを多く診ました。バイク事故で顔面に激しい損傷を負った患者さんは、外科、形成外科、耳鼻科、放射線科、眼科などの医師が集まって治療しましたが、琉球大学での経験を生かして、肩の骨を血管とともに顎に移植した後でインプラントを行いました。さまざまな症例に携われたことが現在の診療に生かされていると思います。

顎関節症治療とインプラント治療に特化し開院

開院したクリニックは、顎関節症治療とインプラント治療に特化しているんですね。

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当院では、一般的な歯科治療に加えて、顎関節症治療とインプラント治療にも力を入れています。どちらも一般的に行われている治療ですが、口腔外科で得た技術を生かし、難しい症例も沖縄県内で治療できるような、専門分野に特化したクリニックをめざしています。大学病院や救急病院ではどうしても、親知らずの抜歯や腫瘍など、さまざまな疾患に対応しなくてはいけません。ある程度、経験を積んできたと自分で判断し、専門分野に絞りたいと思うようになったのも、開院のきっかけになりました。

顎関節症では、どのような治療をするのでしょう。

顎関節症は、噛み合わせの問題や、よく噛まなくなって顎が小さくなるなどで機能が低下し、顎の関節や筋肉にかかる負荷とのバランスが崩れ、痛みを感じたり口を開けると関節が鳴ったりして口が開けづらくなる疾患です。治療法は大きく分けて、保存的療法と外科的療法があります。保存的療法は、関節の負荷を下げる目的のマウスピース型器具を用いたスプリント療法、機能を上げる目的の運動療法、関節内に注射器で薬剤や生理食塩水の注入と吸引を繰り返して洗浄するパンピング・マニピュレーションなどがあります。さらに悪化すると、顎関節のクッションに当たる関節円板がずれて癒着し、動きを阻害するので、外科的療法が必要になります。関節鏡視下剥離授動術という手術により、挿入した関節鏡を見ながら、癒着した関節円板を剥がしていくんです。全身麻酔が必要な上技術的にも難しいため、ほかのクリニックから紹介されて外科的療法を行うことも多いです。

インプラント治療に力を入れるようになったのはなぜですか?

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最初は、顎関節症の治療で噛み合わせを改善するための方法として興味を持つようになりましたが、大学病院や救急病院で、さまざまな疾患や負傷によって歯が欠損した患者さんを診る中で経験を積みました。インプラント治療は、咀嚼機能を改善する上で完成度の高い治療方法だと思います。ブリッジの場合は欠損した歯の両隣の歯を削らなくてはいけませんが、インプラントなら現存歯に負担をかけずに済みますよね。一方で、インプラント治療は骨の中に支台となる人工歯根を埋め込む際、口腔外科的な知識が必要になります。一般歯科で習得する機会がないという歯科医師の方には、知識や技術の伝授もしていきたいと考えています。

沖縄の歯科医療に貢献したい

開院にあたり、設備などでこだわった点を教えてください。

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まずは、天井を非常に高くしてあります。個人的な好みもありますが、換気も考慮しました。外気循環式の換気システムによって、飛行機の中のように定期的に空気が入れ替わるようにして、感染症対策をしています。感染症対策としては、口腔外バキュームでエアロゾル感染を防ぐ工夫もしています。エックス線は、パノラマエックス線撮影装置に加え、円錐状のエックス線を照射して回転撮影することで画像データを3D画像が作成できる歯科用コーンビームCTを導入しました。

手術室もかなり充実していますね。

手術室には、生体モニターを用意しています。これで、静脈麻酔を用いた手術が可能になります。静脈麻酔は、局所麻酔と全身麻酔の中間的な麻酔法で、意識はある状態で精神的にリラックスして手術に臨めます。手術中は生体モニターで心電図、脈拍などのデータをチェックしながら、適宜、薬剤投与などの処置も行い、琉球大学病院、南部徳洲会病院、豊見城中央病院と連携することで、さらにリスク回避を徹底する体制を取っています。そして、この手術室はできるだけオープンにし、ほかの歯科の先生方に見学していただきたいと考えています。例えば、難しいケースでのインプラント治療など、口腔外科で得た知識や技術をお伝えする場にしたいです。

今後の抱負をお聞かせください。

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まずは、これまで治療を諦めていたような患者さんのお役に立ちたいです。土台になる骨がなくてインプラントは無理と言われていた患者さんも骨移植で可能なこともありますし、顎関節症のスプリント療法は高額だと思っている患者さんには保険適用も可能だとお伝えするなど、可能なかぎり患者さんの要望にお応えしたいです。そして、周りの医療機関とうまく連携していきたいと考えています。琉球大学病院、南部徳洲会病院、豊見城中央病院と密な連携をとって安心・安全に配慮した治療に努めるとともに、かかりつけの歯科医院での治療がスムーズになるための橋渡しになるような活動をし、手術室などを歯科医師の方々に見学してもらい学びの場にしていただきたいです。ここまで成長できたのは、育ててくださった先生方と、治療で関わった患者さんたちのおかげ。そういった方々への恩返しのためにも、沖縄全体の歯科医療の底上げに貢献していきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/32万円~、骨移植/5万円~

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