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蔭地 啓市 院長の独自取材記事

おんじ内科クリニック

(安芸郡海田町/海田市駅)

最終更新日:2021/10/12

蔭地啓市院長 おんじ内科クリニック main

海田市駅から徒歩約9分。南大正町の「おんじ内科クリニック」は今春、開院したばかり。内科、消化器内科、内視鏡内科を診療し、広々した院内は明るく開放感あふれる。消化器内科を専門とする蔭地啓市院長は、勤務医時代、数多くの胃・大腸内視鏡検査に携わってきた。患者の負担が少ない内視鏡検査を行い、がんや大腸ポリープの早期発見・早期治療につなげることに力を注ぐ。また隣市での地域医療の経験も生かし、一般内科や生活習慣病の改善にも取り組んでいる。「地域のかかりつけ医として、小さな不調も気軽に相談してもらいたい」と穏やかな笑顔で語る蔭地院長に、内視鏡検査の工夫や院内設備など詳しく聞いた。

(取材日2021年6月9日)

できるだけ苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査に注力

内科だけでなく、消化器内科、内視鏡内科も標榜されているのですね。

蔭地啓市院長 おんじ内科クリニック1

勤務医時代、消化器内科で数多くの胃・大腸内視鏡検査と治療、超音波検査に携わっており、私の専門、得意分野です。数多くの内視鏡検査を行ってきましたが、患者さんにとって、できるだけ痛みがなく苦しくない、肉体的にも精神的にも負担の少ない検査を行い、がんの早期発見や治療につなげることを大切にしています。また、超音波検査はエックス線のような被ばくもないので患者さんの負担が少なくできます。腹部では、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、膀胱などを、いわば聴診器代わりのように診察でき、虫垂炎や腸炎の診断、脂肪肝や胆のうポリープの発見などにも役立ちます。呉市や東広島での地域医療の経験を生かしながら、一般内科や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の診療も行い、地域の方々の頼れるクリニックになりたいと思っています。

内視鏡検査は、つらいというイメージがあります。

当院では、胃の内視鏡は経鼻、経口どちらにも対応していますが、鼻から入れる経鼻内視鏡は口から入れるよりも嘔吐感が少なく、希望される患者さんは多いです。昨年発売された5.4mmほどの経鼻内視鏡を導入しました。これまでは細い内視鏡は画質が劣ると評価されていましたが、高画質になり検査の質が上がりましたね。通常、挿入時のつらさを軽減するため喉の麻酔を行いますが、さらに適切な鎮静剤を使って、ぼんやりと眠くなるような、うとうとした状態で検査を行うことでつらさの軽減を図っています。意識がしっかりした検査後に画像をお見せしたり、ご家族に見ていただくなど、しっかり確認、納得してもらうことも心がけています。大腸内視鏡検査でも、おなかの張りや痛みなどを感じることがあるので、同様に鎮静剤を併用し、できる限り痛みのない、苦しくない検査を受けていただけるよう努力しています。

設備などで工夫されたことはありますか?

蔭地啓市院長 おんじ内科クリニック2

検査機器以外の部分もいろいろ考えました。検査室のリクライニングベッドは移動もできるものを選びました。例えば胃内視鏡検査の場合、患者さんは喉の麻酔から実際の検査、リカバリー室への移動まで、ご自身で動く必要はありません。大腸内視鏡検査では、検査前の下剤を飲むためのトイレつきの個室を用意し、プライバシーにも配慮。検査前の緊張を和らげるよう、チェア、テーブル、テレビを備え、くつろぎながら誰にも会わずに準備ができます。私も過去に自分が検査を受けた時、トイレ渋滞が起きて大変でした(笑)。共有トイレでなく、他人の目が気にならずリラックスできる個室があればと思ったんです。大腸内視鏡でポリープを発見した場合、その場で切除できるものは治療を行っています。検査と切除・治療が一度で同じ日で済めば、患者さんの負担が少なくて済みますから。もちろん大きな病変や入院を必要とする治療には、連携した医療施設をご紹介します。

検査のハードルを下げ、早期発見・治療につなげる

開院までの経緯を教えていただけますか?

蔭地啓市院長 おんじ内科クリニック3

2002年に福岡大学医学部を卒業後、出身地である広島に戻り、広島大学医学部附属病院で初期研修を行い、東広島医療センターでも経験を積みました。その後、広島大学病院で消化器内科領域、特に内視鏡検査や治療、超音波検査の臨床研究に携わりました。2012年から9年間、呉市医師会病院に勤務。地域医療、一般内科全般にも関わり、内科部長を務めた後、開院しました。数多くの内視鏡検査を経験しましたが、大学病院時代は、少しでも上達したいと教授や上級医の検査を見せてもらうなどノウハウを積極的に吸収していきました。

このエリアに開院されたのはなぜですか?

呉市の病院に長く勤務していたので、当初は呉でと考えていましたが、今から3年前海田を地元とする方の紹介があり、この地に決めたのです。JR山陽本線・呉線の2つの路線が通る海田市駅から徒歩約9分、最寄りバス停の海田大正町から徒歩約4分。広島市内から車で約20分と、交通手段も多く通いやすい。近くには郵便局、大型スーパーや書店があり、利便性が良く、敷地も広い。働くのにはとても良い場所だと、決断しました。海田町はこの数年でマンションが多く建ち、人口も増えており、広島市からも近く伸び盛りの地域。活気ある場所に開院できて良かったと思っています。

開院してまだ日が浅いですが、手応えや、患者層などについて教えてください。

蔭地啓市院長 おんじ内科クリニック4

内覧会ではさまざまな健康相談のほか、血管や脳年齢について質問されるご高齢の方も多く、地域の方の健康意識の高さを感じました。患者さんは小さなお子さんからご高齢の方まで幅広く来院されます。消化器内科を標榜しているので、おなかの不調を訴える方は多いですし、生活習慣病の方も多くいらっしゃいます。開院以来、すでに多くの内視鏡検査も実施していますが、つらい思いをして「もう受けたくない」と思われてしまうことは避けたい。いかに楽に検査を受けてもらえるかにこだわり、検査のハードルを下げたいという思いで取り組んでいます。

一人ひとりの患者を大切に、長く寄り添っていきたい

ところで、先生が医師をめざしたきっかけは?

蔭地啓市院長 おんじ内科クリニック5

小さい頃、風邪をひきやすく小児科によくかかっていました。医師と接する機会が多かったので、子ども心に憧れたんですね。小学生の頃には人気の医療漫画を読んで、さらに憧れて(笑)。中高生になってからは、人の役に立つ仕事がしたいという思いも芽生え、自然と目標が定まりました。両親は医師ではありませんが、私の進路の希望を尊重してくれました。

お忙しい毎日と思いますが、オフの過ごし方やご趣味について教えていただけますか?

今は球場へ行くのは控えているのでテレビ観戦が主ですが、一番の趣味は野球観戦ですね。勤務医時代は皆でよく話題にしていましたし、ユニフォームを着て来る患者さんもいました。今は小学6年生の長男が良い話し相手です。私は中学・高校時代は陸上部、大学では水泳部と、スポーツが大好き。子どもと家の近所をよくジョギングします。体重が少し増えてしまったので、体調管理も兼ねています。生活習慣病を診ているのに、あまり肉づきがよかったら説得力がないですからね(笑)。旅行も好きなので、自由に動ける状況になったら行きたいですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

蔭地啓市院長 おんじ内科クリニック6

これからも多くの方に気軽に検査していただけるよう、苦痛の少ない内視鏡検査に努めていきたいです。総合病院は待ち時間が長いので、町のかかりつけ医として検査のハードルを下げ、病気の早期発見・治療につなげることが使命と思っています。必要があれば適切な大規模病院へご紹介いたしますので、安心してご来院ください。また、将来的には近隣の患者さんを対象に訪問診療を行いたいという思いもあります。開院前に長く勤めていた総合病院のある呉市は、超高齢の町として知られており、患者さんを最期まで診るというスタンスで診療を行っていました。当院も、少しでも長く患者さんに寄り添っていけたら。患者さんが通院できなくなった時、こちらから伺えるような体制ができれば、患者さんも安心できると思いますし、地域貢献になると考えています。

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