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竹内 俊文 院長の独自取材記事

たけうち内科クリニック

(津市/久居駅)

最終更新日:2021/10/12

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近鉄名古屋線久居駅から車で約5分。「たけうち内科クリニック」は国道165号線からアクセス良好にして静かな住宅地に位置する。竹内俊文院長は三重県各地の中核病院の消化器内科で経験を積み、今年5月に開業。内視鏡検査ができる設備も整え、重大疾病の早期発見を地域ぐるみで推進していく構えだ。三重弁交じりの話しぶりは朗らかで、足を運びやすい雰囲気づくりに注力している。竹内院長に地域医療やクリニックのめざす先を尋ねた。

(取材日2021年6月9日)

思いがけない開業の好機と決意

開業から約1ヵ月たちました。心境はいかがですか。

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ここは私が開業する以前もクリニックだった場所で、そちらが閉院されてから1年ぐらいたつのですが、以前の先生にかかりつけだった方が何人か来院してくださったり、他の医療機関に移った方々の中にも当院に変更希望してくださったりするケースが何件かあり、ありがたかったです。当院は内視鏡検査に力を入れているんですが、すでに大腸カメラ・胃カメラの検査をなさった方もいるので、この調子でやっていけたらいいなと思っています。

開業の経緯を教えてください。

1年と少し前に私に病気が見つかりまして、手術・闘病を経験しました。そのことがきっかけとなり、地域医療に興味が出てきたんです。ちょうどそのタイミングに前のクリニックの先生から開業の話をいただきました。1年前に閉院され、近隣の患者さんが困っているとの話を伺い、地域医療に貢献したいという思いが高まり、悩んだ末、開業に踏み切りました。今年37歳なので開業医としては若いほうでしょうか。ただ、いずれ開業するんだったら早いほうがいいのかなと。また、この年齢になってくると、多くの場合病院で専門医資格も取っていて中堅に近い立場になるんですよ。脂が乗ってくるというのか、一番充実してくる世代なんです。そういう時期に地域に密着することで貢献できる何かがあるのではないかと考えました。

三重県の地域医療の課題や、ご自身の役割をどうお考えですか。

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例えば僕は病院で消化器内科医として働いていましたが、消化器疾患だけを診ればいいかといえば、そうではなく、糖尿病や高血圧などの慢性疾患、肺炎などの内科疾患、全部ひっくるめて診なければいけない地域性があります。内科全般の知識は専門性にこだわると得にくいので、課題にもなります。また、今後かかりつけ医がいることは必須ですが、かかりつけ医が内視鏡検査もやっていれば、患者さんは定期的に受けやすいと思います。大きい病院に行くよりハードルは低いですからね。胃や大腸は、早期に疾患を見つければ対応できる時代になってきています。早ければ、手術せず内視鏡で切ることも考えられます。症状のないうちに検査と診断を受けることが大事な臓器なので、当院も地域密着型でその役割を担っていきたいと思います。

人間力・技術力で早期発見へ導く

診療方針をお聞かせください。

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患者さんに病気を知っていただくため説明をわかりやすく行うこと、理解を深めていただくことを基本方針としています。そのほうが患者さんも動きやすく、不安も減るんじゃないかと。心がけているのは、よく目を見て話すこと。例えば電子カルテは、メリットが多々ある半面デメリットもあります。入力に必死になって患者さんのほうを向かず、言葉だけ発してしまいがちだからです。それではコミュニケーションに問題があり、理解につながらないことも増えます。しっかり対話することは大切で、それにはスタッフのサポートも大切です。診察室で言えなかったことを後から聞くケースは結構あります。スタッフにも患者さんの様子を報告してもらって、より地域密着につなげていきたいと思います。

内視鏡検査について教えてください。

内視鏡検査は他の検査に比べ苦痛の度合いが大きく、抵抗感もあるので、それを軽減する必要があります。当院では、まず話しかけながら患者さんの不安や緊張を和らげるよう努めます。機械の面でいうと、胃カメラは鼻から入れる新型で、本当に映りがきれいなんです。以前は鼻からのカメラは見づらく、早期発見に劣るという意見がありました。しかし今の新しい機種は口からのカメラとほぼ同じクオリティーなので、十分やる価値があります。鼻から喉の奥を通って食道のほうへ通過するので、嘔吐反射を起こすような場所を通らないから楽に受けられると思います。大腸カメラは細くて拡大機能つきの機種を導入しています。検査前には腸管洗浄のため下剤を飲むんですが、多くの方は自宅トイレのほうが落ち着きますよね。そこで原則的に自宅での飲用を勧めています。ただ、不安の強い方、高齢の方、介助が必要な方などは院内でも対応できます。

他に設備でこだわった点は?

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患者さんに快適に過ごしていただけるよう、内装を中心にリフォームしました。特にトイレは広い空間にし、院内の扉は引き戸にしてバリアフリーを意識しました。大腸検査後に落ち着いて身繕いできるよう内視鏡室にもトイレを設置してあります。あとは、超音波検査機器ですね。内視鏡で見られるのは胃と大腸などの消化管で、胆嚢や膵臓は超音波で見ないと診断できないんです。勤務医時代は主に胆嚢や膵臓の病気に取り組んできましたが、まだまだ早期発見が難しい領域で、症状が出てからでは治療が厳しいです。手術も体に負担がかかるので、できる限り早期発見のきっかけをつくるのが重要です。検査でリスクの高い所見を見つけたら、三重中央医療センターや三重大学医学部附属病院に紹介し、精密検査を受けてもらいます。がんの早期発見のため定期的に検査を行い、早く診断し、体に侵襲が少ない治療をする。これらは地域ぐるみでやらなければ実現しないと思います。

高度医療の現場を知るからこそ思うクリニックの使命

医師になった理由を教えてください。

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両親ともに病院に勤務していたので、幼少期から自然と将来は医療に携わる仕事に就きたいと思っていました。やがて医師を志すのですが、診療科を選ぶ時は外科、消化器内科、循環器内科、放射線科を候補に考えていました。手を動かすのが好きなので手技のある診療科がいいなと思っていました。そして研修医として病院勤務が始まり、消化器内科でカメラに触れる機会をかなりつくっていただきました。苦痛の多い検査ですが、技術次第で苦痛を軽減できることがわかって向上心が生まれ、やりがいの大きさも感じました。放射線科は最後まで悩みましたが、消化器内科のほうが患者さんと関わる機会も多く、話すことは好きですし、社会との関わりが大きい点でも自分に合っていると思い、消化器内科に進みました。

消化器内科医の苦労と喜びは?

業務上、がんの方と関わることが多いんですよ。人間の臓器は消化器系が多く、そこから発生する悪い疾患として、がんに関わる機会は他の内科の先生より多いと思います。手術可能な方は外科の先生に紹介して手術していただくんですが、発見した時点で手術できない状態の方は一般的に化学療法を組み合わせた治療に進み、内科医が担当する場合が多い。化学療法も楽な治療ではないですし、副作用が出たり、病気が進行してしまうこともあります。そういう患者さんと接する機会が多いので、精神的に負荷がかかる側面はあります。でもつらい経験を糧にしながら次に生かすこともできる。おかげで、説明は大事だなとも痛感してきました。だから結構しゃべっちゃうんです(笑)。喜びに関しては、内視鏡検査で「前回より楽だった」と言ってもらえたら、やっぱりうれしいです。皆さんにそう感じてもらえるよう頑張ろうと、意識的に努めています。

今後の展望をお聞かせください。

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受診への抵抗が少なく、かかりやすいことが前提条件にあれば、気軽に来てもらえて見落としも減るんじゃないかと思います。検査した時には遅かったという話はよくありますが、かかりやすい医療機関が近くにあれば、そんな事例は減っていくと思います。内視鏡検査は一度やってもらえば苦痛の度合いがわかります。結果「これなら、またやれる」と思ってもらえればいいですね。検査は継続的に受けることも重要なので、まずは体験してみてほしいですね。一人の内科医・地域のかかりつけ医として、慢性疾患を診ることも大事になります。高血圧症や糖尿病などのいわゆる生活習慣病ですね。これらは将来的に大きな病気になるリスクとなるので重要です。市の特定健診・がん検診だけでなく、バリウム検査・便検査で引っかかった二次検診としても当クリニックでは対応できますので、ともに早期発見の工夫を考えていきたいと思います。

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