半田 忠靖 理事長の独自取材記事
ホームクリニック吉川美南
(吉川市／吉川美南駅)
最終更新日：2024/08/08
吉川美南駅から徒歩1分。「ホームクリニック吉川美南」は、松戸市にあるホームクリニック六高台の分院として2024年2月に開業した。内視鏡検査は胃・大腸ともに対応可能。各種予防接種や健康診断も受けられる、子どもから高齢者まで家族で通えるクリニックだ。勤務医時代の経験から、「町のホームドクター」の存在意義に着目したという半田忠靖理事長。病気の早期発見のために院内設備の充実を図り、胃・大腸の内視鏡検査システムの他、超音波検査やホルター心電図検査、骨密度検査、アレルギー検査、睡眠時無呼吸症候群検査の機器も備えている。この吉川美南エリアでどんな診療をめざしていくのか、半田理事長に話を聞いた。
（取材日2024年6月7日）
病気の治療も予防接種も。頼れる町のホームドクター
こちらは松戸市にあるホームクリニック六高台の分院だと伺いました。
松戸市六高台にあるホームクリニック六高台は当院の本院で、院名が表すとおり町のホームドクターです。今回、ご縁があって吉川美南にあったクリニックを継承することになり、本院と同じように地域の皆さんの健康管理を担うクリニックとして開業しました。当院では大腸内視鏡検査にも対応できるのが強みです。本院と連携して、大腸内視鏡検査を希望される患者さんの受け入れも行っています。週2日、大学病院の消化器内科の先生がいらして「無送気軸保持短縮法」という専門的な方法で検査を行っています。
予防接種はどのようなものを取り扱っていますか？
乳幼児の予防接種からインフルエンザワクチン、若い女性を対象とした子宮頸がんワクチン、大人の帯状疱疹や肺炎球菌など各種ワクチンを取り扱っています。この辺りには長く住まわれている方に加えて、若いファミリー層も増えていて、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い年代の方がいらっしゃる印象です。各年代に向けたワクチンを取り扱っていますのでご家族そろっていらしてください。また予防接種とは異なりますが、更年期障害に対するプラセンタ注射もご用意してあります。のぼせや発汗、めまいなどの更年期障害でお悩みの方は、まずはご相談をしに来てみてください。お待ちしています。
こちらで健康診断を受けることもできるそうですね。
そうですね。入社前の雇用時健診などにも随時対応していますので、お急ぎの場合もご相談ください。また吉川市の特定健康診査も行える体制を整えています。健診をしてみると血糖値やコレステロール値、血圧が高いなど思わぬ発見があるものです。健康に自信があって「健康診断を受けるのは初めて」という方に限って、すでに進行してしまった深刻な疾患が見つかるケースも考えられます。何の自覚症状もなかったとしても、健康診断は少なくとも年に1回は受けることを習慣にしてほしいところです。そのためにも、自宅の延長のような気持ちで気軽に立ち寄っていただけるクリニックをめざしています。できる限りいつものかかりつけのクリニックで検査を行い、何かあればそのまま治療に入れるとしたら、患者さんにとって利便性が高いですしストレスも少ないでしょう。
病気の早期発見が健康寿命の延伸につながる
先生はなぜ地域医療に携わるようになったのですか？
私は日本医科大学を卒業後、母校の大学病院の医局に所属しました。難症例の手術にも立ち会うなど充実した日々でした。しかし大学病院から地域の中核病院に派遣されてみると、「大学病院での治療が必要になるほど重症化してしまう前に、できることはないのだろうか」と考えるようになったんです。「病気を早期発見し、うまく管理していくことで重症化を防ぎ、少しでも健康寿命を延ばすためのお手伝いができるような診療をしたい」。そう願うようになりました。そのためには「いつでも気軽に相談できる、町のホームドクターの役割が欠かせないはずだ」と、2021年に開業したのが本院であり、2024年に開業したのが当院です。本院で得たホームドクターとしてのノウハウを、これから当院でも生かしていければと思っています。
病気の早期発見のためには、検査機器の充実も必要なのではないでしょうか？
そのとおりです。当院では胃・大腸ともに鮮明な画像の内視鏡システムを導入しました。胃内視鏡検査では経口・経鼻のどちらにも対応できますし、鎮静下での検査も可能です。もしピロリ菌が見つかった場合は投薬治療も行っています。大腸内視鏡検査では大腸ポリープの日帰り切除も可能です。また超音波検査装置も備え、頸動脈や心臓、腹部、甲状腺などを診断できる体制を整えています。さらに当院は生活習慣病の治療に力を入れていることから、心臓を評価できるホルター心電図検査や、自覚症状がない状態の骨粗しょう症の発見にもつなげられるDEXA法による骨密度検査、アレルギーの原因を特定できる検査、睡眠時無呼吸症候群の検査も可能です。
生活習慣病の診療に注力されていらっしゃるのですね。
高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、治療をせずに放置すると心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こす場合があります。近年、生活習慣病をきっかけに亡くなられる方が増えていることからも、健康的に過ごすためには生活習慣病の予防と改善が重要だといえるでしょう。予防と改善を図るためには、まずは自分の現状を正しく把握することが大切です。当院では生活習慣病の予防に重きを置き、各種検査機器をそろえました。気になる症状がある方はもちろん、特に症状がない方もぜひ一度検査を受けに来てください。
アレルギー検査についても詳しく教えてください。
アレルギーの原因を特定することで、より良い対策や治療法につなげやすくなります。アレルギーの予防や重症化、難治化を防ぐためにもぜひ一度検査を受けていただきたいです。特にスギなどの花粉が原因となり鼻水やくしゃみ、目のかゆみ・充血などの症状を引き起こす花粉症でお困りの方に受けていただきたいですね。検査結果をもとに患者さん一人ひとりに合う治療法をご提案し、症状による集中力・意欲の低下や体調不良の軽減・予防をめざします。
信頼関係を大切に、地域住民にとって欠かせない存在へ
生活習慣病の診療で工夫していることはありますか？
生活習慣病は服薬だけではなく食事や運動が鍵になってきますが、最初から無理は禁物です。続かなければ意味がないので、患者さん一人ひとりの生活背景を配慮して「できることからスタートする」ことを重視しています。例えばアルコールは控えていただきたいところですが、仕事のお付き合いで仕方なくという方もいますよね。そんな時は「飲む量に注意してください」「休肝日もつくりましょう」などとお話ししています。私は病気を診るだけではなく「人を見る」ことを大切にしているんです。生活習慣病では服薬以上にライフスタイルの改善が重要視されることもあるのですが、「好きなものは好き」という気持ちもよくわかります。それにあまり知らない相手からあれこれアドバイスされたら腹も立つでしょう。患者さんとの信頼関係を丁寧に築きながら、じっくりと解決の糸口を探し、一緒に前に進んでいきたいと思っています。
日々の診療の中で、大切にしていることをお聞かせください。
患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。大規模病院は患者さんの数が膨大で、どうしても流れ作業的な診療になりがちで「もっと人とのふれあいがある温かな医療を提供したい」という思いが常にありました。患者さんとたくさんお話しできるようになったのも開業して良かった点ですね。患者さんから日々の診療を通して、人生観や物の見方などを教わることも多いです。まずはお話を尊重しながら傾聴するようにしています。近隣には意外と若い世帯が多く、同年代の患者さんも少なくありません。「年配の先生だと緊張してしまう」といった方にも、気軽に足を運んでいただいています。これから長い年月、一緒に年齢を重ねていきたいですね。
最後に、吉川美南エリアに住む方々にメッセージをお願いします。
まずは当院がこの場所にあることを、近隣の皆さんに知ってほしいと思います。内視鏡検査などインターネットからの予約が基本となる診療もありますが、予約のない場合にもできる限り対応しています。急な体調不良、胃痛や胸やけなどもお気軽にご相談ください。発熱の外来にも随時対応しています。病気の治療も、予防接種も、健康管理も、ご家族皆さんでご利用いただけるクリニックです。これから地域との信頼関係を築きながら、吉川美南の地域医療の拠点として、皆さんにとって欠かせない存在になれるよう力を尽くします。
