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田中 順平 院長の独自取材記事

たなか耳鼻いんこう科

(神戸市灘区/摩耶駅)

最終更新日:2021/11/12

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JR神戸線の摩耶駅北口の階段を下りてすぐの場所にある「たなか耳鼻咽喉科」は、「患者への十分な説明をする」ことを第一に考えているクリニック。そのこだわりを実現するため、診察室にはモニターが3台。診察を受ける際には、このモニターを使って患部の画像を医師と確認することが可能なのだそう。耳鼻咽喉科領域となると、普段は患者自身が自分で見ることが難しい場所であるだけに、「幅広い年齢の患者さんが興味津々でいろいろと質問してくれますね」と田中順平院長はほほ笑む。大学病院や基幹病院で研鑽を積んだ田中院長が開業したこだわりのクリニックについて、また今後の展望について、さまざまに話を聞かせてもらった。

(取材日2021年10月27日)

心に寄り添う診療にやりがいを見い出し、地域医療へ

まずは開業の経緯を教えてください

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兵庫医科大学を卒業後、大学病院や基幹病院などで耳・鼻・喉などの手術に携わり、その後は耳鼻咽喉科のクリニックで院長として勤務してきました。大きな病院ならではの病気や手術など、医師として本当に豊かな経験をさせていただいていましたが、自分としては「いつかは開業するんだ」という気持ちがあり、開業はずっと考えていました。また、実際に患者さんと接する中で「病院に来る前の段階で、もっと医師が患者さんに対してしていけることがあるのではないか」と考えるようなことが増えてきました。さまざまな気持ちが生まれてくる中で、コロナ禍ではありましたが今が自分の独立のタイミングだと考え、開業することになりました。

どんなことが気にかかるようになったのですか?

大学病院や基幹病院は、基本的に何の病気であるかの診断が済んでいる患者さんがいらっしゃいます。しかし、実際に患者さんにお会いすると、ご自身の病気についてよくわかっていないまま受診されている方が多いと感じたんです。もちろん、病気や治療に関することは難しいことも多いので、すべてを正確に理解することは難しいかもしれません。しかし、診断をした医師は患者さんに十分な説明をできていただろうか?と、私自身も含めて考えさせられることが多くありました。よくわからないまま、大きな病院を紹介される状況は、私だったら不安です。受診するまで、不安な気持ちのまま過ごされている方もいらっしゃるのかと思うと、医師としていたたまれない気持ちになっていったのです。

「患者さんの不安な気持ちをなくしたい」という気持ちが強くなったのですね。

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そうですね。本当はどの医師もみんな、患者さんの不安な気持ちをなくしたいと思っていると思います。しかし、実際に診察の時間は限られていて、その限られた中で必要なことをしなくてはいけません。その中でどうするのか。どうやって理解してもらうのか。そこをもっと考えて、自分は説明する側になろうと思ったんです。大きな病院ならではの診療の面白さはあります。難症例に対応したり、たくさんの手術を行ったり、先進的な医療資源がないと難しい治療法などを行っていきたいのであれば、病院に残ったほうがいいと思います。でも、私は患者さんの心に寄り添った診療にやりがいを見出したという感じですね。

患者自身が参加していると実感できるような診療を

実際に開業するにあたって、こだわったところはありますか?

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患者さんに十分な説明をしていくことですね。ご自分の今の状態について理解・納得し、選択した治療法に対して安心していただきたいのが、まず第一にあります。では、よく理解してもらうにはどうすればいいかな?と考えると、診療を「見える化」することだと考えました。そこで、内視鏡やCTを導入し、診察室には3台のモニターを設置しました。これらの設備を活用して、治療経過を一目でわかるようにしていくのです。普段見ることができないご自身の鼻の中や耳の中も、モニター越しに見れば一目瞭然。言葉で説明するよりもずっと伝わりますよね。ご高齢の方でも、小さなお子さんでも、診察のたびに見ていれば「今回は前より赤いですね」なんて理解して、治療に対しての意識が変わってくると思うんですよ。

確かに、病状や治療の経過を見ることができれば、言葉で説明されるよりもわかりやすいです。

耳鼻科は慣れない人や小さなお子さんにとって、怖い場所だと思うんです。例えば、切り傷であれば傷がふさがっていくような過程を目で見ることができますし、なぜ治療が必要かわかりやすい。でも、見えない部分で何が起こっているかわからないのに、器具を入れられたり薬を処方されたりする。患者さんの立場になってみれば不安になったり、怖いと思ったりしますよね。薬だって「本当に必要なのかな?」と思うこともあるでしょう。ですが、医師に対して「これって必要なんですか?」とは、なかなか聞きにくいものです。よくわからなければ、治療にも興味が持てないですし、なんとなく面倒になって通院をやめてしまったり、それで再発を繰り返してしまうかもしれません。だからこそ当院では、治療を「見える化」して患者さん自身も治療に参加してほしいと考えているんです。

先生が得意とする治療はありますか?

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開業するにあたって「この病気について突き詰めるぞ」という気持ちは、ある意味なくしました。一つの病気や症例について突き詰めていくのであれば、大きな病院など、多くの症例が集まる場所にいたほうがいい。私が選んだのは何かの専門家になることではなく、地域の耳鼻咽喉科として、地域に住まう人の困っていること、つらいことをなくしていくために尽くすことです。それを実現するため、一つのことにこだわるのではなく、どんな症状も幅広く診させていただき、患者さんのつらさに寄り添い、必要に応じて必要な医療機関へとつないでいく。今後私がしていくのはそういうことだと思っています。そのために、常に私自身が知識の引き出しを増やしていくことが大切だと考えています。

10年20年と親しまれるクリニックをめざして

実際に開業してみて、印象を教えてください。

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コロナ禍であるにもかかわらず、お子さんからご高齢の方までさまざまな方にご来院いただいています。これは、国民の半数が花粉症といわれる状況を表しているのかな?と感じる日々ですね。鼻水・鼻詰まり・耳や喉の痛みはもちろん、最近急速に認知が広まる舌下免疫療法やレーザー治療を希望される方も多くいらしてくださいます。耳鼻咽喉科で診ているのは、聴覚・嗅覚・味覚という3つの感覚はもちろん、話すというコミュニケーションに欠かせない部分にも影響が出る領域です。健康な時には気がつかないけれど、不調が出ると、そのことで生活の質が下がってしまう。できればその不調に慣れてしまわないうちに、受診してもらえたらいいなと思いますね。

受診を面倒に感じる人も多いように思います。

病院はできれば行きたくないものですし、「命に関わらない」と思えばますます面倒になりますよね。でも、例えば鼻が詰まっているだけで、眠りが浅くなったり、集中しにくくなったりもするんですよ。普段はいいかもしれませんが、仕事や勉強に取り組みたい気持ちがあれば、すごくもったいないことだと思います。それでも、薬を飲むのが嫌、手術が嫌、いろいろあると思います。だったらまず、それを含めて相談してほしいですね。患者さんは医師にとって教科書そのもの。論文よりもずっと勉強になる存在なんです。相談だけして治療を受けずに帰っても構いません。何日か後に「やっぱりやる」って来ていただくのも歓迎です。気軽に来ていただければ、不快な症状が少しでも緩和できるように、努めさせていただきます。

最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

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開業準備のために摩耶を訪れるようになってから、私の中で摩耶への愛情が育っているのを日々感じます。とても良い街に縁を持てたことをうれしく思うとともに、この地で10年20年と診療をしていくんだという思いで気持ちを引き締めています。当院は駅すぐ近くにあり、スーパーの隣に位置しています。お買い物のついでに、帰宅の途中に、気軽にお立ち寄りください。大人はもちろん、小さなお子さんももちろん大歓迎です。診療を通して、その成長をご両親とともに見守りながら過ごすことができれば、こんなに幸せなことはありません。地域の皆さんが「ちょっと調子が悪いな」と思った時、当院のことが思い浮かぶような場所に育てていきたいと思っています。

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