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宇治 彰人 院長の独自取材記事

宇治眼科

(四日市市/高角駅)

最終更新日:2024/10/03

宇治彰人院長 宇治眼科 main

四日市インターから車で約2分。四日市メディカルビレッジ内にある「宇治眼科」は、2021年5月に宇治彰人(あきひと)院長が開業した、ナチュラルテイストの壁が目を引く2階建てのクリニックだ。院内は白がベースの洗練されたデザインだが、吹き抜けの開放感からリラックスできる雰囲気となっている。ゆったりとした広さの待合室には、給茶機やスマートフォンの充電器も用意され、患者への心配りを感じた。宇治院長は、長年にわたり京都大学医学部附属病院などで、網膜硝子体に関する研究や手術に携わってきたエキスパート。地域に根差した医療を提供していくと語る宇治院長に、治療方針やこれまでの経験など幅広く聞いた。

(取材日2021年5月27日)

これまでの手術経験を生かし、日帰り手術に注力

医師をめざされたきっかけはどんなことだったのでしょうか。

宇治彰人院長 宇治眼科1

父が眼科医だったので、身近な職業だったというのが大きいです。これといった出来事はなかったのですが、小学生の頃くらいから意識し始めて学校を選びました。やっぱり眼科だなと思ったのは、大学生の時ですね。網膜硝子体手術を見た時に、機械で目の中を照らしながら、顕微鏡をのぞき込んで手術している姿に先進的でかっこいいと思ったんです。その時見た技術よりも、今はもっと発達していますけどね(笑)。網膜は脳とひと続きになっていて、取り替えることができないので、修復するしかないんですよ。目の中のとっても細かい部分になりますが、はがれている部分を治療したり、出血していたらきれいにしたりと、本当に繊細な作業を行います。そういった部分も興味深いなと感じましたね。

京都大学臨床准教授も兼任しているとお伺いしました。

はい。網膜の外来診療を週1回担当して、研究や学生さんの指導にも携わっています。大学にいた時に一緒に研究をしていた大学院生の先生方のサポートもします。学生さんには、私の専門分野である網膜、ぶどう膜炎の領域を教えています。他にも、眼科で特に多い白内障手術の練習を豚の目で行うのですが、その担当もしています。豚の目だけをもらって練習するんですが、それでも学生さんたちはとても緊張して取りかかるので、その様子を見ながら教えてあげるという感じですね。

大学院では、どのような研究をされていたのでしょうか。

宇治彰人院長 宇治眼科2

大学院では人工網膜の研究をしていました。網膜は取り替えが利かないので、網膜が傷んだとき、人工的に作った網膜を下に入れて機能させられないか検討する研究です。今は私が研究していた形とは異なりますが、自分の細胞からつくるiPS細胞の技術でつくる網膜に関する研究が進んでいます。カリフォルニアの研究所にいた時は、先述した網膜の断層写真の画像研究をしていました。機械を入れずに、麻酔を使って目を切ることもせずに診断して治療できないかという研究に携わっていました。

来院した患者が安心できる状態までサポート

これまでのご経歴をお聞かせください。

宇治彰人院長 宇治眼科3

岡山大学大学院医歯学総合研究科を卒業後は、京都大学医学部附属病院の医局に勤めていました。その後、大阪の梅田にある北野病院で4年ほど勤務した後、再び京都大学医学部附属病院に戻り、網膜硝子体とぶどう膜炎の外来を担当していました。今まで勤務してきた所では、網膜硝子体手術を中心に多くの手術に携わってきました。例えば、糖尿病で黄斑に影響が出たケースや、加齢黄斑変性などもありますが、他にも黄斑に穴が開く病気もありますし、表面がめくれてくる病気もあります。当クリニックにもある光干渉断層計、OCTとも呼ばれる網膜の断層写真を撮る機械を使って診断し、こういった症状を治すための手術を行ってきました。

クリニックの治療方針を教えてください。

当クリニックでは、来院してくれた方の症状を最後まで解決することをめざしています。入院ができるわけではないですし、専門の外来があるわけでもないのですが、眼科の入り口として適切な診断をしていきたいと考えています。患者さんがお困りの症状が、どういった原因からきているのかわからないという状況だけは解決したいですね。入院が必要な方、涙道など専門性が高い場合は、専門的な知識を持った医師や病院をきちんと紹介し、お悩みが解決するようにしていきます。開院して間もないですが、地域に根差した医療を提供し、近隣の方の「最初の相談役」になれればと考えています。市立四日市病院、菰野厚生病院、三重大学医学部附属病院と連携しておりますので、安心してご相談いただければと思います。

患者と接する際に大切にしているのは、どんなことでしょうか。

宇治彰人院長 宇治眼科4

一番大切にしているのは、きちんと患者さんにわかるように説明するということです。病院で使われている熟語は、意外と何を指すのかわからない方も多いんです。例えば、「点眼薬」が目薬だと知らない方もいますので、「目薬をさす」と表現したほうが確実でしょう。他にも「眼底」や「網膜」なども、どこの部分を指すのか、どういった働きをしている部位なのかもわからない方がほとんどです。なので、診察室には目の図解を貼ってあって、患者さんにも「ここが網膜です」と指を差して丁寧に伝えるようにしています。あとは、患者さんが来院された際には、現在の状況の説明と対策だけでなく、対策する理由や今後の見通し、どれくらいになれば安心できるかなども併せてお話しするようにしています。

患者がリラックスできる空間へのこだわり

とてもきれいな建物ですが、どんなところにこだわったのでしょうか。

宇治彰人院長 宇治眼科5

ありがとうございます。一番こだわったのは、待合室の大きな吹き抜けですね。とても広く空間を設け、上に長い長方形のような形になっています。やはり、眼科はどうしても待ち時間が長くなりがちなので、患者さんが少しでもリラックスできるようにと思い、このような吹き抜けをつくりました。建物の設計を考えていた時は、まだ新型コロナウイルスの影響がなかった時期なのですが、吹き抜けの上にファンをつけて空気が循環するようにしておいたので、結果的に感染症対策ができて良かったです。当クリニックの2階は、手術室と術後に過ごしてもらうリカバリールームになっていますが、車いすの方や高齢の方でも移動しやすいようにエレベーターも備えています。吹き抜けの続きがホールになっていて、手術を受けている患者さんのご家族が待てるようになっています。

こちらの場所を選んだ理由を教えてください。

ここはさまざまなクリニックが集合するモールになっていて、他のクリニックと連携が取りやすく、患者さんにとっても利便性が高いというのが決め手でした。エリアについては、小山田記念温泉病院で働いている父と一緒にできるところをと思い選びました。火曜日と木曜日は、父が非常勤医師として来てくれていますので、二診制で診察を行っています。父も通いやすく、桑名にある私の自宅から通いやすいのもポイントでした。ここは高速道路のインターがすごく近いので、車の便が良いんです。この辺りは車社会で、高齢の方でもほとんどの方が車で通っていますよ。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

宇治彰人院長 宇治眼科6

まず、今後は検査項目を充実させて、日帰り手術をきちんとこなしていくことを目標にしています。日帰り手術に関しては、内覧会に来てくれた方やホームページを見てくれた方から予約をいただき、夏の終わり頃まで満員状態なので、しっかりと注力していきたいと思っています。視界がぼやけるとか、見え方に違和感を感じたら、どんな些細なことでも相談してほしいです。片目ずつ手で覆って見え方の確認をしていただけると、右目と左目の見え方の違いが比べられるので、気になる方は試してみてください。予約はインターネットから24時間受けつけていますし、診療時間内は電話でも予約できます。もちろん当日来院していただいても大丈夫ですよ。適切な診断をして、安心できるところまでサポートしますので、お気軽にご相談ください。

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