藤元 麻衣 院長、藤元 政考 副院長の独自取材記事
まい歯科こども歯科
(北九州市小倉北区/城野駅)
最終更新日:2024/11/21
JR日豊本線・城野駅から徒歩約12分。学校や住宅に囲まれた地域にある「まい歯科こども歯科」。院長の藤元麻衣先生と副院長の藤元政考先生が夫婦二人三脚で、幅広い世代の患者を対象に日々診療にあたっている。駐車スペースは12台。余裕を持って止められる広さなので、ベビーカーや車いすの乗り降りもしやすい。子育て世代が通いやすいようにスタッフによる託児サービスも提供。このほか、泣いて治療ができない子どもや怖くて歯科医院に通うのを躊躇する大人も安心して通える環境を構築しているという。「歯科医院が苦手な人ほど来てほしいです」と笑顔で語る麻衣院長と政考副院長に、患者が継続的に通いたくなるような工夫や同院の強みについて聞いた。
(取材日2024年9月24日)
乳児から高齢者まで家族丸ごと診る歯科医院
お二人のご専門について教えてください。
【麻衣院長】私は小児歯科が専門で、当院では障害がある患者さんも数多く対応しています。泣いて暴れることから他院で治療できなかったお子さん、発達障害、自閉症スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)、ダウン症、聴覚障害児、感覚過敏など、特別な配慮が必要なお子さんの治療も行います。今、大学病院では全身麻酔をして治療を受ける順番を待っている子がたくさんいるんですね。しかし、その間も虫歯は進行しますので、大学病院からの紹介で来院されるケースも多々あります。
【政考副院長】私は口腔保存治療学を専門に研鑽を積んできましたので、虫歯はもちろん、歯周病、歯科用顕微鏡のマイクロスコープを用いて行う歯の根っこや神経の歯内治療、残念ながら歯を失った場合も、差し歯、ブリッジ、入れ歯、インプラントまで、大人の診療全般を担当しています。
院名に「こども歯科」とありますが、患者層はお子さんばかりではないのですね。
【麻衣院長】ええ、患者さんの半分は大人の方です。最初はお子さんの診療で来院された親御さんが、次はご自身の診療でおみえになったり、さらにはおじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんと一緒に治療に来られたりと、どんどん広がっていくケースが多いですね。患者層は、0歳から90代までと、とても幅広いです。
設備や機器に関するこだわりについて伺います。
【政考副院長】先進的な機器に関しては、歯科用CT、セファログラムエックス線撮影装置、マイクロスコープを導入しています。特に歯の内部の治療は歯科用CTやマイクロスコープを用いることで、より精密な治療が期待できますので、そこは当院のこだわりでもあり強みだと思います。マイクロスコープは患者さんに説明する際のツールとしても活用しています。細部まではっきりわかるリアルな画像を見てもらいながら説明をするのは、それだけ精密かつ誠実な治療ができている自信があるからこそ。リアルに見える分、ごまかせないですからね。
【麻衣院長】環境面は、ベビーカーや車いすの乗り入れがしやすい広い駐車場、各ユニットで色を変え、色へのこだわりが強いお子さんも気に入った色のユニットで毎回治療を受けられる配慮、そして親御さんも安心して治療が受けられるように託児サービスも行っています。
本格的な矯正の前に口腔筋機能療法でのアプローチを
お子さんはどのようなご相談が多いのでしょうか?
【麻衣院長】最近は歯並びについてのご相談も多くなりました。お子さんの特性上、治療が難しいだろうと諦めている親御さんが多かったことから小児矯正も開始しました。矯正治療が必要な背景にはさまざまな要因があります。例えば、姿勢の悪さ、指しゃぶりなどの習癖、それから最近急増しているのが、お口がぽかんと開いているお子さんです。これは本来の鼻呼吸ではなく、口呼吸をしている状態。口腔機能だけでなく、耳鼻科領域へのリスクも高まります。当院では矯正治療に踏み切る前段階のアプローチとして、保険診療の口腔筋機能療法を行っています。正しい舌の動きや口の周りの筋肉などを正しく機能させるための訓練で、将来、本格的な矯正が必要となるリスクの軽減にもつながります。
治療が苦手なお子さんにはどのようなアプローチを?
【麻衣院長】まずは椅子に座る練習から始めます。次に使用する機械を触ってもらい、なぜこの機械を使うのかを理解してもらった上で治療に入りますが、やはり簡単にいかない子も多いです。そんな時はお母さんに手を握ってもらいます。当院では治療中も母子分離をしておりません。親御さんとお子さんのタイミングを大事にしたいのが理由です。当院では、練習は3回までで、それ以降は治療に入ります。ただし、1回の治療は5分が上限。5分だったら頑張れる子が多いと思ってます。その5分を積み重ねて少しずつ慣れてもらいます。毎回大事にしているのは褒めること。寄り添って、褒めて、育てる。そうすると、子どもたちはだんだんここへ来るのが楽しみになってくるんです。私たちはそうやって成長していくプロセスをたくさん見ているので、迷いはありません。
成長の過程も含めて診てもらえると、親御さんも心強いでしょうね。
【政考副院長】そうだとうれしいですね。そして、お子さんだけでなくご家族ぐるみで通っていただける体制を整えているのも当院の特徴です。例えば、お子さんの1歳6ヵ月児健診で来られたお母さんが、ここなら安心ということで、ご家族で通ってくださるようになったり、その逆で親御さんが先に来院されて、その後お子さんを連れて来られたりして、患者さんの輪が広がっていけば、とてもうれしいですし、励みにもなります。お子さんの成長はもちろん、ご家族皆さんの各ライフステージを見守っていけるのは、私たちにとって大きな喜びでもあるんです。
特性や恐怖心で治療を諦めている人こそ来てほしい
「歯科医院に来ることのハードルを感じさせたくない」という先生方の想いを感じます。
【麻衣院長】食べることは、生きていく上でとても大事なこと。それが何らかの原因で支障を来してくると健康面にも関わってきます。だからこそ、皆さんに治療を諦めてほしくないんです。受診へのハードルが高いのは、そう感じる原因があるから。恐怖心、痛み、におい、音、それらを和らげることで少しでも治療へのハードルを感じなくなるのなら、私たちはさらなる努力を惜しみません。治療を諦めないでいただきたいです。
【政考副院長】治療に対する恐怖心は、子どもだけでなく、大人も感じている方が実は多くいらっしゃいますので、患者さんそれぞれに適した配慮はもちろんですが、当院はカウンセリングも説明も治療も一貫して歯科医師が行うんですね。それは患者さんに安心してもらいたいからなんです。ご納得いただいた上で治療に入るのも恐怖心を和らげる配慮だと思うので、丁寧で誠実な対応を徹底しています。
お二人が診療で大切にされていることは?
【政考副院長】患者さんの声にしっかりと耳を傾けることです。例えば「痛み」にしても、どういう痛みでどのくらいの痛みなのか、しっかり掘り下げていかないと、適切な治療ができないんですね。そのため、丁寧に話を聞いた上で「かゆい所に手が届く治療」を心がけています。
【麻衣院長】私は、治療するプロセスというのも必要な体験だと思っています。泣いて治療できないから、全身麻酔で寝ている間に治療を終わらせるという方法では、虫歯になれば麻酔をして治療してもらえば良いという考えになりがちです。治療は誰でも避けて通りたい道ですが、お子さんも親御さんもいつかは必ず乗り越えなければならないものだと思うんです。治療の過程を経験し積み重ねていけば、治療できる瞬間が訪れます。それを体験すると自信にもつながりますので、当院が一つでも多くの成功体験を得られる場になるよう、お子さんの気持ちへの働きかけも大切にしています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
【麻衣院長】今後は矯正や口腔機能発達不全の改善にも力を注いでいきたいです。お子さんが、滑舌が悪い、口がぽかんと開いている、口で呼吸しているという場合は、早めにご相談ください。私たちは、発達障害やお子さんの特性で、こんなにも多くの親御さんが悩まれているんだということを日々実感しています。でも、悩んでいるからこそ、この記事にたどり着いた方も少なからずいらっしゃると思います。診てくれる歯科医院がないと困っている方こそ、ぜひ当院にいらしてください。
【政考副院長】大人の方も虫歯やトラブルが多すぎて諦めている方は来院ください。それだけのスキルは身につけているつもりですので、ご相談いただきたいなと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/47万5000円~、小児矯正/11万円~