繪野 亜矢子 院長、藤田 今日子 先生の独自取材記事
えの眼科 西あしやクリニック
(芦屋市/芦屋川駅)
最終更新日:2024/02/07
山手幹線沿い西芦屋町バス停の目の前にたたずむ「えの眼科 西あしやクリニック」。大きなガラス窓から陽光が差し込み、温かな雰囲気が漂うクリニックだ。同院は、西宮市にある眼科医院の連携クリニックとして2020年12月に開業。以来、多くの日帰り手術に対応している。「医療法人社団えの眼科クリニック」の理事長であり、同院の院長も兼任する繪野亜矢子(えの・あやこ)先生は、多根記念眼科病院勤務時代には手術センター長も務めた専門家。3人の常勤医師と12人の非常勤医師、専門性と豊富な知識を持つ視能訓練士と看護師らスタッフとともに、質の高い眼科医療を追求し続けている。そんな繪野院長と、藤田今日子先生にクリニックの特色、独自の取り組みや今後の展望など幅広く話を聞いた。
(取材日2023年12月27日)
専門性の高い手術設備がそろう眼科クリニック
御院の成り立ちとクリニックの機能、診療理念などを教えてください。
【繪野理事長】当院は、さくら夙川駅前にある「えの眼科 さくら夙川クリニック」の連携クリニックとして、2020年12月に開院しました。さまざまな眼科日帰り手術に対応する手術室を擁するのが特徴です。当院を受診された患者さんの検査・診察・治療はもちろん、さくら夙川クリニックの患者さんの手術も行っています。建物の外観のみならず、院内のしつらえも、天井や床に無垢材を使用し、絵を飾り、心が和む空間づくりを意識しています。
【藤田先生】西あしやクリニックと、さくら夙川クリニックを擁す「医療法人社団えの眼科クリニック」の理念は、「診療内容や質の高さは大規模病院かそれ以上、患者さま一人ひとりへの向き合い方は町の診療所」。加えて患者さんに心からの笑顔で接することができるよう、職員にとって働きやすい職場をめざしています。
現在の診療体制について教えてください。
【繪野理事長】私と藤田先生を含め2023年12月時点で3人の常勤医師と12人の非常勤医師が外来を担当し、それぞれ専門分野を生かして診療をしています。手術の際には麻酔科医師が立ち会っています。良い診療には、検査や看護を担うスタッフの技量も重要ですが、当法人には視能訓練士が8人在籍し、日々精進しながら高度な検査をするほか、眼科知識や経験の豊富な5人の看護師が当院ともう一院の患者さんの安全とケアにあたっています。医師はもとより診療に関わるすべてのスタッフが、当法人の最大の武器ですね。以前の勤務先でお世話になった、尊敬する眞野富也先生と張國中先生が顧問として意見やアドバイスをくれることも当院の強みです。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか。
【藤田先生】医師になった時から、祖父母や父母に接するように患者さんと向き合うことを心がけています。結婚し子どもが生まれたことで、保護者の方の気持ちもよりわかるようになりましたね。病気の説明をする際には、検査画像や目の模型を一緒に見ながら解説するなど、より具体的に理解していただけるよう努めています。
【繪野理事長】関わるすべての患者さんに、「自分の家族に受けさせたい治療」を全力で提供することをモットーとしています。医療専門用語の代わりに、わかりやすい言葉を使って、どなたにでも伝わるよう工夫をしています。一方で患者さんによっては、医療専門用語を交えて論理的にお話しするなど、個性に合わせて変化をつけています。
白内障、網膜硝子体や緑内障手術、涙道疾患内視鏡治療
御院の白内障の日帰り手術について教えてください。
【藤田先生】白内障手術では、患者さんのそれぞれのニーズに応えられるように、単焦点レンズも、多焦点レンズも、いずれも多くの種類を取り扱っています。ライフスタイルなどをヒントに、担当医師や眼内レンズアドバイザーが、それぞれの眼内レンズの特徴をわかりやすく説明し、手術で挿入する眼内レンズ選択のお手伝いをしています。あくまでも患者さんが主体であるように努めています。
【繪野理事長】当院では充実した手術機器と高い技術力、豊富な経験で、難症例の白内障手術にも対応可能です。また、手術の精度を高めるべく、術中波面収差計を用いて最も適切な眼内レンズを最も適切な位置に挿入することにもこだわりを持っています。
緑内障治療や網膜疾患の治療についてはいかがですか。
【繪野理事長】緑内障の患者さんは非常に多く、基本治療は点眼ですが、中にはたくさんの種類の点眼薬を毎日さし続けなければならないことがあります。働き盛りの患者さんには、忙しい毎日の中で点眼に費やす時間が確保できなかったり、点眼薬に支払う金額も馬鹿にならず、通院からフェードアウトされることもあります。高齢の患者さんにとっても、数多くの点眼を毎日正しくさすことは困難で、侵襲の低い緑内障手術を早期に介入させることで、点眼のしばりから解放することができますので、適時、手術についても提案しています。また、網膜硝子体疾患は種類も治療法も多岐にわたり、手術を必要とするものから注射やレーザーで経過を見るものなどがあります。適した治療を適時ご提案できるようにしています。
涙で目が潤んで見えにくいといった涙道疾患のほか、さまざまな手術に対応していらっしゃいますね。
【藤田先生】いつも涙があふれてハンカチが手放せないなど、涙にお困りの方は意外に多く、近隣の先生方からのご紹介も増えています。涙の排水管である涙道が詰まっている場合、内視鏡を用いた涙管チューブ留置術が多くの場合適応で、さらに根治をめざす涙嚢鼻腔吻合術も実施可能です。そのほかにも、最近話題に上がることが多い眼内コンタクトレンズにも対応しています。こういった予定した手術のほかにも、緊急手術の適応となるような、例えば緑内障発作や網膜剥離などにも対応しています。大きな病院でしか受けられないと思いがちの手術や、難症例から、話題の手術まで、充分に対応できるよう、ソフト・ハードの両面から環境整備しています。近隣の眼科さまとの連携も大切にしながら、地域の患者さんの目の健康を守る砦になることができればうれしいですね。
地域に根差した眼科へ
手術に関して御院ならではの取り組みも教えてください。
【繪野理事長】手術の結果を視能訓練士がデータ入力、蓄積し、私が定期的に統計処理をしています。結果、新たな知見を得ることも少なくありません。今後の診療へとフィードバックすることができるので、大変ですが、とても重要な作業だと考えています。当院で生まれた結果や知見を共有することで、質の高い診療につながると考えています。これは当院ならではの強みの一つになっているのではないでしょうか。
【藤田先生】日帰り手術後ご帰宅いただいてから3日間、何か不安なことや症状の変化があればすぐに連絡が受けられる緊急電話を用意し、番号をお渡ししています。
手術以外の治療にも力を入れていると伺いました。
【藤田先生】例えば、ドライアイなどの目の不快感に対してIPL治療器を導入しています。目の潤いを保つために必要な油分を分泌する腺を刺激してドライアイの改善を図るもので、患者さんにも喜んでいただけるような治療だと思います。
【繪野理事長】その他にも、近視治療としてオルソケラトロジー、眼内コンタクトレンズにも力を入れています。
今後の展望と地域の方々へのメッセージをお願いします。
【藤田先生】当院は良い意味でクリニックらしくない建物なので、ここに眼科があることをご存じない方も多いかもしれません。より多くの方に当院を知っていただけるよう取り組みつつ、地域の皆さんに愛されるクリニックになれるよう努めていきます。また、良い医療には患者さんと医療者の信頼関係が不可欠です。地域の方と、互いに信頼し合える関係性を築いていきたいですね。
【繪野理事長】この芦屋で生まれ育ち、この地で開業したことに喜びを感じています。私は手術が得意ですので、手術を通じて地域の皆さんに貢献したいと思う一方で、眼科治療は手術のみではありません。患者さんに寄り添って、検査、診断、治療というプロセスを提供していきます。地域の方々が「目の病気なら、えの眼科に行こう!」と思っていただけるよう、今後も頑張ります。
自由診療費用の目安
自由診療とはIPL治療/5000円(1回)、多焦点眼内レンズ/24万2000円~60万5000円(片眼)、眼内コンタクトレンズ/70万4000円~81万4000円(両眼)、オルソケラトロジー/レンズ代金 両眼16万5000円(ケア用品別)