田村 仁 先生の独自取材記事
れんげクリニック
(大阪市西区/本町駅)
最終更新日:2021/11/05

大阪市営地下鉄本町駅23番出口より徒歩約3分。オフィスビルが立ち並ぶ場所にある「れんげクリニック」。歯科と医科が連携して診療にあたるクリニックだ。歯科においては昼休みを設けずに診療。迅速で丁寧な対応を心がけ、近隣で働く人の口のトラブル解消のために尽力する。患者のライフスタイルに寄り添った診療が持ち味の同院では、医療通訳を導入。地域で働く外国人や外国人留学生へのサポートも手厚い。また、無料低額診療事業に取り組むほか、施設への訪問歯科診療にも注力。どんな患者も受け入れる姿勢で保険診療から自費診療までオールマイティーに対応する同院。今回は外来担当として多くの患者を診療する田村仁先生に、さまざまな話を聞かせてもらった。
(取材日2021年7月14日)
さまざまな患者の事情に寄り添った診療を提供する
まずはクリニックの特徴を教えてください。

当院では、外来診療と訪問歯科診療の両方を行っています。医科も併設しており、連携することで高齢の方や持病のある人でも安心して受診し、治療を受けていただけるのが大きな特徴の一つだと考えています。また、医療通訳と無料低額診療事業に対応しており、経済的な事情や言語の問題で医療機関を受診することが困難な方に対して、適切な医療を受ける機会を損なわないように取り組んでいます。働いているスタッフも非常に多く、育休や産休から復帰する人もとても多いんですよ。自分のライフスタイルを大切にしながら働いている人が多いので、明るく元気な雰囲気なのも当院の良いところの一つなんじゃないかなと思います。
どのような患者さんがいらっしゃるのでしょうか?
当院があるのはビジネス街ですので、患者さんのほとんどがこの辺りで働いている大人の方です。当院はお昼休みを設けずに診療を行っていますので、忙しくてなかなか時間が取れないという方にも好評をいただいています。主訴としては、詰め物が取れてしまったり、急に痛みが出てしまったりといった、急なお口のトラブルでの来院が多いです。その場合、治療は迅速であることが求められますので、その日のうちにできることをきちんとして、その後の仕事への影響を最小限にできるように心がけています。忙しい世代にとって、来院回数が多いと負担になってしまいがちでしょう。丁寧な治療を行うことはもちろんですが、患者さんの事情にも寄り添いたいと思っています。
仕事や子育てに忙しく、自分に時間を割けない人は多いのではないかと思います。

毎日が忙しくて、なかなか自分自身のことまで手が回らないという人はすごく多いんですよ。歯を守るためには定期的に来院しなくてはいけないとか、治療を途中でやめてはいけないということは、本来多くの人が知っていると思います。でも、それができない事情がそれぞれにあるんだと思うんです。だから、例えば治療が途中で中断したままになっていたとして、次に来てくれた時に責めるようなことは言いません。責められれば誰だって嫌な気持ちになりますし、そのせいで治療自体をやめてしまったら本末転倒だからです。目の前にいるその人に、その時間にできる精一杯をし、少しでも次につなげられるような言葉をかけられたら、それが次につながるのではないかと僕は思っています。
メリットだけでなく、デメリットも隠さず伝える
患者さんと接する時に心がけていることはありますか?

どんな時でも人と人であることを忘れないことですね。それは高齢の方でも若い方でも、外国の方でも同じことです。みんなそれぞれに考えや環境、暮らしがあります。それはその人にとってとても大切なものなんです。だから、どんな検査も治療も押しつけることはしてはいけないと思っています。まずは話をする。治療や検査のメリットはもちろん、デメリットについても隠すことなく話します。お金の話も大切だと思うので、費用についてもよくお話しします。治療期間についても同じですね。良いことばかり言うのは簡単だけど、患者さんに納得して、安心して帰ってもらうためにはそれでは駄目だと思うんです。基本は「自分がしてもらいたいことをする」ことだと思います。
特に注力している治療はありますか?
僕は神経の治療を大切にしていますね。神経は歯の内側にあるので、肉眼で見ることはできません。ですから、残念ながら患者さんに治療結果を肉眼でお見せして、その場で一緒に治療の成功を喜ぶようなことはできません。そのため、なかなかその大切さを実感していただくのは難しいのですが、歯の神経の治療をないがしろにすると、せっかく治療していてもまた必ず悪くなってしまいます。痛みや腫れが出るのはもちろん、最悪の場合には歯を失う原因にもなりかねません。神経を丁寧に治療しておけば、再発リスクも低くなり、歯を守れる確率がぐんと上がると考えます。見えないからこそ丁寧に、評価されにくいからこそより大切に治療しようと思っています。
実際の治療にあたって、こちらならではのポイントはありますか?

まず、当院は先進の治療法や医療機器の導入に積極的なクリニックなんですよ。診療スペースはそんなに大きくないのですが、必要なものはきちんとそろっていると思います。歯科用CTや歯科用マイクロルーペもありますし、痛みに配慮しながら注射を行うための電動注射器、神経の治療をより効率的に行うための機器も各種そろえています。設備は非常に充実していると思いますし、使うための勉強も皆欠かさずしています。当院は歯科医師も歯科衛生士も多数在籍しており、お互いに切磋琢磨しています。それぞれに得意分野があるので、アドバイスしあうこともありますし、いつも良い刺激があります。みんなが「患者さんにより良い治療をしよう」と思っているんじゃないかと思いますね。
学ぶ姿勢を持ち、常に新しいことにも挑戦したい
訪問歯科診療についても詳しく教えてください。

現在は施設への訪問を中心に、お口のトラブルを抱える患者さんのもとへ歯科医師や歯科衛生士が赴き、定期的な口腔ケアを行っています。当院には訪問専門の部門があり、医師、歯科医師をはじめ、看護師、歯科衛生士、理学療法士、ケアマネジャー、介護スタッフがチームとなり、一括したサービスを提供できるよう尽力しています。年を重ねると多くの場合唾液量が低下したり、咀嚼や嚥下の機能が低下します。それを放置していれば、口腔トラブルが起こりやすくなり、やがて全身の健康にも影響を及ぼしてしまいます。軽く考えている人もまだまだ多いのですが、歯は一生の財産です。ぜひ大切に守ってもらいたいと思います。
先生が歯科医師として、やりがいを感じていることはどんなことですか?
私は父が歯科医師なので、歯科医療は自分にとって幼い頃から身近なものでした。実はパイロットをめざしていたのですが、視力などの関係もあり航空系の仕事に就くことを諦めてからは、歯科医師一本で頑張っています。その中で一番うれしいのは、やっぱり患者さんが「良かった!」と喜んでくれる瞬間があることじゃないですかね。自分が考えて、自分が手を入れたことで、誰かが喜んでくれる姿を見るのは格別にうれしいものです。だから、一人でも多くの人の痛みを取りたいし、お口のことで困っている人がいれば力になりたいと思います。年齢や性別、国は関係なく、心から目の前の人のために手を尽くせば喜びは返ってくるはずですから。
それでは最後に、今後の展望について教えてください。

この地域の皆さんにとって、良い歯科医院になっていけたらと思います。歯医者さんは苦手な人が多いと思うので、あまり緊張せず来てもらえれる空間をつくることが大切になると思いますし、治療の一つ一つのレベルを上げて良い治療を行っていくことも大切です。そのためにも、学ぶという姿勢をなくさず常に新しいことにも挑戦していきたいですね。また、せっかく足を運んでくださった方の事情にももっと寄り添っていけたらと思います。その人にとって良い治療とは何か。答えは人それぞれになると思うので、その答えを一緒に探していけるような歯科医師でいたいです。当たり前のことを当たり前に。その難しさをこれからも乗り越えていけるよう頑張ります。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/1万1000円~