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荒井 健利 院長の独自取材記事

ゆりかごクリニック

(川崎市宮前区/溝の口駅)

最終更新日:2022/10/24

荒井健利院長 ゆりかごクリニック main

東急田園都市線溝の口駅からタクシーで20分ほど。緑の多い昔ながらの住宅地の中にある「ゆりかごクリニック」は、在宅医療を専門としており、麻生区・高津区・中原区・青葉区の住民を中心に診療を行っている。荒井健利院長は、祖父が「温かい幼稚園をつくりたい」とつくった幼稚園の理念を引き継ぎ、小さな子どもから高齢者まで温かく診たいとの思いを持って2021年に開業した。「訪問診療ってまずはどうしたらいいの?」という気軽な質問でもいつでも連絡してほしいと話す荒井院長。患者と密接に接する在宅医療だからこそ、医療と関係のないプライベートな話にも耳を傾けてくれる診療スタイルは地域の患者や家族に好まれるだろう。そんな、患者家族も含め寄り添う姿勢で向き合い続ける荒井院長にたっぷり話を聞いた。

(取材日2022年6月9日)

生まれ育った地で、地域密着の医療を

ご出身はこちらの宮前区なんですね。

荒井健利院長 ゆりかごクリニック1

そうですね、川崎市宮前区です。現在のクリニックは2021年の4月5日に開業していまして、私の両親はこのクリニックから車で3分ぐらいのところで幼稚園を運営していることもあって、私にとってここは昔からなじみ深い地域なんです。この地域に密着して医療を提供したいというのが昔からの夢だったので、ここ宮前区で開業することがしか考えてこなかったですね。もともと同じ宮前区にある聖マリアンナ医科大学のリウマチ膠原病アレルギー内科の医師として在籍していました。その後、助教授である松田隆秀先生のもとで総合内科診療を学びました。松田先生は温かみのある医療が本当に印象的でした。私の今の医療方針にも大きく影響していますね。

こちらの地域にはどんな方々がいらっしゃいますか?

高齢層の方が多く住まわれているという印象があります。また団地も多く、若い頃から長い間住んでいらっしゃって、その方たちが年を取られて今、当院に在宅医療を依頼してくださることもあります。地域の皆さんも私も、一緒に年をとっている感じですね。

ご高齢の方も多いこのエリアでは、訪問診療の重要性がとても高いのではないですか?

そうですね。患者さまのご家族から直接ご依頼をいただくこともあります。開院して初めてわかったことが、地域のケアマネジャーさんや、訪問看護ステーションの看護師さん、薬剤師さんなど、専門職の方々とのつながりの重要性ですね。やはり在宅医療はそうした皆さんのお力があって成り立つものなので、専門職の方々とのつながりなくしては、とても当院のようなクリニックはやっていけません。ありがたいことにケアマネジャーさん、地域包括ケアセンター、訪問看護ステーションなどと提携させていただいていて、 患者さまのご依頼を受けるという状況が多いです。ただ現状として「訪問診療ってどのようにお願いしたらいいんだろう?」と思われている方も多くいらしゃると思います。そのような質問にもお答えできますので、気軽に当院へお電話していただければと思います。

幼少期に両親から教えられた「命を救う仕事」

医師をめざすことになったきっかけを教えてください。

荒井健利院長 ゆりかごクリニック2

子どもの頃に、自分がかわいがっていたクワガタムシが死んでしまったんですね。とてもショックで、私の両親が亡くなった時のことまで想像してしまって、その時から生命というものを考えるようになりました。そんな時両親が命を救えるお医者さんの話をしてくれて、それがきっかけとなりました。そこから医師をめざしたいなという気持ちが芽生えてきまして。成長してからもその夢はずっと持ち続けていました。長いこと夢を持ち続けられたのも両親のおかげだと思っています。幼稚園を運営しているので、私が幼稚園を継ぐことも考えていたと思いますが、経済的な部分も含め、私の夢を陰ながら応援してくれたと思います。時には厳しく、優しく育ててくれた両親が今までのモチベーションにつながっていたように思います。

現在、園医という立場で幼稚園を引き継いでいらっしゃいますが、幼稚園の存在も大きかったのでしょうか。

大きかったですね。その幼稚園出身の方も含め、この地域では何千という単位の人数の方がいらっしゃいます。幼稚園の仕事をしている中で、在宅医療とはまた違う地域の方々とのつながりがあって。やはりその中でも在宅医療も含めて、「こういう医療があったらいいね」という話も聞けるのですごくありがたいです。

これまで比較的大規模な医療機関に勤めてこられたと思いますが、在宅医療に至る経緯を教えてください。

正直大学を出た時はそこまでは在宅医療について強く考えていませんでした。今まで一番長く勤めていた上杉クリニックで受けた影響が大きかったですね。そこは外来診療を行いつつ在宅医療を中心としているクリニックでした。そこのクリニックの院長である上杉毅彦先生が提供する医療や患者さまへの対応の仕方に非常に尊敬の念を抱きまして。そこで在宅医療の経験を積むことができました。

先生のプライベートについても教えてください。

荒井健利院長 ゆりかごクリニック3

ダンスなどでも世界的に有名なある歌手が好きで、たまにそのダンスを踊ったりもしていました。健康法としては、筋力トレーニングをしたり走ったり、プールで泳いだり。運動はとても大好きです。

傾聴を大切に、患者にも家族にも寄り添ったサポートを

診療の上で大事にしていることは何ですか?

荒井健利院長 ゆりかごクリニック4

在宅医療だと検査機器がそろっているわけではないので、そうすると患者さまへの問診が非常に大切になってきます。ご家族に対してもですが、まずどれだけお話を聞けるかが大事です。私はなるべくお話を遮らず、すべて伺ってから質問させていただくなど、丁寧に診察するよう心がけています。在宅医療では最新の医療の提供は難しく、だからこそいろいろな情報を得ることも大切にしています。それをもとに最適と思われる病院をご紹介したり、適切な情報提供をしたりするようにしています。大きな病院だと得られない日常生活に関する情報も多くありますので、何か手がかりになってくれればという気持ちでいつも情報を提供します。

訪問診療の際、意識されていることはありますか?

最初の頃はやはり緊張されているので、いかに緊張をほぐせるかを第一に考えます。患者さまの家には壁に額縁があったり、例えば釣りをしている昔の写真があったり、医療とは直接関係のない情報がたくさんあります。しかしそういうものがあることによって、「昔釣りをされていたんですか」とか、そういう話から入ることができます。以前、がん末期の方のお宅を訪問した時は、お孫さんが野球をやっていて野球が本当にお好きでした。少しでも緊張をほぐせればと思い、私もちょうど野球経験者なので、野球の話から始めました。やはりがん末期となると深刻になる状況ですので、雰囲気を明るくするのは難しいかもしれないんですけれども。でも、最初表情がこわばっていらっしゃったのですが、その会話のおかげで笑顔を見せてくださいました。医療ももちろん大切ですが、特にがん末期や緩和医療の場合は温かみのある会話も大事だと思っています。

患者さまのご家族とのコミュニケーションも大切にされているそうですね。

ご家族の協力があってこその訪問診療ですのでとても大切にしています。また、ご家庭によって本当に深刻なお気持ちを抱えていらっしゃる場合もあります。これは賛否あると思いますが、私はあまりご家族にも暗くなってほしくないと思っています。もちろんシビアな話もしなければなりませんが、多くの場合お話しさせていただくのは、残りの時間をどのように幸せに、楽しく、明るく生きることができるかを考えていきましょうということです。本当にいろいろな方がいらっしゃいますので、ご家族とご本人さまの生活や性格の気質を見て、明るく接することのできる人にはそのようにして、真面目にちゃんと話したいという方に対してはしっかり向き合うようにしています。また介護負担で精神的に落ち込まれる方も結構いらっしゃいます。そういった場合はデイサービスや、介護施設、ご本人様の承諾があればレスパイト入院などもご紹介、ご提案することもありますね。

最後に、患者さまへメッセージをお願いします。

荒井健利院長 ゆりかごクリニック5

これからも一人ひとりの患者さまとの出会いを大切にしていきたいですね。また、患者さまの生き方を尊重し、ご家族とご自宅で穏やかに過ごせる時間を大切に残りの時間を楽しく暮らしてほしいなと思います。患者さまやご家族の想いも共有しながら、今後も在宅医療に取り組んでいきたいと考えています。

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