前立腺がんは早期発見・治療を
専門クリニックでの検診と術後管理
若田部メディカルクリニック
(座間市/小田急相模原駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
過活動膀胱、尿失禁、膀胱炎や膀胱がんなど、泌尿器科系の疾患に悩む人は多い。特に前立腺がんは罹患者数が多く、国立がん研究センターが発表する2020年のがん罹患数予測の男性1位が前立腺がんとなっている。しかし、気にはなるがなかなか検査に足を運びにくい、尿に関する困ったことがあってもクリニックを訪問するのは勇気がいるという人が多いだろう。小田急相模原駅近くの場所にある「若田部メディカルクリニック」の若田部陽司院長は、総合病院で多数の前立腺がん・前立腺肥大症の治療をしてきたスペシャリストだ。前立腺がんや前立腺肥大症の症状や受診すべきタイミング、治療内容などを詳しく聞いた。
(取材日2021年5月28日)
目次
末期になるまで自覚症状が出ないことの多い前立腺がんは男性のがん罹患数上位。検診での早期発見が大切
- Q前立腺がんと前立腺肥大について教えてください。
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A
▲穏やかな口調で丁寧に説明してくれる若田部院長
前立腺肥大も前立腺がんも、男性がかかりやすい泌尿器科の疾患です。前立腺肥大は、前立腺の組織が肥大化することで尿の通りが悪くなります。すると膀胱に負担がかかり、頻尿や排尿困難、尿漏れの症状が現れます。夜間頻尿も前立腺肥大の症状です。原因はいくつかありますが、加齢により前立腺肥大になる人が少なくありません。前立腺がんは早期発見・早期治療すれば治癒も見込めますが、進行しないとほぼ症状が出ない病気です。そのため、がん検診や健康診断、人間ドックなどの血液検査でPSA(前立腺特異抗原)の値を定期的にチェックしておく必要があります。
- Q受診のタイミングを教えてください。
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A
▲自己判断せず、まずは専門機関に相談をしてほしい
前立腺がんは末期になるまでほぼ症状が出ません。がん検診や健康診断を活用して症状がないうちに発見して早期に治療することが重要なので、年1回はPSA値をチェックしましょう。治療は手術とホルモン療法、放射線療法に大別されますが、発見が遅れると手術でがんを取り除くことができなくなり、放射線治療だけでは根治が難しくなるなど、選択肢が狭まってしまいます。反対に早期発見できれば治療の選択肢が広がるため、早期発見が本当に大切です。がんが心配で来院された場合、血液検査や尿検査の他、直腸診やエコー検査を行います。また、前立腺がんは前立腺肥大を伴っていることがあるため、前立腺肥大による排尿障害がないかも確認します。
- Q手術後の流れを教えてください。
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A
▲ライフスタイルに合った治療を
前立腺がんの手術後は、採血でPSA値を定期的にチェックします。尿の通り道を手術するため手術後に尿失禁(尿漏れ)することがありますが、その場合は排尿の状況を見ながら薬物治療を行うことがあります。併せて、骨盤底筋のトレーニングも試します。しかし、ごくまれにそれでは間に合わないケースがあり、その場合は適宜別の治療をご案内します。
- Q再発することはありますか?
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A
▲長期的な目線で一人ひとりに合った治療法を見極めている
早期に前立腺がんを発見できれば再発のリスクは大きく下がることにつながると考えますが、ゼロではありません。そのため、手術後も定期的に血液検査をし、PSA値を確認します。手術後の患者さんにおいては3ヵ月おきくらいに血液検査をし、経過が安定していれば間隔を空けていきます。しかし、少なくとも術後5年間は定期検査が必要です。手術ではなく、注射と飲み薬で男性ホルモンを抑えていくホルモン療法を行う場合も、定期的に通院します。使用する製剤によりますが、短くても1ヵ月、長ければ3ヵ月ごとに通院する必要があります。
- Qクリニックで治療を受けるとどのようなメリットがありますか?
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A
▲かかりつけ医としてしっかりサポート
前立腺がんを手術した後は、血液検査でPSAを確認するのが基本的なフォロー内容です。これはクリニックでもできる検査ですし、何か問題があった場合は病院と連携を取って対処できます。近所のクリニックなら、通院時間も待ち時間も短縮できるので患者さんの負担が減ります。また、予想外の症状が出た場合も気軽に相談しやすいのではないでしょうか。将来的なことを考え、今から自分のかかりつけのクリニックを見つけ、なんでも相談できる環境をつくっておくとよいでしょう。