田中 由香 院長の独自取材記事
江古田コスモ眼科
(練馬区/江古田駅)
最終更新日:2026/03/10
西武池袋線・江古田駅南口を出て目の前のビル4階にある「江古田コスモ眼科」。板橋区の「板橋すばる眼科」の分院として2021年に開設された同院は、光干渉断層計(OCT)や両眼視簡易測定器の他、眼精疲労の原因や程度を調べるための調節機能解析装置などの検査機器を備え、視機能をトータルに検査する診療環境が整っている。2024年4月に院長に就任した田中由香先生は、大学病院や総合病院で眼科診療の経験を積んだ日本眼科学会眼科専門医。優しい笑顔と穏やかな語り口で、乳幼児から高齢者まで幅広い世代のさまざまな症状や病気に対応する。「何でも気兼ねなく相談していただけるクリニックにしていきたいです」と、語る田中先生に、診療方針や力を入れている治療などについて話を聞いた。
(取材日2024年4月24日/情報更新日2026年3月4日)
幅広い目の病気や症状に対応し、早期発見をめざす
どのような患者さんが多く来院されていますか?

患者さんはほぼ近隣に住む方で、赤ちゃんから90代まで幅広い年齢層の方が来られます。目に関わるご相談なら何でもお受けしますが、赤ちゃんや小さいお子さんでは目やにや結膜炎などが多く、もう少し大きくなると、学校の視力検査で受診を勧められたという子も。働き盛りの方では眼精疲労やドライアイなどが多いですね。ご高齢になると、緑内障や白内障、加齢黄斑変性など加齢に伴う病気が増えてきます。「突然、黒い点が飛んで見える」といった飛蚊症の症状を訴える方も、成人では年齢を問わずいらっしゃいます。
特に力を入れている診療・治療について教えてください。
特に緑内障や小児眼科、眼底疾患の治療や診療に力を入れています。緑内障は自覚症状がほとんどないまま進行する病気です。放置すると視野が狭くなり、失明につながることもあります。そのため、早期発見・早期治療がとても重要です。当院では点眼治療に加え、選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)を導入し、患者さんの状態に応じた治療を行っています。SLTは特殊なレーザーを隅角のフィルターにあたる線維柱帯に照射する治療で、緑内障の元凶とされる細胞のかすを除去することで、目に栄養を運ぶ房水の通りの改善を図ります。副作用がほとんどなく、開放隅角緑内障の治療に有用です。
小児眼科では新しい近視矯正法にも対応されているそうですね。

オルソケラトロジーといって、就寝中に治療用コンタクトレンズを装着することで角膜の形状を矯正し、日中の視力回復を図る治療法です。レンズの装着を止めれば角膜の形状は元に戻るとされているので、眼鏡などへの切り替えも望めます。デジタル機器の使用が日常的になったこともあり、近年は近視のお子さんが増えています。子どもの近視は短期間で進行することもあるため、見えづらそうな様子があれば早めの受診をお勧めしています。
検査機器などの設備も充実しているのですね。
はい。緑内障や加齢黄斑変性など網膜の病気を早期発見するために役立つ光干渉断層計(OCT)、毛様体筋の状態から眼精疲労の原因や程度を調べるための調節機能解析装置の他、無散瞳眼底カメラ、両眼視簡易測定器など、多様な眼疾患の早期発見と適切な診断につなげるために先進の検査機器を導入しています。加えて視能訓練士という視機能検査や、弱視・斜視の視能矯正などを担う専門のスタッフも在籍しています。精密な検査と眼鏡やコンタクトレンズに関するサポートを行っていることも当院の強みの一つです。
患者の言葉を受け止め一緒に解決策を探っていく
先生がこちらの院長に就任するまでの経緯を教えてください。

「見ること」は生活の質を大きく左右する大切な機能です。大学病院や総合病院でさまざまな眼疾患の診療に携わる中で、「もっと早く見つけられていれば」と感じる症例を多く経験しました。地域のクリニックで早期発見・早期治療に力を尽くしたいと考え、2021年に分院である「新宿コスモ眼科」の院長に就任しました。2024年4月からは、より地域に根差した医療をめざし、こちらで診療を行っています。
先生の診療方針を教えてください。
まずは病気を見逃さず、適切に診断すること。そして、患者さんの訴えを否定しないことを心がけています。例えば、検査で明らかな異常がなくても、患者さんが痛みやつらさを感じているなら、症状には必ず理由があります。患者さんとの対話を重ねながら、原因を探り、改善策を一緒に考えていきます。もし当院で対応できない場合は、他の診療科や医療機関など、適切な医療機関へ速やかに紹介いたします。また、患者さんによっては「これはもうしょうがない」と放置している症状もあると思われます。例えば、目が赤い、ゴロゴロするなど、失明につながるような重篤な病気でなくても、目に関することで患者さんがつらさを我慢することがないよう、適切な対応をして快適に生活していただけるようにしたいですね。
患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

コミュニケーションを通して、患者さんの症状を探ることを特に心がけています。患者さんの中には、ご自身の症状を明快に説明される方もいらっしゃいますが、ご自分でもどういう状態なのかよくわからない方、その状態をなかなか言葉にして説明できない方もいらっしゃいます。例えば、「なんだかよく見えない」とおっしゃる方には、近くが見えないのか、遠くが見えないのか、どういう時に見えないのかなど、細かくお話を聞きながら症状を明らかにし、原因を探り、検査の結果とも照らし合わせつつ適切な治療につなげていけたらと考えています。
年齢やライフスタイルに応じた適切な医療を提供
デジタルデバイスを多用する生活によって、小児の近視だけでなく、さまざまな目の不調が増えているとか。

当院でも目のかすみや見えにくさ、ドライアイ、眼精疲労などで受診される方が多くいらっしゃいます。調節緊張といって、近くをずっと見続けることで目のピント調節がうまくできなくなり、眼精疲労につながることもあります。度数が合わない眼鏡やコンタクトレンズを使うことでドライアイや眼精疲労になる方も多いですし、頭痛や肩凝り、集中力の低下など全身の不調の一因となることも少なくありません。パソコンを使う働き盛りの世代だけでなく若い方も同じで、10代の方の「スマホ老眼」と呼ばれる症状もあるほどです。不調には必ず原因があります。当院を受診された患者さんには、点眼薬や眼鏡の調整、生活上の工夫などの改善に向けた方針をお伝えしています。患者さんが自力で解決することはなかなか難しいですし、ひどくなるほど改善に結びつきにくくなりますので、気になる症状がある場合は早めに受診していただきたいですね。
加齢により増える目の病気には、気づきにくいものが多いのですか?
はい。白内障、緑内障、加齢黄斑変性など、年齢を重ねることで起こりやすくなる目の病気もあります。これらの病気では、初期には自覚症状が現れにくいものや、少しずつ悪くなるため気づきにくいものもあります。例えば、片方の目に見えにくさがあっても、もう片方の目が補ってしまうために症状の悪化に気づかないこともあるのです。白内障は、少しずつ進むため病気に気づかず、測ってみたら免許証の更新ができないくらい視力が低下しているケースもありますので、定期的な視力のチェックも大切です。緑内障も気づかないうちに症状が進み、発見された時にはだいぶ悪化している場合もありますので、40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることが望ましいでしょう。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

何でも気軽に相談できる眼科クリニックでありたいと考えています。実は私自身も、患者の立場で医療機関を受診した時に「気にはなるけど、聞いていいのかな」と遠慮して、聞きたいことが聞けなかった経験があります。ですから、患者さんがどんなことでも気軽に聞けて、話せて、安心して通えるクリニックにしていきたいです。どのような病気・症状でもひどくなってからより、早く対応したほうが早い回復がめざせると思いますので、目について心配なことがあれば早めに受診し、気軽にご相談ください。そして、繰り返しになりますが、40歳以上の方はぜひ、緑内障の検査を受けていただきたいと思います。

