陰部のかゆみ・できもの・皮膚がボロボロする原因など
女性の悩み
レディクリニック名古屋伏見
(名古屋市中区/伏見駅)
最終更新日:2023/07/11
- 保険診療
デリケートゾーンに関する悩みは、女性同士であっても口にするのをためらうもの。話題にしづらいことから情報を得る機会も少なく、一人悩みを抱え続ける患者も少なくない。さらにいえば、自身に起きている症状が、よくあることなのか、見過ごしてはいけない異常なのかの判断も、非常に難しいといえるだろう。「安心感を得るためにも、まずは気軽に受診してください」と語るのは、「レディクリニック名古屋伏見」で、日々たくさんの女性の心身の悩みに耳を傾け、改善に向けて力を注ぐ月城沙美院長。取材では、婦人科の専門家である月城院長に、女性に多いトラブルの原因や、見過ごしてはいけない症状、婦人科に受診するタイミングの目安などを聞いた。
(取材日2021年6月24日)
目次
ライフスタイルの変化が影響してトラブルが起こることも。「いつもとちょっと違う」と感じたら、まず相談を
- Qデリケートゾーンのかゆみの原因で、考えられるものは何ですか?
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A
まず挙げられるのが、膣内に常在する真菌、カンジダ膣炎です。いわゆるカビの一種。常在菌と言ってよいほどありふれていて、基本的に悪さをすることはありません。ただ、性行為で感染するほか、ライフスタイルの変化によって疲れやストレスがたまったことで免疫力が低下したり、抗生剤の内服によって体の細菌バランスが崩れたりすると増殖し、炎症が引き起こされることがあります。外陰部や膣の周辺のかゆみに加えて、酒粕状の白いおりものが増えるのが特徴で、症状に応じて外用薬や膣錠、内服薬を用いて改善を図ります。最近は薬局でもカンジダ膣炎のお薬を購入できますが、市販薬で改善に結びつかない場合は一度クリニックを受診しましょう。
- Q陰部の皮膚が荒れて、ポロポロとむけてくることがあります。
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A
生理用ナプキンなど、外陰部に直に接するものの影響でトラブルが起きることもありますが、意外と多いのが「洗いすぎ」によるケースです。衛生面を気にして、ボディーソープを使ってごしごしと洗ってしまう人もいるのですが、膣内をはじめ女性器には自浄機能が備わっているので、むやみに洗う必要はありません。むしろ洗い過ぎによって常在菌のバランスが崩れると、かゆみや肌荒れの他に、おりものの量や臭い、色の変化などのトラブルが起こりやすくなってしまいます。あまり神経質にならなくても大丈夫ですよと皆さんにお伝えしています。
- Q陰部のニキビや膿、できものの原因は何でしょうか?
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A
外陰部の皮膚の毛穴に雑菌などが入り込み、膿がたまったり、できものができてしまうことがあります。膿がたまって痛いようであれば、膿を出し切って外用薬でケアするほうがいいです。そういった相談を受けることは少なくないですよ。外陰部に起こる症状には、尖圭コンジローマや性器ヘルペスといった、ウイルス感染によるものも考えられます。性器ヘルペスは、性器にヘルペスウイルスが感染して起こります。感染しても無症状である場合もありますが、免疫力が下がると水疱や潰瘍、発熱といった症状が表れることも。皮膚のことなので皮膚科と婦人科で迷われる方もいるかもしれませんが、もちろん婦人科で対処できますので安心してご相談ください。
- Qおりものの変化で注意しておくべきポイントは何でしょうか?
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A
量が多い、臭いがきつい、黄色や緑ががった色味になったなど、いつもと比べて不快感が強くなったり、違和感を覚えたりしたら、一度診察を受けるのをお勧めします。おりものの状態は病気はもちろん、生理周期に伴って変化しますし、ライフスタイルにも影響されます。忙しくてゆっくり体を休められていない、ストレスを感じる生活が続いている、食生活や睡眠のバランスが崩れているなどの理由から、膣内はもちろん全身の健康状態が乱れると、膣内の自浄機能もバランスが崩れてしまい、おりものにも異常が出やすくなります。一方で、細菌感染など何らかの病気が原因している可能性もあるので、「おかしいな」と思ったら検査などを受けてみましょう。
- Q性感染症が原因してトラブルが起こることも珍しくないのですね。
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A
婦人科のトラブルは症状だけでは何が原因なのかわかりにくい側面もあります。陰部の異常を感じ、原因は膣内細菌のバランスの崩れか、性感染症かを知りたいと同時に検査される方も多くいらっしゃいます。性感染症に関して言えば、多くが自覚症状に乏しく気づいたときには重症化し、合併症が起きてしまうケースも珍しくありません。例えば感染者が多いとされるクラミジア感染症は、長期化すると卵管炎や卵管の癒着が起こって不妊症を招きやすくなるほか、骨盤腹膜炎や肝周囲炎といった重篤な病気を引き起こすことも。性感染症は、性交の経験があれば誰にでも起こり得るものです。今は気になる症状はない方も一度検査を受けておくのが望ましいです。