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熊本 忠史 院長、熊本 万吏 さんの独自取材記事

くまもとこどもクリニック

(新宿区/神楽坂駅)

最終更新日:2021/04/22

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東京メトロ東西線の神楽坂駅の矢来口から徒歩3分、医療モールの2階に構える「くまもとこどもクリニック」を訪ねた。院長の熊本忠史先生は、大学病院や国立がん研究センターで30年にわたって小児がん治療に携わってきたベテランドクター。「小児科の医師は、いわば何でも屋です」と語り、がんと闘う子どもたちの全身を診察する中で培ったスキルを生かし、小児科一般やアレルギー、夜尿症など、子どもの心身に関わる幅広い診療を手がけている。小児がん治療の第一線から離れ、「街のクマ先生」として新たなスタートを切った熊本院長と、妻で助産師の熊本万吏さんに、クリニックの特色や勤務医時代のエピソード、子どもたちへの思い、赤ちゃん相談専用の外来についてなど、じっくり話を聞いた。
(取材日2021年4月7日)

全身を診る小児がん治療の経験を地域医療に役立てたい

こちらで開業された経緯からお聞かせください。

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【院長】三重大学病院を皮切りに長い間小児がんの治療をやってきて、若い頃からの念願だった国立がん研究センターで働くこともかないました。ひと仕事終えられたかなという思いに至って、これまでの経験を一般小児の現場でも役立てられるのではないかと考え、1年ほど前から開業準備を始めました。私自身、開業するには少し年を重ねてしまっていることもあり、子どもが多い地域であちこちの小児科医院と競合しながらやっていくというよりはむしろ、子どもがそれほど多くないエリアで、じっくり腰を据えて診療できる環境を選びたいと考え、東京中を妻とあちこち歩き回って神楽坂のこの場所にたどり着きました。私はもともと三重県出身で、神楽坂には縁もゆかりもないのですが、落ち着いた街の雰囲気がとても気に入っています。

こちらのクリニックの特徴は?

【院長】小児科を受診する際の心配事はやはり、待合室での感染ですよね。当院には診察室が4室あり、受付を済ませた患者さんにはすぐ診察室に入ってもらい、診察室兼個別待合室として使用しています。1人の医師が複数の診察室を順に移動して回るこのスタイルは、20年ほど前にアメリカに住んでいた時に現地の多くの小児科クリニックで採用されていて、もし自分が将来開業する時が来たらぜひ取り入れたいと思っていました。加えて院内10ヵ所にオゾン発生装置を備えつけるなど、昨今の状況も踏まえて院内感染予防を徹底しています。また、エックス線検査装置や血液・生化学検査機器、喘息の診断に用いる一酸化窒素測定機器などをそろえていることも、当院の特徴の1つ。検査設備を充実させることで、できるだけ当日のうちに結果をお伝えし、このクリニックの中だけで診療を完結できるようにしたいと考えました。

小児科一般に加え、アレルギーや夜尿症を専門的に診る外来も設けていますね。

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【院長】小児科の医師は、いわば何でも屋。開業にあたって、あえて専門の外来を設けたのは「子どもの心身に関わることなら全部、何でも診ますよ」という、私からのメッセージでもあります。中でも近年相談の多いアレルギー疾患と夜尿症を専門に診る外来、そして助産師による赤ちゃん相談用の外来を設けました。夜尿症のお子さんは潜在的なものも含めると、小学生の20人に1人といわれていますが、専門である泌尿器科を受診するのは子どもにとってハードルが高いはず。そこで夜尿症の検査から治療まで当院で一貫して行えるように、院内のトイレに尿流量測定装置を設置しました。「小児科で治療できるなら」と、夜尿症に悩むお子さんが前向きに治療に取り組んでもらえるように願っています。

表情や声、体の隅々にまで目を配り、的確な診断を

先生が小児科の医師を志したきっかけは?

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【院長】幼い頃からずっとライバルのように競い合ってきた兄が先に医療の道を志し、その影響で私も医学部に進学しました。中でも小児科を選んだのは、やはり子どもが好きだったから。それと、小児科は成人を診る診療科のように臓器別に細分化されていないので、心臓も肝臓も、腎臓も、心の病気まで全部診られなくてはいけません。子どもに関わるすべてを診るという小児科の在りように「医者らしさ」を強く感じ、迷わず小児科の道を選びました。

小児がん治療の現場では、重い症状と闘うお子さんたちと長く関わってこられましたね。

【院長】子どもの病気の中でも、がんはやはり重篤な疾患です。言葉を発することもできないほどつらい症状に苦しむお子さんや、苦痛のあまり医師に触れられることすら難しい状態のお子さんとも数多く向き合ってきました。そうした経験を重ねる中で表情や声、体の隅々にまで目を配って的確に診察する力を培うことができたと思っています。開業にあたって院内に検査機器を一通りそろえてはいますが、やはり一番大事なのは医師である私自身の目や耳で得る情報です。これまでの経験で得たスキルやノウハウを、地域医療の場で大いに生かしていきたいですね。

勤務医時代、闘病中の子どもたちとのエピソードがあればお聞かせください。

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【院長】私は子どもと遊ぶのが好きで、病棟でも毎朝詰所に行く前にプレイルームに立ち寄ることが日課になっていました。ちゃんと「おはよう」と言えないような子には、あいさつできるまでしつこく話しかけたりして、「病気だからって甘やかさないよ」というのが私のスタンス。そんな私に時折嫌そうな顔を見せつつも、休暇で1週間くらい顔を出さずにいると、休み明けに「クマ先生! どこに行ってたんだよ」なんて言われたりして、私が来るのを待っていてくれたことを知ってうれしく感じたものです。私と顔見知りになるほど小児科に何度も訪れるのが良いこととは言えないかもしれませんが、このクリニックでも子どもたちと、そんな和気あいあいとした良い関係を築いていきたいです。

小児科の医師はどんな時でも子どもたちの味方

赤ちゃん相談の外来では、助産師さんのアドバイスが受けられると伺いました。

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【助産師・熊本さん】赤ちゃん相談用の外来として予約枠を設けてはいますが、診察後やワクチン接種のついでにも、気軽に育児の悩みを相談していただけます。私はもともと、NICUを備えた総合病院の病棟勤務を経て、結婚後少しブランクは空きましたが、街の産婦人科クリニックの母乳相談の外来や助産師の外来に14年ほど携わり、つい最近まで月島保健センターの委託を受けて生後2ヵ月の乳児のいる世帯を対象にした「赤ちゃん訪問」も担当してきました。赤ちゃんのお世話に不安はつきものですが、さらにこの状況の中で里帰り出産がかなわなかったり、実家のお母さんに頼れなくなったなど、困っているお母さんたちの声をたくさんお聞きしました。当院の赤ちゃん相談は、授乳やおむつ、生活リズムに関すること、お出かけの心配事、小さなことでも構いません。気軽にお話しくださいね。

院長はこれまで担当した患者さんとの交流も長く続いているそうですね。

【院長】小児がんは特殊な病気なので、まず本人に病名を知ってもらわなくては闘うことはできません。ですから小学生になった子には全員に告知し、自分の病気を知ってもらうことから始めていました。治療薬の発達とともに、今では治すことの望める小児がんが増え、難しいといわれるがんをいかに治していくかというフェーズに入っています。これまで担当したお子さんたちとは今でもずっとつながっていて、毎年年賀状が届いたり、メールで近況を知らせてくれたり、私の開業を知ってお祝いの花を贈ってくれた子もいます。元気にそれぞれの道で頑張っている様子や成長ぶりをずっと見守っていけること、そして逆に私のほうも「今はここで頑張っているぞ」と、こちらの生き方を子どもたちに伝えることができる。そうした関係をつくっていけるところも小児科ならではの面白いところです。

最後に、今後の展望と読者に向けてメッセージをお願いします。

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【院長】0歳の赤ちゃんから始まり、子どもの不調は何でも診られることが当院の強みです。「街のクマ先生」としてお子さんたちと徐々に打ち解け合いながら、健やかな健康を支援していきたいと思っています。また、小児がんの治療を終えた方でも、体への負担の大きい治療による後遺症やPTSDを抱える患者さんは少なくありません。そうしたお子さんを対象にした長期フォローも、通常の診療と併せてここで手がけていくことにしています。小児科の医師はどんな時でも子どもの味方、子育て中のお父さんお母さんの味方です。感染対策を徹底してお待ちしていますので、安心してお越しください。

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