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北里 精一朗 院長の独自取材記事

北里整形外科クリニック

(新宿区/江戸川橋駅)

最終更新日:2022/12/15

北里精一朗院長 北里整形外科クリニック main

「自分の体のことを知った上で、将来の病気やけがのリスクを予防するためにはどうしたらいいかを考える。だから予防を大切にしています」と語るのは、「北里整形外科クリニック」の北里精一朗院長だ。優しい笑顔でわかりやすく説明する診療スタイルが持ち味で、開業して2年、紹介で訪れる患者が増えているという。診療では患者との対話を重視し、患者が抱える問題や訴えを聞き取ることに注力している。各人のゴールは違うことを前提に、一人ひとりの背景を考えた治療の選択肢を複数提示。地域密着の医療で、人々が長く健康で過ごせるようにと心を砕く北里院長に話を聞いた。

(取材日2022年10月21日)

手術以外の選択肢も提示したいと考え開業

開業した経緯をお聞かせください。

北里精一朗院長 北里整形外科クリニック1

病院時代の経験が大きいです。医師になってから、大学や基幹病院で手術を中心とした診療を行ってきましたが、来られる患者さんの中には「手術以外の選択肢もあるのでは」と思うような事例が意外と多くありました。手術することが悪いわけではありません。ただ、「もし、患者さんが最初に訪れる医師が私だったら。手術以外の患者さんが望む選択肢を提示できたのではないか」と感じていました。次第に患者さんへの想いが募り、開院に踏み切りました。

手術をしなくても治療ができるのであれば、そのほうがいいですよね。

手術は、精神的にも肉体的にも患者さんの負担になります。なので皆さん覚悟を決めて来院されます。しかし手術をしなくても痛みを軽くすることができるのであれば、好きなスポーツをしたり旅行に行ったりすることはできるはず。そこを治療のゴールに設定してもいいと思うんです。たくさんの手術を行ってきたからこそ、手術が必要なのか、必要でないのか適応を見極めて、患者さんに適した治療法を提案できるのではないかと思っています。

アクセスのしやすさとすてきな院内が印象的ですね。

どちらも患者さんのためを想ってこだわり抜きました。所沢の病院で長く診療をしていたので、その時に診ていた患者さんも通いやすい場所、かつ足腰が悪い方でも不自由ないほど駅近で、車でも来院しやすいよう駐車場がある場所……といったところでしょうか。ご縁がありこちらでの開業を決心しました。そして、空間デザインもホテルのロビーのような落ち着いたイメージした内装としました。病院独特の緊張感を和らげる配色とレイアウトにしています。患者さんには待合室にいる時間もリラックスして過ごしていただきたいです。

どのような患者さんが来院されていますか?

北里精一朗院長 北里整形外科クリニック2

新型コロナウイルス感染症が流行しているさなかの開業だったため、当初は在宅勤務をしていて首や肩、腰が痛いという方が中心でした。年齢層は全体的には幅広いですが、最近は地域の高齢の方や紹介の方が増えてきたように思います。また、アクセスしやすい立地であることから、沿線沿いではあるけれど遠方にお住まいの方も通われています。電車に乗る時間は長くても「乗り換えなしで来られるから楽」とおっしゃいますね。

患者の背景を知り、各人に合った治療方法を複数提示

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

北里精一朗院長 北里整形外科クリニック3

1つは予防を推進していることです。些細なけがにより体のさまざまな部分に影響が出ることはよくあります。治療はもとより、けがをしない、病気にならない状況が一番の予防です。予防について多くの方に知っていただき、健康寿命を延ばしていくのが私の使命です。さらに、当院では予防の一環として運動器リハビリテーションに注力しています。当院には6人の理学療法士が在籍しており、一対一で指導を行い、症状に合わせ個別プログラムを作成しています。治療後も疾患の理解ができるよう再発予防にも取り組んでます。理学療法士には女性も複数おり、産前産後のリハビリテーションも行っています。また、手術以外の選択肢を用意していることについても特徴の一つです。変形性膝関節症など手術は気が引ける、という患者さんのため、新しい選択肢を取り入れております。予防を推進とはいえ、その基本には患者さんご自身が症状と自分の体を理解することが大切です。

なぜ、予防には患者自身が症状を理解することが重要なのでしょうか。

自分の体の状況をよく知ることで、必要なことや危険なことが理解できるからです。自分の状況を知らないまま予防しようと言われても「具体的に何をするの?」とピンとこない方も多いはずです。理解した上で行動に移してもらうため、患者さんには自分のけがや病気のことをわかっていただく手間を惜しみません。DXA法の検査ができる先進の骨密度測定器の導入、エコーや資料を用いた説明やわかりやすい言葉を使って伝えるなど工夫を凝らし、リハビリスタッフにも「理解してもらえるように伝えること」を大切にするように指導しています。

治療の際に心がけていることを教えてください。

一番はよく話を聞くことです。画像やカルテの内容だけでなく、本人の訴えが最も診断の根拠につながりますから、話を聞き、何に一番困っているのかを知るようにしています。私の母校である東京慈恵会医科大学では「病気を診ずして病人を診よ」と教えられます。その精神のもと、その人の背景まで考え、その人にとって何が一番いいのかを提示するよう心がけています。ですから初診の際は特にじっくり、なるべく時間をかけて話を聞くようにしていますし、来て良かったと思っていただきたいです。

患者さんによって困っていることも違いますものね。

北里精一朗院長 北里整形外科クリニック4

そうですね。選択肢を提示する場合は、その方に合うと思われる治療法をいくつかお伝えしますが、どの方法で治療をするかを選ぶのは患者さんです。同じ病気でも患者さんによって最良の治療方法は違います。薬は飲みたくないという方もいるでしょうし、注射は嫌だという人もいるでしょう。患者さんによってもめざすゴールは異なりますから、患者さん一人ひとりに合った治療方法を提示して一緒に治療していくという方針です。

ちょっとしたことでも気軽に相談してほしい

医師をめざしたきっかけを教えてください。

北里精一朗院長 北里整形外科クリニック5

育った環境の影響が大きいですね。祖父も父も医師だったので、親の背中を追っていた部分はあると思います。将来の仕事は医師がいいなと小さい頃から思っていましたし、医師が身近だったこともあって、他の職業がピンときませんでした。父は外科でがんの治療にも多く携わっていたのですが、がんは治療をしても必ずしもすべての方が完治に至るわけではなく、助けられないケースもあります。しかし整形外科は悪い状態で来た患者さんが元気になっていくという側面が比較的強い診療科だと思うんです。患者さんが目に見えて元気になる姿を見たくて、整形外科を専門にしました。

趣味や健康のためにしていることはありますか?

勤務医時代は電車通勤で、1日に1万歩は歩いていました。しかし開業してからは、動くのはほぼ院内だけで運動不足になってしまったため、ウオーキングをしようという考えからゴルフをしています。ゴルフは自然の中で体を動かせますので、気分もいいですね。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

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これまで行ってきたことを続けていくことが大事ですが、日々いろいろな治療法が出ていますので、自分がいいと思ったものは積極的に取り入れていきたいです。患者さんには、困ったことがあれば何でも気軽に相談してほしいです。「こんなことを聞いてもいいのかな」と思う必要はありません。昔のクリニックのような感覚で「ちょっと聞いてみよう」と来院していただいて大丈夫です。クリニックには地域のコミュニケーションの場としての役割もあると考えています。敷居が高いと思わず、気軽に頼っていただければと思います。

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