吉澤 穣治 先生の独自取材記事
池袋なごみクリニック
(豊島区/池袋駅)
最終更新日:2025/06/12

池袋地下道39番出口から徒歩2分ほど。南池袋公園すぐそばのビル3階にある「池袋なごみクリニック」。2021年近くのビルで開業後、昨夏に現在の地で新規開業した。親子で通えるクリニックをコンセプトとする同院。院内は子どもに人気のキャラクターなどの壁紙で、テーマパークのような雰囲気だ。小児科、小児外科を中心に、内科、外科、皮膚科やアレルギー科まで幅広く診察。子どもから大人までさまざまな症状の相談が可能だ。中でも、頭のかたちの外来の開設と、小児の日帰り外科手術に対応しているのが大きな特徴。複数の医師が在籍するが、皆、昭和医科大学関連の病院の医師。今回、取材した吉澤穣治先生は、同大学江東豊洲病院でも小児外科診療科長として勤務している。大学病院レベルの診療が受けられるのもクリニックの強みだ。
(取材日2025年4月11日)
親子で通え、幅広い診療に対応する、駅近クリニック
昨年6月にリニューアルオープンされました。

以前の場所からほど近い、同じ南池袋2丁目のビルの3階に移転しました。当院は、お子さん連れも通いやすいクリニックをめざしており、小児科・小児外科に来られる患者さんも多いです。壁紙もお子さんに喜んでもらえるようなかわいい絵柄を選んでいます。診察室も緊張感を和らげるためカラフルに。キッズスペースには絵本などを用意しています。
クリニックの特徴について改めて教えていただけますか?
小児科、小児外科をはじめ、内科、外科、アレルギー科、皮膚科の他、総合診療も行っています。お子さんから大人まで受診可能で、一般的な疾患から専門的なものまで幅広く診療しています。池袋駅から程近く、夜も土日も診療しているので、夕方以降の体調不良やケガ、多忙でなかなか受診できないという方にも活用していただけます。複数の医師が診療を行っていますが、全員が昭和医科大学の関連病院の医師です。気になる症状に対し、採血・点滴・エコー検査を行い、迅速で適切な医療診断の提供を心がけています。昭和医科大学病院と密に連絡しており、緊急性の高い患者さんの精密検査や手術なども迅速に対応することができます。また、頭のかたちの外来開設と、小児外科の日帰り手術を行っているのが大きな特徴といえます。
先生は長年、小児外科専門の医師として活躍され、小児救急医療にも精通しているとお聞きしました。

私の専門は虫垂炎や鼠径部ヘルニア、腸重積などの消化器疾患や、腎・尿路・性器など泌尿器科疾患の診療と内視鏡手術です。小児外科は、急性虫垂炎のような緊急性を要する疾患も多く、迅速で適切な診断力を求められます。手術が必要となるケースも多いですが、今は少ない傷痕で治療できる方法も確立されています。
小児科、小児外科の診療方針をお聞かせください。
お子さんの急な発熱や嘔吐などの体調不良、ケガなどで、すぐ病院に行ったほうが良いのか、朝まで様子を見ても大丈夫なのか悩む親御さんは少なくありません。そんな救急医療のニーズに焦点を当て、困っている親御さんを受け入れ、不安を解消して笑顔にしてあげる場所が必要だと思っています。また、お子さんや親御さんのちょっとした相談から、行き場のない悩みなど、何でも受ける場でありたいと考えています。見た目の悩みもその一つ。でべそや包茎、毛深いなど、見た目の問題は命に関わることではないものの、恥ずかしさもあり、人知れず悩んでいるケースも多いと思います。そうしたことを気軽に相談できるクリニックでありたいです。
頭のかたちの外来を開設、小児の日帰り外科手術対応も
頭のかたちの外来について詳しく教えていただけますか?

頭の変形を改善するための外来ですが、かたちというより頭のゆがみ矯正のためですね。昔も今も、赤ちゃんの頭のかたちを心配する親御さんは多いです。診療では、写真撮影で3D画像を構築して変形を測定。ゆがんでいるか、治療したほうが良いのかを判断し、必要に応じてヘルメットを用いた治療を行います。また、頭の骨の病気や、斜頸という首の筋肉の病気など病的原因がないかも診察します。大半は外力による頭の変形で、オーダーメイドのヘルメットを用いた治療を行うのが適しています。ヘルメットは頭の形状に合わせて設計され、1日23時間、2〜6ヵ月装着します。頭の平らな部分にヘルメットで空間を作り、赤ちゃんの頭蓋成長を原動力として、丸みを帯びるよう成長を促します。以前は装着後に汗をかくとかぶれることもありましたが、今は内側のクッションが洗えたり、通気性を高めたりした物が出てきました。
治療はいつ頃から始めるのが良いのでしょうか?
ヘルメット治療を始める時期は、生後3ヵ月を過ぎて首が座る頃から。できるだけ早いほうが良いと思います。赤ちゃんはどんどん成長しますから、気になったら早めの来院をお勧めします。治療は自費診療で、成長に合わせてヘルメットも変えていきます。病的なものを除いて、原因の多くを占める外力による変形の場合は、基本的に脳の成長や精神発達に大きな影響を与えることはないと言われています。しかし将来的には、見た目の影響だけでなく、噛み合わせや視力、眼鏡がかけにくい、耳の位置の変化、顔のゆがみなどにつながるリスクはあります。
小児の日帰り外科手術についても詳しく教えていただけますか?

小児外科では、頭部打撲、やけど、肘内障などケガの治療も行っていますが、出べそ、鼠径部ヘルニア、停留精巣、包茎、副耳などの日帰り外科手術を実施しています。小児の日帰り外科手術を始めたのは1年ほど前ですが、クリニックで対応している所は少ないと思いますし、大学病院でも珍しいのではないでしょうか。入院は、きょうだいの預け先の心配など親御さんも大変。日帰りなら負担を少なくできますし、対応できるものも多いと考えています。通常は午前に来院して、3~4時間で帰ることができますし、日曜も対応しています。術前の流れとしては、診断、手術日のご相談、血液型などを含めた術前の全身状態チェックを行います。術後は1週間ほどしてからの来院で終了となります。麻酔も昭和医科大学病院の専門の医師が行っています。
ちょっとした気がかりも深刻な悩みも、専門家に相談を
小児科では、お子さんの不登校や見た目の相談にも応じているそうですね。

小児科の仕事は、子どもの未来を守る仕事でもあります。見た目のことで周りからからかわれ学校に行けなくなった、原因不明の体調不良で不登校になってしまった、思春期の娘さんなら毛深いことが深刻な悩みになっているということもあるでしょう。当院ではそのようなお悩み相談にも応じているので、気軽にお問い合わせください。また、朝になるとおなかの調子が悪くなるというような場合もご相談ください。全国からお子さんの便秘や便漏れに関する相談も受けるようになりました。それくらい、便のことで悩んでいるお子さんは多いということです。小児外科は重度の便秘の診療も得意分野なので、一人で悩まないでほしいですね。
ところで、先生が小児外科の医師をめざしたのはなぜですか?
偶然の出来事が医師をめざすきっかけになりました。乗っていた車が渋滞に巻き込まれてしまった時、反対から来る車の中で家族で楽しそうに笑っている様子がいくつも見えたんです。その時、ふと「この中の誰か1人でも欠けたらみんなの笑顔はなくなってしまう。もし子どもがいなくなってしまったら、ご両親はどんなに悲しむだろう」と思って。そこから「自分が医師になって子どもの健康を守れば、みんなの笑顔を守ることになるのでは」と、小児外科の医師をめざそうと考えたんです。1日遅れたら亡くなっていたかもしれない赤ちゃんが手術で回復して、医師が一生懸命頑張った成果がその後80年、90年と続くかもしれない。それができれば大きなやりがいに他なりません。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

インターネットの情報に惑わされないで、専門家の診察を受けてほしいですね。ちょっとした悩みも、一度来てもらえると明確な答えを出してあげられると思います。自己判断は難しいですから、こんなこと聞いていいのかなどと思わず、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児のヘルメット治療/36万3000円~