石毛 俊作 院長の独自取材記事
大神宮デンタルクリニック
(船橋市/大神宮下駅)
最終更新日:2025/05/09

京成本線・大神宮下駅の改札を出た左側に「大神宮デンタルクリニック」はある。院長の石毛俊作先生は歯科口腔外科出身。顔の解剖学的構造を熟知し、適切な判断と丁寧なシミュレーションによって、安全性に配慮したインプラント治療を提供している。見えない組織構造への理解と対応力に裏打ちされた診療を行い、全身疾患や難症例にも柔軟に対応できるのが強みだ。初診時から生活背景を踏まえた治療計画を提案し、虫歯や歯周病を細菌の問題として捉えた予防ケアにも力を入れている。土日診療やバリアフリー設計、カフェのような内装など、通いやすさへの配慮も随所に行き届く。「自分が患者だったらどう感じるか」そう繰り返す石毛先生の、一貫した患者目線を大切にする姿勢について話を聞いた。
(取材日2025年4月14日)
「自分が患者だったら」と語る、専門家の優しい視点
なぜ歯科医師を志し、歯科口腔外科を専門とされたのでしょうか?

親が医師だったこともあり、幼い頃から医療の世界が身近にありました。将来を考える中で、医師と歯科医師のどちらに進むか迷った時期もありましたが、最終的に歯科の道を選びました。卒業後は、地元・千葉の千葉大学病院の口腔外科で経験を積みました。親知らずの抜歯や口の中の外傷、粘膜疾患、さらには全身疾患を抱える方への対応まで、口腔外科では一般歯科とは異なる広い領域を扱います。歯だけでなく粘膜や骨、そして全身の状態を見ながら治療するため、歯科の中でも医科に近い視点が求められていると感じました。日々の診療を通して、歯と全身を診る力や判断力が身についていく実感があり、自分にとって大きなやりがいを感じる領域です。
開業にあたって、患者さんにとっての「通いやすさ」で意識された点は?
大学病院や総合病院に勤めていた頃から、「平日しか通えない」「紹介状が必要」といった受診のハードルに悩む患者さんを多く見てきました。自分が通う立場でも、土日に診てもらえたら助かると思っていたので、開業にあたってはアクセスが良く、土日診療も可能な体制にしようと決めました。物件は地元・船橋で探し、駅からすぐの現在の場所と出会えました。雨の日でもほとんど濡れずに来ることができる立地で、患者さんにとっても便利だと思います。院内はバリアフリーで、車いすやベビーカーでもそのまま診療室へ入れます。待合室は広めに設け、カフェのような雰囲気の内装で、ゆったり過ごせる空間にしました。歯科医院が苦手な方でも、ふらっと立ち寄れる“入りやすさ”を意識した設計にしています。
先生ご自身の「技術力の強み」についてどう捉えていますか?

外科処置を伴う治療には特に自信があります。もともと手先は器用なほうで、研修の時も処置を覚えるのは比較的早いほうでした。今は若い先生に教える立場ですが、あらためて「簡単ではないんだな」と感じる場面もありますね。とはいえ、手術は器用さだけでは成り立ちません。多くの経験を積み重ねてきたからこそ、今の安定した処置につながっていると感じます。親知らずの抜歯も、さまざまなケースに対応してきましたし、外科的な処置が必要な虫歯治療なども得意としています。歯は一度削ると元に戻せないものだからこそ、どんな治療でも安心して受けていただけるよう、一つ一つの処置を丁寧に行っています。
「不安なく任せられる」を技術でかなえる
口腔外科出身だからこそ実現できる、インプラント治療の強みとは?

インプラント治療は、神経や血管などの重要な組織を避けながら行う、非常に繊細で慎重な判断が求められる治療です。そういった点で、口腔外科で培った解剖学の知識や手術経験が大いに役立っています。顔の中の構造が頭に入っていることで、リスクを見極めながら、無理のない処置が可能になります。事前のシミュレーションも徹底して行い、神経の位置や骨の厚み、角度などを適切に確認した上で、迅速に必要な処置を行うことに努めています。手術そのものは20分程度で終わることがほとんどで、スムーズに進むことで患者さんの負担も軽減されると思いますし、「早く終わって良かった」と言っていただけたらうれしいですね。安全性に配慮しながら、迅速に処置できる点は、自分の強みだと感じています。
治療時の「痛み」や「不安」を和らげるために、工夫されていることは?
インプラント治療って、患者さんからすると「痛そう」「怖そう」っていうイメージが強いと思うんですよね。でも実際は、麻酔をしてから行うので、治療中の痛みにも配慮をしています。また、麻酔が切れた後も、強く腫れたり、ズキズキ痛んだりということは少ないのではないかと思います。それでも、「手術」と聞くだけで不安になる方も少なくないと思うので、事前に「怖がらなくて大丈夫ですよ」といったことを、きちんと伝えるようにしています。特に初めての方には、わからないことが多いほど怖さが増すと思うので、できるだけ不安を減らしてあげられるように心がけています。
持病がある、骨の状態が悪いなどの難しい症例への対応も可能ですか?

これまでも全身に持病をお持ちの方を多く診てきましたので、それぞれの状態に合わせて、無理のない形で治療を進めることができます。例えば薬を使っている方、糖尿病の方など、治療に際して注意が必要なケースでも、状況に応じて柔軟に対応しています。また、骨が少ないケースでも、骨造成などの処置である程度は対応できます。実際に多くの症例を経験する中で、骨の状態に応じた処置を選べるようになってきたと思います。すべての症例に対応できるわけではありませんが、どこまでなら治療を進められるかを見極めながら、一人ひとりにとって無理のない選択肢を考えるようにしています。
目には見えないところこそ、丁寧に
治療を繰り返さないために大切なこととは?

よく患者さんにお話しするんですが、虫歯や歯周病って“シロアリ”みたいなもので、壊れたところだけ直しても、原因を取り除かなければ繰り返してしまいます。口の中も同じで、悪くなった部分を治すだけではなく、菌の活動を抑えることが大切なんです。虫歯や歯周病の原因は細菌なので、日々のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。放っておけば再発し、やがて神経を取ることになる場合もあります。だからこそ、「治療しなくて済む状態」を保つことが何より重要です。僕としても、治療より予防に力を入れたいと思っています。今の状態をどう守るかを一緒に考えていくことが、歯を守る近道だと考えています。
インプラント手術を院内でされますが、衛生面の対応について教えてください。
滅菌や清潔な環境って、歯科では当たり前のことではあるんですが、当院では外科的な処置まで院内で完結しているため、より高いレベルの衛生管理が必要です。そのため、器具の滅菌には「クラスB」という、厳しいヨーロッパ基準に対応した滅菌器を導入しています。細菌やウイルスを除去するための機器を使用し、親知らずの抜歯やインプラント手術などでも、安心して治療を受けていただける清潔な環境を維持しています。また、使い捨て可能な器具は極力ディスポーザブル製品を採用し、再使用は一切していません。衛生管理において一番大切なのは、「自分が患者だったらどう感じるか」という視点です。見えない部分にこそ誠実に取り組むことが、信頼される医療につながると考えています。
今後、クリニックとしてめざしている姿があれば教えてください。

今は「来てくれた患者さんに、満足して帰ってもらいたい」というのが一番の目標です。治療の内容はもちろんですが、スタッフの対応や診療の進め方、例えば「手術が痛くなかった」とか「思ったより早く終わった」といった体験すべてが、満足度につながると考えています。その実現に向けて、今ちょうど院内改革のような取り組みを始めたところです。月に1回の全体ミーティングのほか、リーダークラスのスタッフとはより細かな打ち合わせを重ね、技術だけでなく接遇や雰囲気づくりについても見直しを進めています。まだ始まったばかりではありますが、こうした積み重ねが患者さんの信頼や安心につながると信じています。これからもスタッフ全員と連携し、より良い医院づくりを進めていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本39万6000円〜、小児矯正/38万5000円〜、成人矯正/77万円〜、骨造成/11万円~