レーザーや内服薬を使った
苺状血管腫の早期治療
ユウコ形成外科クリニック
(大阪市北区/扇町駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
赤ちゃんにできる赤いあざ。中でも、生後間もなくから肌に出現し、徐々に盛り上がり始め、赤く大きなイチゴのようになるものを「苺状血管腫」と呼ぶ。良性の腫瘍のため命に関わるものではなく、そのままにしておいても多くの場合はゆっくりと落ち着いていくとされる疾患だが、目立つところにできた場合など、悩んだり、心配になってしまうことも少なくない。子どものあざやけが、変形の治療を数多く経験している「ユウコ形成外科クリニック」の植田有子院長は「命に別条はなくても、親の心配は尽きないもの。だからこそ早期治療を行って、笑顔を取り戻してほしい」と力強く言う。決して珍しい病気ではない苺状血管腫。その病態や治療法について詳しく教えてもらった。
(取材日2021年3月17日)
目次
赤いあざができたら放置せず、まずは受診を
- Q苺状血管腫とは、どんな病気ですか?
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A
▲苺状血管腫など子どものあざの治療にも力を入れる
苺状血管腫とは、皮膚の表面や内部にできる「赤いあざ」の一種です。未熟な毛細血管は増殖してできる良性の腫瘍で、イチゴのように見えることからこの名前で呼ばれています。一般的に、生後1〜4週間に現れ、急速に大きくなり、ほとんどの場合は数年間かけて消えていきますが、そのままにしておくと痕が残ります。命には別状ありませんが、できた場所や部位によっては早めの治療が望まれる場合があります。
- Q苺状血管腫を早い段階で診断・治療をするメリットは?
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A
▲少しでも気になることは早めに相談に来てほしい
苺状血管腫は以前は「そのうち消えるから」と特に治療をせず経過観察をすることがほとんどでした。しかし、苺状血管腫の大きさによっては赤みが消えた後も、たるみや変形などの痕が残るため、お子さんが成長した際に悩むかもしれません。また、大きさによっては体の機能の成長に悪影響がある場合も。早く診断し、毛細血管の増殖を抑えるための治療を始めれば、血管腫の増殖を抑えることが期待でき、痕にも残りにくくなります。また、心配するご両親の精神的な負担も少しでも軽くなるのではないかと思います。赤いあざができたら、放っておかず、ぜひ一度受診していただきたいと思います。
- Qこちらの医院ではどのように治療されるのでしょうか?
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A
▲レーザーを用いての治療が可能
まずは受診していただき、本当に苺状血管腫かどうか、他の悪性腫瘍でないかをしっかりと確認します。苺状血管腫の場合はできた場所や大きさ、大きくなる速度など、総合的に判断して、経過観察、手術やレーザーによる外的な治療、内服薬による治療を単独で、もしくは組み合わせて行っていきます。大切にしているのは、一人ひとりのお子さんの病状に合わせて治療を進めること。まずはご両親に治療のメリットデメリットをしっかりとお話しし、どのような治療経過をたどるかを説明します。しっかりと納得していただいてから治療を始めていきますので、わからないこと、不安なことがあれば何でもおっしゃってくださいね。
- Q内服治療について詳しく教えてください。
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A
▲内服薬とレーザー治療を併用しながら治療を進める
これまでは手術やレーザーによる外的な治療が行われていましたが、最近では内服薬による治療が可能になりました。レーザーだけでは増殖を抑えられない大きな血管腫や、深い部分にできた血管腫には特に内服薬による治療が行われています。まだ小さな赤ちゃんに「薬」となると副作用が心配になるかと思いますが、お子さんの体重や治療期間を検討し、容量を決定し、使用の際は体調等を考慮して慎重に進めますので、まずは安心して服薬していただきたいと思います。早く治したい気持ちはあっても、勝手に増量したりせず、使用の際は医師の指示に従って服用させることが大切です。
- Q形成外科で治療を受けるメリットはありますか?
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A
▲些細なことでも相談に来てほしいと優しく語る
私たち形成外科は、あざや痕を治す専門家です。以前は諦めるしかなかったあざや、ホクロ、傷痕などを日々治療しています。多くの症例を経験し、その経過も見ています。その経験を生かして治療できるのが何よりのメリットではないかと思います。生まれたての赤ちゃんの肌に真っ赤なあざができれば、親なら誰もが心配になると思いますし、少しでもきれいに治したいと願うはずです。毎日見ているご両親の精神的な負担も大きいでしょう。少しでも早く形成外科にご相談いただき、お悩みを解消するお手伝いをさせていただければと思っています。