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島津元秀 院長の独自取材記事

多摩丘陵病院

(町田市/小田急多摩センター駅)

最終更新日:2019/08/28

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東京・町田市の北部、その名の通り小高い丘の上に立つ「多摩丘陵病院」。1982年に整形外科、理学療法科、内科、眼科の病院として産声を上げた同院は地域のニーズに応える形で変革を重ね、外科、脳神経外科、泌尿器科などを加えた幅広い診療科を有する病院へと進化を遂げた。現在は二次救急指定病院として地域の急性期医療を担うと同時に、リハビリテーションを中心とする回復期・慢性期治療も提供。病状に応じて入院可能な急性期病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養型病棟の4種類の病床を有している。2015年4月に5代目院長に就任した島津元秀先生は「地域に根付いた中小病院として、医療者と患者がface to faceで向き合える、きめ細かな医療サービスを提供していきたい」と話す。同院の歴史や特色、診療方針だけでなく、医師をめざした理由やこれまでの経験など島津先生自身についても語っていただいた。
(取材日2015年12月1日)

地域のニーズに応え、急性期から慢性期までシームレスな医療を提供

まずは、ご施設の成り立ちと特色をお教えください。

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当院は、1982年に発足し、町田市、多摩市を中心に、八王子市、日野市、稲城市の南多摩保健医療圏の中核病院として地域に根差した医療を展開してまいりました。その後1983年に救急指定病院に、1999年には東京都の二次救急医療機関に指定され地域の急性期医療を担うと同時に、1995年に総合リハビリテーション施設の認可を受けるなど、リハビリテーションを中心とした回復期・慢性期医療や訪問診療、人間ドックによる予防医学まで、地域の幅広い医療ニーズに対応しています。また、開院33年の歴史の中で施設の改築・増築を重ね、当初288床だった病床数は316床に、診療科は整形外科、リハビリテーション科のほか、内科、外科、脳神経外科、泌尿器科、婦人科、眼科、歯科などを備えた病院へと変化を遂げてきました。

リハビリテーションに注力されているそうですね?

はい。初代院長が整形外科医の病院としてスタートを切ったという背景もあり、開院当初からリハビリチーム医療を実践してきたことが当院の特徴の1つだと思います。リハビリテーション科は医師4名をはじめ、理学療法士36名、作業療法士31名、言語聴覚士9名のほか、訪問リハビリスタッフ4名を擁して手厚いリハビリテーションを実現、患者さんや地域の皆さまから高い評価をいただいております。また、急性期から回復期、慢性期まで一貫して治療が受けられる「ケア・ミックス型」病院である点も、当院の特徴です。

ケア・ミックス型病院についてご説明いただけますか?

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現在の病院の病床は、急性期治療を行う一般病床、急性期治療の後にリハビリテーションを行う回復期リハビリ病床、病状は安定したものの長期にわたって治療が必要な患者を診療・ケアする医療療養型病床などに分かれています。大学病院などの急性期病院は一般病床以外の病床を備えていないので、急性期治療が終わるとリハビリや療養のできる医療施設に転院することになります。その一方で、院内にさまざまタイプの病床を備えている病院であれば転院の必要はなく、急性期治療もリハビリも慢性期治療も、すべて同じ施設内で行うことが可能です。このような病院をケア・ミックス型病院といいます。当院は以前から一般病棟、回復期リハビリ病棟、医療型療養病棟を設置していましたが、2014年11月から新たに「地域包括ケア病棟」の運用を開始しました。地域包括ケア病棟は、急性期治療を終えた患者さんを受け入れ、診療や看護、リハビリを提供しながら在宅復帰をめざす病棟です。さらに、在宅療養中の患者さんが急に具合が悪くなったときに入院して治療を行い、状態が落ち着いたら再び在宅へ戻すという機能も持っています。病気は急性期を乗り切れば完結するわけではなく、急性期から亜急性期、慢性期へと病態を変化させながら継続していきます。そういう意味では地域包括ケア病棟の開設によって、病気の一局面だけを診るのでなく、全体的・全人的な医療を実践できる環境が整ったと感じています。これからも、二次救急からリハビリテーション、長期の療養や在宅医療まで、シームレスな医療を提供していきたいと考えています。

消化器外科のエキスパートが難易度の高い手術症例にも対応

どのような患者さんが多く来院されますか?

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年代でいうと、やはりご高齢の方が中心ですね。この地域には、「多摩ニュータウン」がありますが、都心のベッドタウンとして開発されてから40年が経ち、住民の方々の高齢化が進んでいます。「何かあったときには近くの病院にかかりたい」というニーズに応えるために、当院には日本老年医学会の老年病専門医・指導医など高齢者診療の経験が豊富な医師が在籍しており、ご高齢の患者さんに対する「やさしい医療」の提供をめざしています。また、看護面では当院は患者さん10人に対してナース1人という「10対1」の看護体制を取っていますが、数で言えば「7対1」という配置が可能であり、手厚い看護を提供できる環境を整えています。さらに、院内には「NST(Nutrition Support Team)」栄養サポートチームがあります。NSTは、医師や歯科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士など多職種のスタッフが主治医と連携しながら、患者さんの食事療法や栄養管理を支援・実施するチームです。院内だけでなく、学会での発表や研究、町田市の医療関係者や一般市民を対象とした講演会の開催など、院外でもかなり積極的に活動しています。

地域医療に貢献しようという意識が、スタッフの方々にも根付いているのですね。

そうですね。その意識は当院の伝統だと思います。それは看護師だけでなく、理学療法士などのリハビリスタッフも同じで、やはり研究会や学会での発表・研究活動にかなり熱心に取り組んでいますから質の高いスタッフがそろっています。実は私は消化器外科の専門医で、当院に着任するまでは大学病院などで急性期疾患ばかりを診療してきたんです。回復期のリハビリや緩和ケアなど慢性療養の患者さんの治療やケアに関しては、正直に言って詳細まで把握できていない部分もあるのですが、当院には信頼できる優秀なスタッフが大勢いますから、安心して任せられます。

院長先生は、日本肝胆膵外科学会の高度技能指導医のほか、日本外科学会や日本消化器外科学会の専門医・指導医、消化器癌外科治療認定医など、さまざまな資格をお持ちだと伺っています。

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はい。当院でも院長職をこなしながら、外科のメンバーとして手術を執刀しています。消化器外科の中でも特に肝胆膵を専門にしていますので、私の着任後は肝臓や膵臓の手術症例が増えました。肝胆膵手術は難易度が高く、学会でも手術の施設基準をかなり厳しく設定しているんですね。特に高度技能指導医の有資格者はあまり多くないので、今後は高度技能指導医がいる施設として、当院でも肝胆膵の高度技能手術例を少しずつ増やしていければと考えています。加えて、腹腔鏡下や内視鏡下で行う低侵襲手術にも、精力的に取り組んでいきたいですね。開腹と比べて患者さんの負担が少ない腹腔鏡・内視鏡手術は、きちんとした管理下で行えばご高齢の方でも合併症なく、早期退院が可能です。もちろん安全面を最優先に、無理のない範囲で実施することになりますが、わざわざ遠くまで行かなくても当院で治療できることを、まずは地域の皆さんに知っていただければと思っています。

患者とスタッフの両方がハッピーになれる病院をめざして

院長先生が医師をめざしたきっかけをお聞かせいただけますか?

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高校時代の担任の先生が、「君は医者に向いている」と勧めてくれたからなんです。両親をはじめ親戚にも医師はいなかったので、先生が何を根拠にそう言ったのかまったくわかりませんでしたけれど(笑)、私も根が素直なものだから医学部を受験しました。本当はサイエンティストになりたいと思っていたのですが、医学を学べば「ヒューマン・サイエンティスト」にはなりうるだろうなと考えたのです。実際に私が医師に向いているかどうかは周囲の人が評価することなのかもしれませんが、自分では少なくとも向いていないとは思っていませんし、医師になって良かったと感じています。

医師としてのやりがいを、どんなところに感じておられますか?

人を助けることはそうできることではありませんし、命を預かるという非常に重い使命を背負っているわけですから、医師は本当にやりがいのある職種だと思っています。先ほど私の専門は肝胆膵領域だとお話しましたが、中でも生体肝移植を多く手がけてきて、日本移植学会総会の会長を務めたこともあります。私は慶應義塾大学および東京医科大学八王子医療センターで計121 例の生体肝移植を実施してきましたが、1995年に慶應義塾大学病院で初めて行われた生体肝移植を執刀したチームのリーダーでした。この時移植を受けた子どもの患者さんはその後元気になって、今は社会人として普通に働いておられます。手術をしなければ生きられなかった患者さんが、生きるか死ぬかの治療を受けて、今も元気で活躍してくれている姿には感慨深いものがありますし、医師冥利に尽きると思いますね。しかし、やりがいが大きい分、休日もありませんでしたね(笑)。これはどの外科医も同じで医師の宿命だと思いますが、家族には随分迷惑をかけてしまったなと思っています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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これまでご評価いただいてきたリハビリテーションなど当院の守備範囲は守りつつ、急性期医療でもさらなる進化を遂げ、地域に愛され、地域の皆さんから信頼していただける病院をめざしていきたいですね。そのためにも、当院のスタッフにはプロ意識とプライドを持ち、「疾患中心」ではなく「患者さん中心」の医療に取り組んでもらいたいと訴えています。当院は開設以来、「生きる力を支え合い、ぬくもりのある医療と看護を提供する」という理念を掲げて診療にあたってきました。この「ぬくもり」という言葉が一番のキーワードだと思います。大規模病院では難しい「きめ細やかなやさしい医療サービス」は、当院のような中小規模の病院が得意とするところです。これからも医療者と患者がface to faceで向き合える、安全で良質な医療・看護サービスを心がけて、患者さんとスタッフの両方がハッピーになれる病院にしていきたいと思っています。

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