武井 真大 院長の独自取材記事
糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック
(伊勢崎市/伊勢崎駅)
最終更新日:2026/05/21
群馬県伊勢崎市に位置する「糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック」。広い駐車場とゆとりある院内空間を備え、糖尿病や甲状腺疾患を中心に専門的な診療を行うクリニックだ。血糖値やHbA1cを当日に確認できる体制や、管理栄養士による生活指導など、日常に寄り添った支援が特徴。武井真大(まさひろ)院長は急性期医療の経験もあることから、慢性疾患の長期管理と急変時の見極めの両面から患者を支える。「無理なく続けることが大切」と語る武井院長に、診療への思いを聞いた。
(取材日2026年4月21日)
長く寄り添う専門医療を地域に
医師をめざしたきっかけと、糖尿病・内分泌内科を専門に選ばれた理由を教えてください。

医師をめざしたきっかけは、はっきりした出来事があったというより、物心ついた頃から何となく医者になろうと思っていたというのが近いですね。家族が医療関係だったわけではないのですが、小さい頃に喘息があって病院にかかる機会が多く、自然と意識するようになったのかもしれません。中学生の頃にはもう医師になろうと考えていました。専門については初期臨床研修でさまざまな診療科を回る中で決めました。糖尿病や内分泌は治療して終わりではなく、患者さんと長く関わっていく必要があります。人間関係を築きながら病気と向き合うところが自分の性格に合っていると感じて選びました。また、妊娠に関わる糖尿病や甲状腺の病気に関われる点も理由の一つです。
糖尿病や内分泌の診療には、どのようなやりがいや難しさがありますか?
糖尿病は外科のように手術をしてすぐに結果がわかる診療科とは異なり、症状がすぐに改善につながって感謝されるということが多い分野ではありません。劇的に何かが変わるというより、長い時間をかけて付き合っていく病気なので、やりがいの感じ方も少し違うと思います。どちらかというと、患者さんの人生を支える“縁の下の力持ち”のような役割の科だと感じています。合併症が出ないようにするために、できるだけ健康な状態を保つことをめざして支えていくことが大切になります。長いお付き合いになるからこそ、経過を見守りながら良い方向に向かうよう関わっていくことに意味があると考えています。
クリニックの特徴について教えてください。

クリニックの名前は、大学時代から長く過ごした長野への思い入れがあり、長野にゆかりのあるものにしたいと考えたことがきっかけです。地元は群馬ですが、長野で医療を学んできた経験も大切にしたいと思いました。診療面では、血糖値やHbA1cといった検査結果を当日に確認できる体制を整えています。糖尿病の専門では一般的な部分もありますが、その日のうちに結果をお伝えできることで診療にすぐ反映できます。心電図やエックス線、甲状腺や腹部のエコー検査にも対応し、基幹病院に近い内容をめざして診療しています。また管理栄養士が在籍しており、食事や生活に関する相談ができる点も特徴です。駐車場は広めに確保し、院内もゆとりある設計としています。
無理なく続ける生活習慣の支援
診療の際に大切にしていることは何ですか?

特に糖尿病や生活習慣病の診療では、患者さんご本人がどう考えて、どういうふうに病気と向き合っていきたいのかという気持ちは大事にしたいと思っていますし、その希望を踏まえた上で診療していくことを心がけています。ただ、最終的にどういう治療が望ましいかという専門的な部分については医師としてしっかり方向性を示す必要があります。例えば、糖尿病の治療でインスリンを使う必要がある際に、「絶対に打ちたくない」とおっしゃる患者さんがいらっしゃったとします。そのような場合、背景には注射が怖いとか、インスリンはやめられなくなるのではないかといった誤解があることも多いので、そうした点はきちんとお話しして理解していただくことが大切です。患者さんの希望と医療的に必要なことがかみ合わないと治療は続かないので、そのバランスを見ながら一緒に考えていくようにしています。
糖尿病や高血圧症、脂質異常症など、生活習慣が関わる病気に対して、どのように支えていらっしゃいますか?
無理をしすぎないことが一番大事だと思っています。運動も最初に頑張りすぎて三日坊主で終わってしまうと意味がないですし、食事制限も厳しすぎると長く続けることが難しくなるので、患者さんが無理なく続けていける範囲で取り組んでいただくことを大切にしています。また、短期間で結果を求めすぎないことも重要。糖尿病や血圧、脂質とは長く付き合っていく必要があるので、今だけ頑張るのではなく日々の生活の中で続けていくことが大事になります。中には受診の前だけ頑張る方もいらっしゃるかもしれませんが、それよりも日常的にできることを続けていくことが大切だとお話しするようにしていますし、患者さんが取り組んでいることを聞き、それを評価していくことがモチベーション維持にもつながると考えています。
管理栄養士さんとの連携や、クリニック全体で患者さんを支える体制について教えてください。

当院には管理栄養士が在籍しており、食事に関するアドバイスや生活面での相談などを行っています。例えば「これを食べていいのか」「どのくらいの量が適切か」といった細かい内容については、管理栄養士のほうが専門的に対応できますので、そういった部分は任せるようにしています。一方で、体重の目標設定や治療の大きな方針といった軸になる部分については医師が決める必要がありますので、その役割分担を意識しています。管理栄養士がいるクリニックは多くはないと思いますが、糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣に関わる病気では、食事の影響が大きいため重要だと感じています。今後は医師だけでなく、看護師や管理栄養士など複数の職種が一人の患者さんに関わる時間を増やしていくことも大切だと考えています。診察だけで終わるのではなく、クリニック全体として患者さんを支えていけるような関わり方をしていきたいと思っています。
急性期医療の経験を生かした安心の診療
急性期医療の経験は、現在の診療にどのように生きていますか?

以前は長野赤十字病院のような急性期医療を担う病院に勤務し、糖尿病や内分泌の診療に加えて救急対応にも関わっていました。重症の患者さんや緊急性の高い方を診る機会も多く、そうした経験は現在の診療にも生きていると感じています。糖尿病でも血糖値が大きく変動したり、感染症をきっかけに状態が悪化することがありますし、甲状腺の病気でもホルモンのバランスが崩れて緊急対応が必要になるケースがあります。現在のクリニックでも緊急性の高い患者さんが来られることはありますので、その場合は前橋赤十字病院や伊勢崎市民病院、群馬大学医学部附属病院などと連携して対応しています。慢性疾患を診る一方で、急変時の見極めができることも大切だと考えています。
診療以外ではどのように過ごされていますか?
プライベートでは、今はバイクに乗るのが楽しみの一つです。車とは違い風を直接感じられるので、気分転換にもなっています。もともと高校や大学でテニスをしており、小さい頃から水泳も続けていたので、体を動かすことは好きですね。患者さんに運動を勧める以上、自分も実践しないと説得力がないと思っていますので、できるだけ続けるようにしています。体重管理や血圧のチェックも意識しており、忙しい日もありますが、なるべく日常の中で運動する時間を持つよう心がけています。
最後に、読者の皆さんに伝えたいことや今後の展望についてお聞かせください。

健診で異常を指摘されても、「自分は大丈夫」と思ってしまう方は少なくありませんが、実際には治療が必要な状態であることも多いです。特に糖尿病は自覚症状が少ないまま進行し、放置すると目や腎臓、心臓の病気につながることもありますので、早い段階で治療を始めることが大切です。症状がないからこそ受診のきっかけがつかみにくいと思いますが、気になることがあれば相談していただければと思いますし、どの診療科にかかれば良いかわからない場合でも内科として助言できます。今後は看護師や管理栄養士など多職種で関わる時間を増やし、クリニック全体で患者さんを支えていける体制を整えていきたいと考えています。

