通院が困難になった場合は
訪問歯科診療の利用を
よしだ歯科小児歯科
(太宰府市/二日市駅)
最終更新日:2024/08/08


- 保険診療
近年、口や歯の健康が体全体の健康にも深く関わることが、広くいわれるようになった。口腔内を清潔に保つには、歯科治療が終わっても定期的なメンテナンスを続けることが大切だ。しかし、年齢とともにさまざまな事情から歯科医院への自力での通院が困難になったり、自身での歯磨きが難しくなったりすることも。そんなときの心強い味方が、訪問歯科診療だ。子どもから高齢者まで全世代に対応できる「町のかかりつけ医」をめざす「よしだ歯科小児歯科」では、患者が通院ができなくなっても治療やメンテナンスを続けていきたいと、訪問歯科診療にも力を入れている。同院の吉田康裕院長に、訪問歯科診療で可能な治療の内容や外来診療との違いなどについて話を聞いた。
(取材日2021年4月7日/情報更新日2024年8月1日)
目次
入れ歯の調整や歯周病治療も可能。在宅で行う口腔ケアで、患者の心身の健康維持と、家族の介護負担の軽減を
- Q訪問歯科診療はどこまでの地域が対象なのでしょうか?
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A
▲寝たきりや病気の患者の口腔内ケアにも注力している吉田院長
歯科医院から16km圏内とされています。当院からですと、太宰府市・筑紫野市・春日市・大野城市・宇美町・那珂川市・筑前町・小郡市・福岡市博多区・南区などが該当します。実際には、皆さんがお住まいのお近くにある歯科医院にお願いするケースが多いかと思いますが、引っ越しや施設に入所するなど拠点が変わっても、なじみのある歯科医師に診てもらいたいというご希望をお持ちの方もいるでしょう。当院でも、入院先の病院に訪問していたのが、退院されてご自宅にといったように、同じ患者さんでも訪問先が変わるというケースがよくあります。16km圏内であればできる限り当院で対応を続け、診療をしていきたいと考えています。
- Q訪問歯科診療には、特別な費用がかかるのでしょうか?
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A
▲自宅でも患者の主訴にしっかり対応できる訪問診療用の器材を持参
定められた保険点数どおりにご請求をさせていただいておりますが、外来に比べると訪問診療のほうが保険点数は少し高くなっています。ですから、患者さんのご負担は外来に比べてやや増えるかと思います。ただ、交通費や出張費など別途いただくことはありません。保険診療の範囲内で治療を受けていただけます。伺う頻度は週に1回が基本ですが、症状が安定してきたら隔週にしたり、歯科医師が同行せず歯科衛生士だけの訪問に切り替えたりしていきます。その分、患者さんの費用負担を減らすことにつながっていきます。
- Q歯科医院で受ける治療と、訪問診療で受ける治療の違いは?
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A
▲患者の楽な態勢で治療を行っている。ベッドの上や車いすでも可能
歯科医院の設備を訪問先でそのまま再現することはできませんし、患者さんがとれる姿勢に制限があることもありますから、外来とまったく同じとは言えません。それでも、患者さんの主訴への対応は十分に可能です。患者さんご自身からの訴えとして多いのは、歯が抜けたり痛かったりしてよく噛めない、ご家族からは、歯を十分に磨けないから心配という訴えが多いですね。なお、訪問においても外来においても当院の考え方は一緒です。しっかりと時間をとってカウンセリングをして、治療方針を決め、ご納得いただいた上で治療を開始することを大切にしています。
- Q入れ歯の調整や歯周病の治療もできるのでしょうか?
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A
▲治療内容を家族にもわかりやすく説明。ケアのアドバイスも行う
もちろん訪問歯科診療でも対応可能です。入れ歯は、長年使っているうちに少しずつ合わなくなってきますから、定期的な調整が必要になります。高齢になると、新しい入れ歯はなかなかなじまないことが多く、修理や調整をしながら使っていくことを優先的に考えますが、新しく作製することも可能です。また、高齢の方の場合、歯周病を完治させるのは難しいですが、適切な口腔ケアを行って継続的に管理していくことで悪化を防いでいくことが大切です。口腔ケアは誤嚥性肺炎を予防するためにも非常に大事ですが、私たちが訪問できるのは多くて週に1度です。ですから、ご家族の方へもケアの仕方についてアドバイスを行っています。
- Qこちらのクリニックでの訪問歯科診療の特徴を教えてください。
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A
▲柔軟な対応と継続ケアで患者の健康に寄り添うことを心がけている
当院は、歯科医師4人体制で診療しておりますので、お伺いする曜日・時間帯などご要望に柔軟にお応えしていますし、何か急を要するときにも対応が可能です。認知症の方へのご訪問もしております。ご本人との意思疎通が難しい場合は、ご家族とのコミュニケーションをしっかりととりながら診療を進めていきます。また、高齢になると何かしらの病気をお持ちの方も多いですから、体調に十分目配りをすることも心がけています。例えば、咳込んでいるのにお口の中の治療を行っても、かえって状況を悪化させる可能性もあります。そんなときは無理をせず、回復を待ってから治療を再開させます。口腔内の状態も大事ですが、体全体の健康が第一です。