鈴木 東 院長の独自取材記事
古町ルフル消化器内科クリニック
(新潟市中央区/新潟駅)
最終更新日:2023/09/04

新潟市の中心部である古町に位置する「古町ルフル消化器内科クリニック」は消化器内科、内科、小児科を標榜するクリニック。院長の鈴木東先生は新潟県出身で、1990年に新潟大学医学部を卒業後、同大学の第三内科(現・消化器内科学分野)へ入局し、大学病院や総合病院などで消化器内科の医師として研鑽を積んできた。2000年にはこれまでの経験を生かし、新潟市秋葉区に内科医院を開業。また「消化器の内視鏡検査をより身近なものにしたい」という思いから、2020年には「古町ルフル消化器内科クリニック」も開業し、2つのクリニックで診療にあたる日々を過ごす。今回は同クリニック開業までに至る経緯や土日診療にかける思い、今後の展望などについて語ってもらった。
(取材日2023年5月10日)
生まれ育った街で開業医として地域に貢献
先生はもともと開業医を志していたと伺いました。

はい。私はもともと父が新潟県で開業医をしていたこともあり、中学生の頃から医師をめざし、「開業医になりたい」と思っていました。できるなら地元で開業したいということも意識していましたので、新潟大学医学部へ進学し、医局に入ってさまざまな患者さんと出会ってきましたね。父は医師という仕事について日頃私には話をしませんでしたが、常に一生懸命で仕事一筋な姿を見て子どもながらに憧れたものです。また、消化器内科という専門を選んだのも、「開業医になるなら役に立つ検査の手技を学びたい」と思ったからです。胃カメラや大腸カメラといった内視鏡検査はクリニックでも広く行われていますし、消化器内科ならではの分野ですよね。もともと興味がありましたし、実際に学んでみてやりがいを感じています。
クリニック開業までの経緯について簡単にお聞かせください。
総合病院や大学病院で10年ほど研鑽を積んだ後、その後勤務した「白根健生病院」に近い新潟県秋葉区にて34歳で内科医院を開業しました。秋葉区のクリニックでは、内視鏡検査を行うというよりは患者さんの悩み事や困り事に対応していく日々でしたが、「せっかく培った内視鏡検査の手技をもっと活用したい」という僕の想いと患者さんからの「土日に検査をしてほしい」というお声もあり、2020年には新潟市の中心部にあるここ古町で「古町ルフル消化器内科クリニック」を開業。現在は私含めた3人の医師で、両クリニックの診療を交代制で行っています。
現在の患者層やクリニックの様子について教えてください。

もともと「土日診療が可能で多くの人が集まるところ」をと考え、こちらで開業しましたが、老若男女幅広い患者さんが来院されていることが特徴です。土日診療も行っていたり、平日も夜の19時まで診療をしておりますので、働き盛りのお忙しい方にも受診いただけることがうれしいですね。もともと私は、お仕事の忙しい方が健康診断などで引っかかってもなかなか時間が取れず、内視鏡検査などの精密検査を受けられない現状を訝しんでおりました。そこで当院では、土曜日・日曜日にも内視鏡検査の予約を実施し、会社を休まなくても検査が受けられるようにしております。また消化器内科以外ですと、今は発熱を主訴にお越しになる患者さんがやはり多いですね。
おなかのことは何でも気軽に相談してほしい
開業にあたって特に力を入れた部分は何でしょうか?

まずは広々としていてリラックスできるような院内の雰囲気づくりですね。特にこだわったのは、待合室にある水槽です。クマノミなどの魚類はもちろん、実はサンゴも生きたものを入れているんですよ。私も毎日見て楽しんでいますが、来院の際にはぜひ一度見ていただきたいですね。そのほか、待ち時間が少なくなるようインターネット予約を行っています。また設備面では概ね一通りの検査が行えるようになっているのですが、特に大切にしたのは精度にこだわった内視鏡カメラを入れることですね。胃カメラには口から挿入するものと鼻から挿入するものがありますが、当院ではまずより痛みの少ない鼻から挿入する細いカメラを使うことが主流です。とても細いカメラですが、できるだけ高画質のものを選んでいます。
内視鏡検査に特に力を入れているのですね。
はい。当院ではできるだけ多くの方に少ない苦痛で内視鏡検査を受けていただけるように努めています。内視鏡検査といえば、ほとんどの方は健康診断で何らかの異常があって受けに来ます。一度内視鏡検査で嫌な思いをしてしまうと「二度と受けたくない」と感じる方も少なくありません。そこで胃カメラも大腸カメラも、患者さんの苦痛をできるだけ取り除けるよう、十分配慮して検査に臨んでいます。前述の通り、胃カメラはより苦痛の少ない経鼻カメラを使うことがほとんどですね。「オエッ」となる咽頭反射を防げるので、口から入れるカメラより楽だと思います。どちらの検査も患者さんが緊張しているとうまくいきにくいので、できるだけリラックスして、体の力を抜いて検査に臨んでもらえるように心がけています。特に大腸カメラは行っている医療機関が少ないこともあり、さまざまなクリニックからご紹介もいただいております。
患者さんを診る上で大切にしていることはありますか?

患者さんの話をよく聞くことは大事にしていますね。患者さんの抱えている悩みは人それぞれなので、話を伺いながら患者さんが何を望んでいるかをよく見極めることが重要だと思います。お話を聞いた上で治療を検討し、最終的には患者さんに元気になって帰っていただくことを目標としています。また、内視鏡検査ではとにかく病気の早期発見が大切だと思っています。胃がんや大腸がんなどは特に「命に関わる病気」としてよく知られていますが、早期に発見して治療すれば、その後も元気に生活することが期待できますから。
これからも幅広い診療をめざして
毎週水曜日には、痛みに特化した治療も行っているそうですね。

はい。毎週水曜日は県内の病院で長年活躍されてこられた丸山正則先生が診療を行っていますが、さまざまな痛みに対する処置を行っています。丸山先生は麻酔科を専門としており、腰痛など体の慢性的な痛みに対して麻酔薬を注射し、痛みを和らげるための治療を行っています。もちろん麻酔が効きやすい痛みとそうでない痛みがありますが、持続的な痛みの症状に悩まされている方は一度丸山先生にご相談されることをお勧めします。
スタッフとのチームワークなどについて心がけていることはありますか?
当院は消化器内科だけでなく内科全般に対応していますので、季節や時期に応じて患者数の変動があることも少なくありません。そのため、どんなときでも対応できるよう人員配置やスタッフ間のコミュニケーションを大切にしています。古町のスタッフは医師が2人、看護師が3人、事務が4人ですね。私はその他に施設への往診なども行っており、祝日以外は毎日診療をしますので、今は大変忙しいですね。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。

当院は「おなかのことなら何でも相談してほしい」と考え、診療にあたっています。「健康診断で内視鏡検査が必要と言われてしまった」「最近おなかの調子が悪い」など、気になることがあれば、お気軽にいらしてください。また近年は10代のお子さんなどを中心にストレスによる腹痛や、それに伴う不登校なども見受けられます。このようなお悩みに対しても薬物療法である程度改善が見込める場合がありますので、まずは一人で悩まずに医療機関を受診していただきたいですね。