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口腔がんの手術後に行う
失った機能の回復をめざす顎顔面補綴治療

やまもとまさ歯科クリニック

(箕面市/箕面船場阪大前駅)

最終更新日:2024/05/30

やまもとまさ歯科クリニック 口腔がんの手術後に行う 失った機能の回復をめざす顎顔面補綴治療 やまもとまさ歯科クリニック 口腔がんの手術後に行う 失った機能の回復をめざす顎顔面補綴治療
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平均寿命が84歳を超え、世界有数の長寿国となった日本。急激な高齢化に伴い、がんに罹患する人が増えている。医学の進歩により、がんはもはや“不治の病”ではなくなりつつあるが、術後の生活については悩みや問題を抱えている人が多く、我慢を強いられるケースもあるという。「やまもとまさ歯科クリニック」の山本雅章(やまもと・まさあき)院長が力を注いでいる「顎顔面補綴治療(がくがんめんほてつちりょう)」は、口腔がんの手術を受けたことで低下したり損なわれたりした口腔機能を回復させ、術後の生活をより豊かにすることをめざしている。具体的な治療はどのように進められるのか。どの程度の費用が必要となるのかなど、超高齢社会を生きる私たちが気になる事柄について、山本院長に話を聞いた。

(取材日2020年12月11日)

患者と悩みや問題を共有して、口腔がんの手術後の生活をより豊かにすることをめざす

Q顎顔面補綴治療とはどのような治療ですか?
A
やまもとまさ歯科クリニック 顎顔面補綴治療について長く治療してきた経験を持つ院長

▲顎顔面補綴治療について長く治療してきた経験を持つ院長

口腔がん、先天性の異常、外傷などが原因で、歯や顎の骨に欠損が及んだ患者さんに対して、機能の回復、あるいは外見を修復するために行う補綴治療のことです。かつては戦争や交通事故などで負傷された方、生まれながらにして唇が割れている唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)の方を主に対象とする治療でしたが、近年はシートベルトなど車の安全装置の普及で歯や顎の大きな負傷が減ったほか、唇顎口蓋裂の治療法が確立され、口腔がんの患者さんが中心となっています。がん全体の中で口腔がんが占める割合はそれほど高くありませんが、平均寿命が延びたことでがんの罹患率そのものが上昇しているので、口腔がんの患者さんも増加傾向にあります。

Q口腔がんの手術は、口腔機能の低下につながるのですか?
A
やまもとまさ歯科クリニック エレベーターもあり院内もバリアフリー設計のクリニック

▲エレベーターもあり院内もバリアフリー設計のクリニック

例えば舌がんでは、再発を防ぐために大きく切除することがあり、それにより話すなどの機能に大きな障害が生じます。また、上顎のがんの場合は、顎の骨を切除することで口腔と鼻の間に穴が空いて、うまく話せなくなります。穴は皮膚を移植してふさぐことが図れ、話す機能は一定の回復が望めますが、骨に支えられた皮膚ではないので、入れ歯を入れることができません。話せるけれど、食べられないという状態ですね。術後の機能回復、QOLを考えると「食べる」を無視することはできません。こうした場合、私たちは穴をふさいで形状を回復を図るのではなく、穴をうまく使って入れ歯を入れることで、食べる機能の回復をめざします。

Q治療の流れについて教えてください。
A
やまもとまさ歯科クリニック 画像なども使いながらわかりやすく説明を行う

▲画像なども使いながらわかりやすく説明を行う

まず検査を行って、歯・歯茎のほか骨、皮膚などで構成された顎義歯(がくぎし)を使うのか、インプラントを使うのか、治療方針を決定します。方針が決まれば、あとは一般的な入れ歯の治療と同じです。この流れの中で最も大切なのはやはり検査です。具体的な検査だけでなく、会話や食事の機能、人目が気になって外出できないなど、どんなことに困っておられるのか具体的にお聞きした上で、どこまでの機能回復を望んでおられるのか時間をかけて話し合います。治療には健康保険が適用されるので、費用は一般的な入れ歯治療の数倍程度です。インプラントの場合は、当院から指定病院を紹介し、連携を取ることで保険で治療が受けられます。

Qどの程度の回復が望めるのですか?
A
やまもとまさ歯科クリニック 感染対策にも力を入れている

▲感染対策にも力を入れている

手術前に100だった機能を100に戻すのは難しいのが現状です。これまでのデータから、どの程度の回復が望めるのか予測できるので、事前に患者さんに説明し、納得していただく必要があります。がんの患者さんは手術後の生活に不安を抱えておられるので、完全には回復しないことを納得していただくためにこまやかな配慮が必要です。特に大学病院時代は、手術前から患者さんと関わるケースが多く、患者さんの精神状態が良くない状態の中で対応が求められました。当院の場合は、病院からの紹介で術後に対応していくことになります。通院できるレベルまで回復された方がメインになるので、術後の生活についてしっかりお話を伺って治療を進めます。

Q親身な対応が必要とされますね。
A
やまもとまさ歯科クリニック 大学病院での治療が必要な場合は適切な病院の紹介を行う

▲大学病院での治療が必要な場合は適切な病院の紹介を行う

この治療の目的は口腔機能の回復ですが、私の恩師の言葉を借りれば「社会復帰」をめざす治療といえます。口腔がんの手術で、顔や口元に悩みを抱えてしまった方は、人目をはばかって家にこもりがちなので、患者さんと状況を共有して、寄り添う姿勢が求められますね。また、QOLの向上をめざすために、言語聴覚士、管理栄養士との連携も必要ですし、当院の場合、歯科技工士にも患者さんの状態を見てもらい、相談しながら義歯作りを進めます。一見、この治療は難しそうですが、ちゃんと学べばできるようになるので、多くの歯科医師にも興味を持ってもらい、この治療を行える歯科医師が増えていけばいいなと思っています。

ドクターからのメッセージ

山本 雅章院長

口腔がんは、生活に大きな支障を及ぼすがんです。加齢によって徐々に機能が低下するのではなく、ある時を境に急激に機能が低下したり、損なわれたりします。そんな状況の患者さんをしっかりサポートするのが私たちの務めです。かつて、がん治療の目的は術後も長生きすることでした。しかし、医療が進化した今は、ただ長生きするだけでなく、術後の人生をいかに楽しく豊かにするかも併せて考える時代になってきています。私の願いは、歯科の学生さんをはじめ、多くの若い歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士の皆さんに、この治療のことを知ってもらうこと。実際の治療を見れば、きっとこの治療の意義や大切さに気づいていただけると思います。

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