星岡 賢英 院長の独自取材記事
中原小杉元住吉 ほしおか内科・消化器・内視鏡クリニック
(川崎市中原区/元住吉駅)
最終更新日:2025/12/15
東急東横線元住吉駅から徒歩約13分の住宅街に「中原小杉元住吉 ほしおか内科・消化器・内視鏡クリニック」がある。星岡賢英(よしひで)院長は、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医というさまざまな資格を持つ。「開業はゴールではなくスタート」と語る院長は、単に内視鏡検査だけではなく、専門性を生かして、消化器・肝臓から全身を診る臓器横断的な診療を展開。ピロリ菌のPCR検査や動脈硬化評価を活用し、10年後を見据えた予防医療にも注力している。生まれ育った川崎市で、地域のがんを減らしたいという強い思いを胸に日々診療にあたる星岡院長に、独自の診療方針や地域医療への思いを聞いた。
(取材日2025年11月27日)
消化器・肝臓から全身を診る臓器横断的な総合診療
先生が医師を志したきっかけを教えてください。

中学2年生の時、身内が大腸の疾患で亡くなったのが医師をめざした大きなきっかけです。私は川崎の医療系家系に生まれ、父も祖父も歯科医師として地域医療に貢献していました。長男として歯科医師を継ぐのかなと漠然と思っていました、身内の死に直面して自分の無力さを痛感し、がんをはじめとする病に苦しむ人を減らしたいと医師を志しました。外科医も考えましたが、開業医として一次・二次予防の段階でがんを防ぐことに関われる消化器内科を選びました。生まれ育った川崎で地域医療に貢献したいという思いもあり、開業医として地域の健康を支えることが最初からの目標でした。開業はゴールではなくスタートだと考えています。
開業に向けてどのようなキャリアを積まれてきたのでしょうか。
開業医に必要な知識や技術を逆算してキャリアを積んできました。総合内科を学ぶのが開業医としてベストな道だと考え、川崎市立川崎病院の総合内科で研鑽を積みました。同病院は総合診療科をはじめとした、各科の医師同士が垣根を越えて集まりカンファレンスを実施しており、研修医の指導体制も整っているため、研修医の受け入れ定員人数に対する希望者が全国トップクラスに多いのです。同病院で研修を積めたことは大変価値のある経験だったと感じています。武蔵野赤十字病院では総合内科と肝臓内科で経験を深め、海老名総合病院でも総合内科として幅広く診療してきました。その結果、総合内科専門医、消化器病専門医、肝臓専門医、消化器内視鏡専門医の資格を取得できたんです。これらを兼ね備えている医師は少ないのではないかと思います。各分野に精通していることで、見落としも少なく質の高い診療が提供できると思っています。
診療の特徴を教えてください。

当院は内視鏡だけではなく、「消化器・肝臓から全身を診る」総合内科クリニックです。肝臓を専門的に診る施設は多くはありません。患者層は30~55歳の働き盛り世代が中心で、脂肪肝や生活習慣病、ピロリ菌の相談、定期的な内視鏡検査を求めて来院されます。検査は、行って終わりというものではなく、全身を総合的に診ていくためのきっかけに過ぎないと考えています。消化器や肝臓は、全身を診るための入り口であり、そこから症状や病気を総合的に捉えていくことが重要です。広い専門性を生かし、患者さんに安心していただけるクリニックをめざしています。
精度を追求した検査と10年後を見据えた予防医療
ピロリ菌の検査に特に力を入れていらっしゃるそうですね。

日本人の胃がんの99%はピロリ菌が原因とされるほど発がん性が高いです。ピロリ菌は井戸水だけでなく唾液を介しても家族内感染するので、適切な検査と治療は地域の胃がんを減らすために不可欠です。今年導入したピロリ菌のPCR検査は、胃液の中に2、3匹菌がいれば検出できる精度です。従来の検査では抗生物質や胃薬を服用していると一定期間空けなければいけませんでしたが、この検査なら制限なく精密に実施できます。私はピロリ菌についてのブログも書いていて、患者さんから「すごくわかりやすかった」という声もいただいています。専門用語を使わずに伝えることを心がけています。
脂肪肝の診療でも独自のアプローチをされているとか。
脂肪肝は肝臓だけの問題ではなく、心臓や脳の病気のリスクを高めます。肝臓病で亡くなる人より、脂肪肝が血管系に影響し心血管疾患で亡くなる人のほうが多いといわれていますが、一般的にはあまり知られていません。当院では、頸動脈エコーやABI検査で動脈硬化や血管年齢を評価し、睡眠時無呼吸症候群の検査も含めて総合的に診療しています。尿酸値も心血管系に悪影響を与えることがわかっており、数字だけ見るのではなく全身の動脈硬化と合わせて評価することが大切です。こうした臓器横断的な視点で診ることが予防につながると考えています。さらに、2025年12月から脂肪肝の方全員にiATTを用いた脂肪肝の数値化が保険適用で認められ、当院でも検査が可能です。このように総合病院や大学病院並みの機能を備えていることも特徴の一つです。
診療で大切にされていることは何ですか。

検査はゴールではなく、全身を見ていくきっかけにすぎないという視点を大切にしています。特に肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、今は症状がなくても、10年15年先を見据えた対策が重要です。専門用語を使わず、長期的な健康管理の重要性をわかりやすく伝えるのが私の役割だと考えています。また検査では、どこが一番つらいかを事前にご説明し、胃内視鏡検査なら喉を通る時、大腸内視鏡検査なら左下腹部のS状結腸を通過する時が一番つらいので「今一番つらいところを過ぎたので、あとは楽になりますよ」と声をかけ、不安を和らげます。登山と同じで、ゴールが見えているのと見えないのとでは大違いだと思います。さらに、胃がんはピロリ菌、大腸がんはポリープ、肝がんは肝炎や脂肪肝などが主なリスク要因とされ、早期発見が健康寿命を守る鍵です。特にピロリ菌は唾液を介した家族内感染が指摘されており、ご本人だけでなくご家族の検査も意識しています。
地域に根差し、常に進化を続けるクリニック
5周年を迎えて新たな取り組みをされているそうですね。

5周年を機に、患者さんがより利用しやすいクリニックへ進化しています。クレジットカード決済を導入し、1万円以上の支払いで利用可能にしました。内視鏡検査は3ヵ月先まで予約可能になり、ビジネスパーソンで土日しか来られないという方も、都合のいい時に下剤だけ取りに来てもらうなど柔軟に対応しています。また、より精度の高いピロリ菌検査機器や頸動脈エコー、ABI検査など全身を診る機械も充実させました。マンパワーも徐々に増やしていて、血管年齢測定に10分かかるような検査も、患者さんがストレスなく受けられるよう効率的なシステム作りを進めています。道具はそろってきたので、あとはいかに効率良く回すかですね。
今も積極的に学びを続けているとお聞きしました。
開業後も積極的に学術的な場に参加して知識をアップデートし、それを診療に還元しています。月2回は日曜診療も行いますが、有意義な学びの場がある時はお休みをいただいて参加しています。この姿勢は父から大きな影響を受けていて、父は歯科医師として開業しながら矯正システムを開発し、全国で講演活動をしています。自身で勉強会を立ち上げて本まで作った父の姿を見て、開業医でも研究を進めて形にしていくことの大切さを学びました。私も2020年にはピロリ菌のクリニックレベルでできる検査方法の研究発表をしました。地域の健康を支えながら、新しい情報を取り入れるクリニックをめざしています。ただ、日曜診療や勉強会参加で家を空けることも多く、子育てや家庭を支えてくれる妻には感謝してもしきれません。家族の支えがあるからこそ今の取り組みができています。
読者へのメッセージをお願いします。

当院の強みは、総合内科専門医、消化器病専門医、肝臓専門医、消化器内視鏡専門医の資格を持つ医師が毎日診療していることです。消化器・肝臓から全身を診る幅広い専門性で、検査だけで終わらない継続的な診療を提供します。専門外の疾患も、川崎を中心にこの辺りの医療機関で培った経験から、どこが強いかを把握していますので、適切な医療機関につなぎます。地域のがんを減らし、将来の病気を予防することで、私が生まれ育った川崎に貢献したいと考えています。広い専門性を持った医師が診てくれて安心と思っていただけるよう、これからも地域の皆さまの健康を支えていきますので、お気軽に受診してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃内視鏡検査/1万円~、大腸内視鏡検査/2万円~

