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頭痛、我慢していませんか?
片頭痛を予防するための画期的治療

あいち脳神経クリニック

(長久手市/長久手古戦場駅)

最終更新日:2023/03/28

あいち脳神経クリニック 頭痛、我慢していませんか? 片頭痛を予防するための画期的治療 あいち脳神経クリニック 頭痛、我慢していませんか? 片頭痛を予防するための画期的治療
  • 保険診療

日頃から頭痛のせいで仕事や家事が思うようにできなかったりプライベートな行事を諦めたりする人は多いのではないだろうか。「寝れば治る」「薬を飲んで我慢しよう」ということが当たり前になっているとしたら、我慢しないでクリニックを受診してほしい。日常動作や運動で悪化する痛みや吐き気が特徴的な片頭痛に関しては、新たな治療薬として、頭痛を起こさないよう予防するための薬が登場した。「あいち脳神経クリニック」の丹羽愛知院長は、「片頭痛は『我慢』ではなく『起こったら治そう』。さらに『起こさないようにしよう』という時代になってきています」と話す。新しい片頭痛の予防薬は、片頭痛の根本原因に迫り得る作用メカニズムを持っているため、片頭痛の発症を減らす効果が望める。「片頭痛は我慢せずぜひ受診を」と丹羽院長は呼びかける。

(取材日2022年12月23日)

片頭痛予防が期待できる薬の登場。片頭痛は我慢するものではなく「起こさないようにする」ものへ

Q頭痛の方が良くなれば周囲も明るくなりますよね。
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あいち脳神経クリニック 片頭痛は「起こさないようにする」時代になったと語る丹羽院長

▲片頭痛は「起こさないようにする」時代になったと語る丹羽院長

頭痛は多くの人が経験したことのある、ありふれた症状ですが、実はしっかり診療されていない症状の代表です。片頭痛というものは目に見えないため、仕事を休んでも「本当に体調が悪いのか?」と思われたり、家族からさえも「そんなに頭が痛いの?」と理解されにくかったりする現状を、頭痛のない方にももっと知ってもらう必要があります。最近の社会的問題として、出勤しているものの片頭痛により生産性が低下している状態があり、これはプレゼンティズムと呼ばれ、社会活動において改善すべきテーマとして、片頭痛治療が劇的に進歩した今、注目されています。片頭痛とは個人の問題でありながら、家庭の問題でもあり、社会的問題でもあるのです。

Q片頭痛とはどのようなもの? 市販薬では駄目なのでしょうか?
A
あいち脳神経クリニック 駅や商業施設の近くにあり、通いやすいクリニック

▲駅や商業施設の近くにあり、通いやすいクリニック

日常生活や仕事に支障を来すほどの頭痛という時点で片頭痛の可能性があります。一方で、頭痛発作が落ち着くとまた普通に生活できてしまうため、患者さんは困ってはいるものの放置していることが片頭痛では多いです。ひどい頭痛以外の症状として、吐き気や嘔吐、光や音やにおいを不快に感じることがあります。「片」頭痛と書くものの、両側に生じることも多いです。片頭痛の発作は一般的な鎮痛薬が効かないことが多く、トリプタン系製剤という片頭痛のための鎮痛薬が発作時には有用です。ですので片頭痛とわかると、高い鎮痛効果が望めるトリプタン製剤を病院で処方してもらい頭痛発作に上手に対応することがめざせるようになります。  

Q片頭痛を予防するための薬もあるそうですね。
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あいち脳神経クリニック 腕や腹、臀部など脂肪の多い所に注射する

▲腕や腹、臀部など脂肪の多い所に注射する

片頭痛の薬は、前述の発作時の薬と、そもそも頭痛を起こさないようにする予防の薬の2種類に分けられます。この予防薬に関して画期的な医学進歩がありました。2021年から使用できるようになったCGRP関連抗体薬という注射薬は、片頭痛の根本原因に迫る作用メカニズムを持っています。片頭痛の原因は三叉神経から放出されるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が受容体に結合することで血管の炎症や拡張が起こり頭痛につながるとされます。この注射薬はそのCGRPや受容体自体のブロックを図ることで痛みのシグナルを止めることをめざし、結果、頭痛抑制が望めるという明確なメカニズムを持っています。

Q治療対象となる人や治療期間、副作用について教えてください。
A
あいち脳神経クリニック 看護師が丁寧なカウンセリングを行い適切な治療を行う

▲看護師が丁寧なカウンセリングを行い適切な治療を行う

医師により片頭痛と診断され、従来の内服予防薬で効果がない、または副作用で薬が継続できない方の治療法となります。インフルエンザ予防接種のように皮下注射となり、腕やおなか、お尻など脂肪の多いところに注射し、約1ヵ月に1回の頻度で続けます。頭痛の頻度が少なくなったという場合や逆に効果が感じられない場合などはいつでも中止できます。副作用に関しては、従来の内服予防薬と比較して大きな副作用は少なく、かゆみや発赤など注射部位反応の報告が主です。保険適応の治療ですが、当院のような日本脳神経外科学会脳神経外科専門医をはじめとした、頭痛に関係する科の専門医師のみがCGRP関連抗体薬を使用できることになっています。

Qこちらではすでに多くの方が注射をされているそうですね。
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あいち脳神経クリニック 理解されにくい頭痛で悩んでいる人にぜひ来てほしいという

▲理解されにくい頭痛で悩んでいる人にぜひ来てほしいという

はい。当院には頭痛で初めて病院受診される方から、長年にわたり頭痛治療をされてきた方まで多くの方が来院されます。診断から始まり、支障度に合わせ適切な治療法を選択しますが、CGRP関連抗体薬の有用性には大きな期待を持っています。インターネットやSNSでも話題になり、クチコミで受診される方も多いです。医学の進歩を実感しています。この治療法を皆さんに知ってもらい、患者さんが日常生活や社会活動での役割を全うできるよう支えていきたいです。

ドクターからのメッセージ

丹羽 愛知院長

新しい片頭痛予防薬により、片頭痛は「我慢する」ものでなく、「起こさないようにする」時代になリました。MRI検査などをしても「異常ありません」と医師から言われ、安心しつつも、またいつもの頭痛が起きて、我慢しながら日常生活を送っている方が少なくないのではないでしょうか。頭痛があることが当たり前になっていて、家庭や仕事で自分の役割を果たせないことがある方、またプライベートな時間を楽しめず諦めている方が多くいることをわれわれは知っています。たかが頭痛で病院を受診して良いのだろうかと思う必要はありません。頭痛が起きて当たり前の生活を一緒に変えていきましょう。

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