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五十嵐 羊羽 院長の独自取材記事

いがらし眼科クリニック

(札幌市厚別区/ひばりが丘駅)

最終更新日:2021/10/12

五十嵐羊羽院長 いがらし眼科クリニック main

ひばりが丘ドクタータウン2階に位置する「いがらし眼科クリニック」。駐車場が広く、車でも通院しやすい。五十嵐羊羽(いがらし・しょう)院長は旭川医科大学を卒業した後、東京歯科大学市川総合病院で前眼部疾患診療の基礎、角膜移植の技術を学び、その後大学病院、総合病院で専門治療に携わるなど、長きにわたり道内の角膜医療に貢献してきた。患者や医療関係者から厚い信頼を集める五十嵐院長に、角膜医療にかける思いを聞いた。

(取材日2020年10月20日)

幅広い疾患に対応し、北海道内の角膜医療に貢献

開業にあたり、この場所を選んだのはなぜですか?

五十嵐羊羽院長 いがらし眼科クリニック1

私は長年、前眼部疾患を中心に専門的な診療に携わってきましたので、当院の患者さんは、私が勤務していた病院で角膜移植手術を受けた方や、角膜の疾患で受診されていた方が半数を占めています。遠方から来られる方も多く、交通の便が良い場所に開業したいと考えていました。ここは都心からは少し離れているものの、駅から近く、駐車場もあって車でも来院しやすいことから決めました。これまで培ってきた専門知識や経験をもとに、コンタクトレンズの処方、高齢者に多い白内障や緑内障など、地域の皆さまの幅広い疾患、ニーズにも対応してまいります。

先生が医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

子どもの頃、道内でも田舎のほうで暮らしていたのですが、ある時祖母が緑内障と診断され、医師から「失明するかもしれない」と言われてひどくショックを受けていたことがありました。医療の仕組みがあまり充実していなかった田舎で、その診断が本当に正しかったのか今となっては確かめようがありませんが、その時、しっかりとした医療を誰かがやらなければいけないと思ったんです。それが医師をめざしたきっかけになったのかもしれません。また、祖母の病気がきっかけで眼科医師という仕事に興味を抱き、見えない人を見えるようにするというのは素晴らしいことだろうなと思うようになりました。

それでは、初めから眼科に進もうと決めていたのですか。

五十嵐羊羽院長 いがらし眼科クリニック2

医学部に入った時には、眼科医師になろうとは考えていませんでした。もちろん頭の片隅にはありましたが、実際に医学部で学ぶのは内科や外科などのメジャー科目が中心です。だから誰もがそちらに興味を抱くものなんですよ。でも眼科含めマイナー系の科には、診断から治療、手術まで1つの科で完結できるという点で魅力を感じていましたね。改めて眼科がいいなと思ったのは、授業で顕微鏡手術のビデオを見て、白内障手術などに興味を覚えたことがきっかけです。顕微鏡を使ったミクロな手術により、見えるように治療を進めていけるのはすごいなと。また実際に臨床実習で眼科に行った際、手術を終えた患者さんが喜ぶ顔を見たことで、さらに眼科の良さを再認識しましたね。卒業後、大学病院時代には、日本の角膜移植の中心ともいえるような東京歯科大学市川総合病院への国内留学の機会を得ました。それ以来、道内の角膜医療に貢献しようと努め、現在に至っています。

理想の角膜医療を提供するべくクリニックを開業

長い医師人生の中で、印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

五十嵐羊羽院長 いがらし眼科クリニック3

初めての顕微鏡手術はよく覚えています。手術の説明をして、承諾書にサインをいただいて、緊張感を持って手術に臨みました。術後、患者さんから感謝の言葉をいただいた初めての経験でした。慣れない手術で時間もかかりましたが、喜んでいただけたことでほっとしましたね。以降は、うまくいったことよりも、手術後に思ったほどの回復が見られなかった方のほうが記憶に残っています。特に難しい症例に携わっていると、期待どおりの結果が得られないことが一定の割合であります。そのときに、どうするべきだったのか考えたり反省したりすることが、自分の向上心をかき立てる最大の原動力なんです。医師から難しい手術だと説明を受けたとしても、患者さんとしては苦労して手術を受けるわけで、良くなって当たり前と思われるのは当然です。だからこそ、思いどおりの結果が得られなかった事例は忘れられません。

多くの経験を生かし、ご自身の理想とする診療をめざして開業されたのですね。

角膜移植など、前眼部疾患を中心とした専門的治療に携わってきましたので、自分の軸足は開業後も変わりません。通常は大学病院や専門医療機関で入院して行う角膜移植を、日帰りで提供したいと考えています。それがクリニック開業の目的の一つであり、これまでの経験から十分可能であると確信しています。角膜の病気というのは患者さんの数はそれほど多くありませんが、治療できる医師も少ないといわれているんです。大学病院や総合病院から離れ、自分の理想とする治療を実現し、困っている患者さんのお役に立ちたいとの思いから開業を決意しました。治療のためにそろえたい先進の機器類もあり、専門性の高い治療も提供できる環境をつくりたかったんです。円錐角膜という病気に関しても、コンタクトレンズの処方や角膜移植なども取り入れ、症状に応じて適切に対応しますので、安心してご相談いただければと思います。

角膜移植にもさまざまな手術があるそうですね。

五十嵐羊羽院長 いがらし眼科クリニック4

簡単に言うと、角膜は上皮層と内皮層の間に実質というコラーゲンでできた層があります。一口に角膜の病気といっても、上皮の病気もあれば、実質の病気、内皮の病気もあります。以前はどんな病気でもすべての層を交換する全層角膜移植が行われていましたが、全層移植は一定の割合で内皮に拒絶反応が起こるリスクがありました。近年は技術の進歩により、悪くなった層だけ取り替えるパーツ移植が可能に。実質の病気の場合、自分の内皮が残せるため拒絶反応もほとんど起こりません。また、内皮の病気の場合には内皮のみの移植で済みます。当院ではこうした手術を日帰りで提供します。患者さんの都合に合わせて角膜移植できる体制を整えており、しかも日帰りでできるため、患者さんにとってメリットが大きいと考えています。

前眼部疾患の専門家としてニーズに合った診療を提供

診療にあたり、どのようなことを心がけていますか?

五十嵐羊羽院長 いがらし眼科クリニック5

どのような症状であっても、その症状の原因になる病気などが必ずあるはずです。それを正確に捉え、理屈に合った治療をしようと心がけています。当たり前のことですが、その人の症状、例えば視力が下がってきたならその原因をなるべく客観的に評価できる検査をして、適切な治療をするよう努めています。なぜこの薬を使うのか、あるいはなぜ様子を見る必要があるのかなど、しっかり説明できるような、理屈に合った治療をしなければいけないと考えています。

今後どのようなクリニックをめざしますか。

角膜移植はさまざまな種類があり、それぞれ難しさや注意すべき点があります。それを一つ一つ確実に、スタッフとともに実践する方法論を確立していくことが重要だと考えています。幸い、当院には意欲の高いスタッフが集まっています。スタッフルームの本棚には私の医学書を置いており、また文献検索システムも導入しています。専門的な分野を扱うクリニックなので、知識を身につけてもらうため勉強しやすい環境を整えています。スタッフ同士でもよくディスカッションしていますよ。特に道内には角膜移植を手がける医師は少ないので、ありがたいことに私に頼みたいという方が少なくありません。先進の機器も導入しましたので、客観的な評価をしっかり行い、より精度の高い治療を提供できるよう力を尽くしたいですね。入院が必要な患者さんがいらっしゃれば、大学病院や総合病院と連携して適切に対応していきます。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

五十嵐羊羽院長 いがらし眼科クリニック6

長年の経験を生かし、ドライアイや白内障といった身近な病気から重度の病気まで、眼科全般の診療を提供したいと考えています。前眼部疾患の専門的な治療については豊富な知識・経験がありますので、安心してご相談ください。また一般のコンタクトレンズをご希望の方にも、角膜の専門家としてその人の目の状態に合った、あるいはリスクに配慮しご要望に合わせてアドバイスします。安価に購入できる店舗もありますが、信頼できる医師に安心できるものを処方してほしいというニーズもあると思います。ドライアイであるとか、アレルギーがあってコンタクトレンズを入れるとトラブルが起きやすいといった方にも、安全性に配慮し目への負担が少ない、ベターな選択をアドバイスできると考えています。

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