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吉岡 幹朗 院長の独自取材記事

ひばりが丘こどもクリニック

(札幌市厚別区/ひばりが丘駅)

最終更新日:2021/10/12

吉岡幹朗院長 ひばりが丘こどもクリニック main

「ひばりが丘こどもクリニック」は、札幌ひばりが丘タウンプラザ内、クリニックモールの2階に9月に開業したばかり。商業施設と共用の広い駐車場があり、地下鉄東西線・ひばりが丘駅から徒歩約6分、バスの便も多くアクセスが良い。院内はとても広々としており、感染症の患者と、予防接種などを受けに来た患者の動線を分離。診療予約システムも導入して感染症対策と待ち時間の短縮に努めている。吉岡幹朗院長は北海道大学卒業後、道内複数の総合病院で診療してきたベテランドクター。10年以上勤務したKKR札幌医療センターでは小児アレルギー疾患にも対応してきた。めざすのは「地域に根差した、患者さんと親御さんの目線に立った医療」という吉岡院長に、詳しく話を聞いた。

(取材日2020年10月14日)

院内感染の徹底防止と、待ち時間短縮を考慮

9月に開業されたばかりですが、設計や設備などで工夫されたことは?

吉岡幹朗院長 ひばりが丘こどもクリニック1

新型コロナウイルス感染症が流行する前、クリニックモールの設計が行われていた段階から、万全な院内感染対策を施したクリニックになるよう考え、設計士にお願いしていました。具体的には、感染症のお子さんと予防接種などその他の目的のお子さんの動線を分離。入り口、待合室や診察室を分け、互いが出会うことなくお帰りいただけるようにしています。空調もそれぞれの部屋で別ルートにし、クリニック内を同じ空気が循環しないよう24時間換気しています。以前から、患者さんたちは待たされることと風邪などの病気をうつされることを避けたいと思っていると考え、それをなるべく減らすようにしています。待ち時間をできるだけ少なくするために、新型の電子カルテとインターネットによる予約システムを導入し、診療時間も午前と午後の部の間の2時から3時30分までを完全予約制の予防接種と乳児健診に充てています。

広々とした院内で、部屋数もたくさんありますね。

発熱や咳などの症状があるお子さんは受付から左側の一般診療用の待合室、予防接種や健診で来院された方は右側の予防待合室にご案内します。さらに隔離が必要な感染症の場合は、隔離感染症専用出入り口のインターホンを押して入っていただき、受付は通らないようになっています。診察室も、それぞれの患者さんに対応するよう3室あります。隔離感染症診察室では会計もそこで済ませて専用出入り口からの退出になります。プレイコーナー、授乳室、おむつ交換台、トイレも、通常の診療用と予防待合室用それぞれご用意しました。またエックス線撮影室は、圧迫感を減らし、少しでもリラックスできるよう、かわいい動物の絵をたくさん貼りました。小さなお子さんが安心して点滴できるように、処置室には保護者も横になれるように工夫しています。

この地で開業した理由について教えてください。

吉岡幹朗院長 ひばりが丘こどもクリニック2

商業施設の中にあるクリニックモール内で共用の広い駐車場もあり、しかも交通の便が良く、電車やバスでも来院しやすいところが魅力でした。あと自宅も近いので、よく知っている地域を盛り上げていけたらという思いもありました。私はこれまで室蘭や千歳、札幌などの大規模病院に勤めてきました。総合病院でしかできない診療もありますが、逆にできないこともある。総合病院は重篤な患者さんも多いですし、どちらかというと病院のシステムに患者さんが合わせることになってしまう部分があります。その点、個人のクリニックなら、もう少し患者さんとご家族に寄り添った診療、患者さん目線の診療ができるのではないかと思ったんです。病気だけを診るのではなく、患者さんや患者さんを取り巻く地域にも目を向けながら診療できたら、そんな思いで開業に踏み切りました。50歳を過ぎてからの開業ですが、できるだけ長く続けていきたいですね。

小児感染症を研究、アレルギー疾患の診療経験も豊富

勤務医時代にはアレルギーの患者さんも数多く診ていたそうですね?

吉岡幹朗院長 ひばりが丘こどもクリニック3

開業前に10年以上勤務したKKR札幌医療センターの小児・アレルギーリウマチセンターでは、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など幅広い疾患を診てきました。アレルギー疾患は増えているので、経験を生かしていきたいですね。当院にはアレルギー疾患の看護について専門的に学んだ看護師もおり、アレルギー症状が出た場合の対応の仕方や日常生活での注意点などを詳しくアドバイスしています。

アメリカで研究をされた経験もお持ちですね。

母校の北海道大学では小児科一般感染症を専門とし、感染症グループで研究に従事していましたが、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスをもう少し深く研究したいと思っていたところ、縁あってテネシー州とペンシルベニア州で研究を続ける機会を得ることができました。2004年から2008年までの4年間は臨床を離れましたが、医師ではなく一般人として過ごし、周囲の人と同じ目線で率直にいろんな話ができたことは、とても良い経験になりました。医師は世間にどう思われているか、どんな言動・行動は避けたほうが良いかなどは、日本でも同じ。医師の仕事に戻ってからは、上から目線にならないよう、常に意識しています。

現在の患者層の特徴と、目立つ主訴について教えてください。

吉岡幹朗院長 ひばりが丘こどもクリニック4

コロナ禍で手洗い励行と言われていることもあり、風邪の患者さんはまだ少ないですね。今、多いのはアレルギーの患者さんで、アトピー性皮膚炎などです。小さいうちから悩まされている患者さんも多いですが、最近は治療法に対する研究も進んでいます。アレルギー患者の増加は、環境の変化、食べ物、昔より清潔な生活になったことなどさまざまな要因があると考えられています。重篤な症状や、食物アレルギーの負荷試験などが必要な場合は、より専門的な病院を紹介しています。また、精神的に疲れてしまったなど、心の問題で来院する患者さんもいらっしゃいます。

地域に根差した、患者目線の医療を大切に

先生が、診療時に大切にしていることは何ですか?

吉岡幹朗院長 ひばりが丘こどもクリニック5

患者目線の医療、患者さんの思いをくみ取ることですね。小さなお子さんは言葉で表現するのは難しいですが、顔をしかめたり笑ったりなど、表情から察することができる場合が多いです。大人のように我慢しないので、むしろわかりやすいかもしれません。医師が診察室で長い時間様子を見ることは難しいので、ずっと一緒にいる親御さんの気づきを大切にし、お話を否定するような言い方にならないよう気をつけています。新米医師だった頃、重篤な患者さんに接することも少なくなかったのですが、ベテラン看護師の患者さん・親御さんへの接し方に、すごいなと感心したことが何度もありました。助けられない患者さんもいるわけで、医療は言われているほど進歩していない、医師ができることは一部でしかないとも感じました。子どもさんたちに元気でいてほしい。謙虚であることを忘れず、人を診る、寄り添う診療をしたいという思いは、その時からずっと持ち続けています。

先生が医師をめざしたきっかけ、小児科を選んだ理由について教えてください。

親が小児科医師だったという環境が大きく影響しているでしょうね。高校2年生までは医師とは違う選択肢も思い描いていたのですが、そもそも他の世界を知らなかったし、見ていないということもあって、最終的には医師の道に進むことを決めました。専門は子どもが好きなので、医師になるなら小児科と決めていました。

休日の過ごし方や、健康のために行っていることなどあれば教えてください。

吉岡幹朗院長 ひばりが丘こどもクリニック6

以前はジムに時々行っていましたが、今はまだ開業間もないので何かと忙しく、休診日もクリニックにいることもありますね。犬の散歩だけは毎日行くようにしていますが、クリニックの診療が軌道に乗ってきたら、もう少し運動をしたいと思っています。あと、温泉やドライブも好きなので、いずれはゆっくり行きたいですし、新しい趣味も見つけたいと考えているところです。仕事以外の世界でリラックスすることも必要かなと思っています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

地域の方々や、この札幌ひばりが丘タウンプラザに来られる方に当院のことを知ってもらい、気軽に来ていただけたらうれしいですね。私はこれまで小児の感染症を専門としてきましたが、ワクチン接種はとても大切です。副作用を心配して敬遠する親御さんもいると聞きますが、ワクチンによって感染リスクを抑えられる病気はたくさんあります。接種の不安や疑問があれば丁寧にお答えしますし、当院では予防接種の時間帯を設け、予防接種専用の部屋もあるので、安心して受けていただけるかと思います。

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