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寺田 央巳 院長の独自取材記事

寺田クリニック

(豊橋市/下地駅)

最終更新日:2020/09/30

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豊橋市の市街地から離れた住宅街にある「寺田クリニック」。院長の寺田央巳先生は、泌尿器科のスペシャリストとして、また内科や外科、皮膚科など幅広い診療分野で地域のかかりつけ医として親しまれている。豊橋の地を開業場所として選んだ理由について「知人の勧めがあり、未知のエリアで実力を試したかったから」と話す寺田先生。浜松医科大学の非常勤講師を務めた経験を持つなど、後継者の育成にも積極的に取り組む。青年時代にはバンドを組むなど多才ぶりを発揮。医師になった後にはドクターズバンドを結成し、院内イベントで演奏を披露するなど、患者を楽しませるエンターテイナーとしての顔も持つ寺田先生に、診療方針や患者への思い、今後の展望まで語ってもらった。
(取材日2020年9月11日)

オンラインHDFなど充実の設備で人工透析に対応

医師をめざしたきっかけ、開業の経緯についてお聞かせください。

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医師である祖父、父の背中を見て育ったので、医師という仕事は非常に身近な職業でした。若い頃は音楽に没頭し、医師になるということを意識していませんでしたが、年齢を経るとともに、自然な流れで医師の道を志すようになりました。その後、愛知医科大学を卒業後、浜松医科大学医学部附属病院の泌尿器科で腎臓移植などを経験し、丸山病院、聖隷三方原病院、社会保険浜松病院などで泌尿器科を担当。1998年、寺田クリニックをはじめ、浜松にも2つのクリニックを開業しました。当初、開業した際の医療法人「暢生堂」という名は祖父から続く屋号だったのですが、現在は離れ、医療法人財団師友堂として、当クリニックでの診療に集中しています。また、現在でも浜松医科大学医学部附属病院で、男性不妊症の外来を週に2枠受け持つなど、総合病院でも診療に従事しています。

院内の空間や設備について教えてください。

患者さんの顔が見渡せるような、広くて解放感のある待合室にしました。泌尿器の検査用のトイレは2つあり、尿の時間や勢いなどの尿流量測定ができるようになっています。ほかにも、尿残量を腹部に当てるだけで測定できる機械なども導入しています。院内設備としては、2階に透析用のベッドが30床あり、車いすでもそのままエレベーターで上がれるよう、バリアフリー設計にしています。従来のHDと呼ばれる血液透析や、オンラインHDFという血液ろ過透析を自動で行えるシステムも導入し、スタッフの負担を軽減すると同時に、治療の質の向上、効率化を図っています。マッサージ機も用意していて、腰の痛みなどがある方が透析を受けながら利用することもできます。

透析の際には、食事もご準備されているそうですね。

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はい。透析食はご希望の方に提供しており、管理栄養士の指導のもと、ごはんのグラム数なども個人の状態に合わせて管理しています。食事を楽しんでほしいとの考えから、メニューにもこだわっているんです。普段はなかなか健康的な食事をとるのが難しい方もいますから、透析に来た際の食事くらい健康的でおいしいものを食べてほしい。多少クリニックで負担する分があっても、食事は大切にしたいですね。飲み物も温かいものがいい方、常温がいい方など好みにも合わせています。

ほかに患者さんと接する際に大切にされていることはどんなことですか?

親身になるということです。特に泌尿器の疾患などは、女性の患者さんが自ら診療を申し出ることをためらうケースも少なくありません。内科の診療に来院された時などに、「尿の調子はどうですか?」とこちらから質問を投げかけるなど、早期発見のきっかけづくりを常に意識しています。また、フレンドリーで話しやすい雰囲気づくりにも配慮し、患者さんの声に耳を傾けるよう心がけています。人工透析の患者さんは、長いお付き合いになることも多いので、経験豊富な信頼のおけるスタッフたちと協力しながら、メンタル面でのサポートにも気を配っています。病気や治療方針についてこまやかに説明し、しっかりと対話するというのが私のスタイルです。

専門性を生かしながら、町のかかりつけ医として診療

得意とする治療領域についてお聞かせください。

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これまで、腎・腎盂・尿管腫瘍・腎臓移植や前立腺、尿失禁に関する手術を多く手がけてきました。開業した現在も、日帰りでできる手術に関しては当院で実施します。入院を要する手術については、豊橋市や豊川市の市民病院などと連携し、紹介によって対応しています。もちろん得意な治療は泌尿器科や腎臓内科ですが、実際には、「町のかかりつけ医」として、内科も皮膚科も診療します。近くに小・中学校もありますのでお子さんの患者さんもいらっしゃいます。困ったことは何でも気軽に相談していただき、私が対応できるものは治療し、専門的な治療が必要なものは、適切な医療機関へ送るのも私の仕事だと考えています。

近年増加している、もしくは注視すべき疾患はありますか?

最近は糖尿病を患っている若い方が多いです。当院へ通院している糖尿病患者さんの中にも、30代、40代の方が大勢いらっしゃいます。飽食の時代により、ジャンクフードなどを幼少期から継続的に食べるなどの食習慣や、現代ならではの酸化ストレスに起因する糖尿病なども増えているといわれています。また、受け入れ先が少ないこともありますが、男性不妊症や性感染症の相談も多く寄せられます。女性の方に多い尿失禁については、尿の異変が生じても自分から進んで診療に訪れることへ抵抗感がある方も多いため、内科など、他の疾患で診療に訪れた際に「気になることはないですか?」と投げかけるなど、会話の中から悩み事を引き出すようにしています。

先生が医師としてやりがいを感じるのはどのような時ですか?

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排尿がスムーズになった、尿漏れが減ったなどのおしっこの問題のほか、不妊で悩まれて相談を受けていた方から、無事にお子さんが生まれたという報告を聞く時は、非常にうれしいですね。実際にお子さんを連れてきてくださる方もいらっしゃるので、喜びを分かち合える瞬間は、医師冥利に尽きます。

今後は、不妊症の分野など後継者育成にも取り組みたい

浜松医科大学で非常勤講師を務めた経験もお持ちですが、後進の育成への思いをお聞かせください。

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医療は日進月歩ですし、学生に向けて講義を行っていた経験は、自分自身にとっても非常に大きな学びになりました。学生には常々、得意分野を持ち、その道のスペシャリストになりなさいということを伝えていました。教え子の中には開業した医師も大勢いるなど、活躍している様子を知ることは励みになります。今後は、勉学に励んでいる息子が医師になるという夢をかなえ、後を継いでくれることを願っています。そしていつか、私自身はレコードを聴いたり、若い頃に没頭していたバンド活動を再開したり、好きなことをやる時間をもう少し増やしたいですね(笑)。

今後力を入れていきたいことはありますか?

一つは、男性不妊症など受け入れ先が不足している分野について、しっかり後継者を育成していくことです。そのために、日本アンドロロジー学会の評議員や性の健康医学財団の理事など、普及活動や医学の発展に向けてさまざまな活動を行っています。今後も、例えば再生医療など、これまで携わってこなかった分野から新しい視点を取り入れ、医学にアプローチしていきたいと考えています。もう一つは、尿路結石に対する経尿道的尿路結石除去術(TUL)に力を入れていきたいです。麻酔をかけた状態で尿道から尿管鏡を挿入し、モニターで観察しながら結石をレーザーで砕石するまたは摘出する治療法です。従来の手術方法に比べ、麻酔で痛みを伴いにくく、エックス線に映りにくい成分の結石や骨盤に囲まれた部分の結石に対しても、より安全で正確に手術が行えると考えています。

最後に、地域の方へメッセージをお願いします。

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食と病気は表裏一体です。糖尿病を患っている方に「あまり、おまんじゅうは食べないでね」と言っても、やっぱり食べてしまう。食生活に対する制約は、なかなか守られないというのが通例です。しかしぜひ、普段から、食に関する意識を高く持っていただければと思います。また現代ならではの懸念として、酸化ストレスの悪化が挙げられます。酸化ストレスが進むと免疫力が落ち、感染症のリスクも高まるとされています。予防の観点からも、常に食生活の改善、生活習慣病を防ぐことを念頭に置き、健康的な生活を送っていただきたいですね。

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