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松本 昌和 院長の独自取材記事

みらいメディカルクリニック豊橋

(豊橋市/豊橋駅)

最終更新日:2024/01/12

松本昌和院長 みらいメディカルクリニック豊橋 main

豊橋市内を流れる豊川の北側に立つ「みらいメディカルクリニック豊橋」。長年にわたり地域住民に頼りにされてきた寺田クリニックが、2023年8月に新院長を迎えてリニューアルした。みらいメディカルグループの代表でもある松本昌和院長は、「これまでの泌尿器科や透析医療も引き続き行います。内科全般を診る地域のかかりつけ医として利用してほしいですね」と抱負を語る。地域クリニックの存続だけでなく、医師である父の医療精神も引き継いでいきたいという思いで、医療グループを運営しているという。社会全体の医療を考え、地域の健康を守るかかりつけ医をなくさないよう力を尽くす松本院長に、新しいクリニックの診療について話を聞いた。

(取材日2023年8月2日)

地域の健康を守る普遍的なクリニックをつくる

院長に就任したばかりだそうですね。新体制でどんな点が変わるのですか?

松本昌和院長 みらいメディカルクリニック豊橋1

1998年に開業した寺田クリニックは、泌尿器科と透析医療を中心とした医療で、長年、地域の方々から頼りにされていました。3年前に、私が代表を務めるみらいメディカルグループの医療機関となり、今年8月に前院長の引退を受けて私が院長に就任しました。当面は、腎臓内科が専門である私が透析医療を引き継ぎ、泌尿器科は専門の医師が担当することになっています。これまで行っていた日帰り手術や大きな外傷は扱わず、内科を中心とした医療に移行します。かかりつけ医としての医療は引き継ぎますので、小さなけがや皮膚病、風邪などの日常的な病気をはじめ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病から泌尿器と腎臓疾患の専門医療まで幅広く診ていくつもりです。

みらいメディカルグループはどんな理念をもった医療グループなのですか?

私がさまざまなエリアや医療機関で診療していた勤務医時代、医師が都市に偏在していることや、認知症の増加などの医療問題を目の当たりにしました。このような問題を少しでも減らすためには、クリニックレベルから解決していくべきだと考え、「みらいメディカルグループ」を立ち上げました。超高齢社会で地域医療への重要性が増していますが、医師一人にその負担がのしかかっては、地域医療が崩壊してしまいます。しかし、医師が医療に専念できるような環境を整え、事務的なことが効率化できるようなノウハウをグループ内で共有すれば、医師を支えられます。一人で請け負った医師が体を壊すことのないよう、仕事を分担できる人材の確保も大事ですね。地域にかかりつけがなくなってしまわないよう、グループ全体でかかりつけ医をやろうというイメージです。そして、未来永劫続けられる持続可能な仕組みをつくっていくのが理想です。

地域社会にかかりつけ医を持続させることに尽力されているのですね。

松本昌和院長 みらいメディカルクリニック豊橋2

実は私の父も医師で、お盆や正月休みもろくに取らず、休日も自転車を走らせて往診に出かけるような診療をしていました。高齢になって体を壊し、急遽、私が実家の医院を継ぐことになったのですが、最初の半年はクリニックを閉鎖したので患者さんにも心配をかけてしまいました。「地域医療がこんなことでいいのか」と、実家の失敗から考えさせられましたね。父の背中を見て、「自分も父の後を継いで医師になりたい」とは考えていましたが、やはり突然その時が来ると混乱します。ましてや後継者がいないクリニックであれば、その地域で医師がいなくなってしまうのです。実家の医院も松本という名ではなく誰が継いでもいい院名にし、未来を見据え、リニューアルしました。町のクリニックは、地域の健康を守る普遍的なものでありたいと考えています。

腎臓内科専門の知識と経験を生かしたきめ細かな透析

どんな患者さんが来院されていますか?

松本昌和院長 みらいメディカルクリニック豊橋3

全体的に見れば、生活習慣病などの70代以上の高齢者が多いですが、泌尿器科では40代や50代もみられます。疾患でいうと、排尿障害や男性の更年期障害です。昔からこの地域に住んでいて3世代で同居しているご家族も多いので、小さいお孫さんも一緒に連れて来られる高齢の方もいらっしゃいますね。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種のための来院をきっかけに、「近所にこんなクリニックがあるならこれから利用したい」と言って来られるようになった方も増えました。

先生のご経歴についても教えてください。

大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院で腎疾患と透析医療を専門に診療にあたり、大学院では透析導入の一番の原因となる糖尿病合併症や糖尿病性腎症の研究をしました。大学院修了後は静岡県の中核病院に出向し、専門領域だけでなく総合的な内科の医師として経験を積み、その後、都内の透析専門クリニックで院長を8年務めました。総合内科でさまざまな合併症を抱える高齢者をたくさん診療してきた経験は、全身を診るかかりつけ医としての診療に役立っていると思います。

こちらでは、腎臓内科専門の医師による透析医療が受けられるようになるのですね。

松本昌和院長 みらいメディカルクリニック豊橋4

透析というのは、すべての患者さんが同じ条件で透析をしているわけではなく、その人の体の大きさや食べる量などから、方法や時間などの設定をしています。きめ細かな薬のチョイスや透析設定をすることによって、より負担の少ない透析にすることが図れますが、逆にきちんと透析されていないと、除去される量が足りていなくて体がかゆくなったり、血圧が急に下がったりするなど弊害が起きます。体の中に水が残ってしまうと、心臓や肺に水がたまって心不全などを起こしてしまいますから、こまやかに経過を診ていくことも大切です。透析中の会話から生活環境を把握し、検査データを合わせてよりその人に合った透析へと調整できるようにしています。専門の知識や経験値を生かし、一人ひとりに合ったテーラーメイドな設定で元気になるための透析をめざします。

「在宅医療になっても大丈夫だよ」と伝えたい

院長は変わりましたが、スタッフは変わっていないのですか?

松本昌和院長 みらいメディカルクリニック豊橋5

スタッフと既存患者さんとの関係性は信頼で結ばれているので、スタッフには引き続き頑張ってもらっています。後から来た医師よりもはるかに信頼されているスタッフの存在は大きいものです。話しやすいスタッフがいることが患者さんにとっては継続して通いやすいということはよくわかっていますから、名前は変わってもそこは変えたくない部分ですね。地域の方々には、「今までのクリニックがずっと続けていられるように名前が変わってバージョンアップした」という感じで捉えていただけたらと思います。 

今後、注力していきたいことはありますか?

透析ができない方や外来に来ることができなくなってしまった患者さんが、心配なく在宅医療へ移行できるように考えていきたいですね。父の診療を見て育ったので、患者さんが通院できなくなったら医師が出向くのが当たり前という感覚があります。患者さんにとっても、外来でこれまで診てもらっていたのに、通院できなくなったからといって他の医療機関に移ることを勧められたら、見捨てられたような気持ちになってしまいますよね。医師と患者さんの関係が良好であれば、「これからは訪問で診療するから大丈夫だよ」と主治医に言ってもらうことが、患者さんにとっても一番安心できることだと思います。外来から在宅、看取りまでの流れを視野に入れています。そして、透析をきちんと管理できるクリニックとして、患者さんからも喜ばれるようにしていきたいですね。

地域の方々へのメッセージをお願いします。

松本昌和院長 みらいメディカルクリニック豊橋6

寺田クリニックはどちらかというと泌尿器科のクリニックとして地域に定着していたと思いますが、今後は内科全般を診るクリニックとして利用していただけたらと思います。「こんなことも聞いていいのかな」と遠慮がちな患者さんも多いのですが、専門にこだわらないスタンスですから、気兼ねなく相談してほしいですね。当院が窓口になり、必要に応じて専門の医療機関を紹介するので安心してください。また、近隣に中小企業も多いので、会社の健康診断で要検査だった場合なども放置せず、二次健診としてぜひ早めに相談に来てください。

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