川崎 慶子 院長、川崎 智泰 副院長の独自取材記事
高井戸かわさき歯科クリニック
(杉並区/高井戸駅)
最終更新日:2021/11/25

「高井戸かわさき歯科クリニック」は川崎慶子院長と川崎智泰副院長が、夫婦で開業したクリニック。高井戸駅を出てすぐの環八通り沿いに位置し、朝8時から診療が始まることもあって出勤前の会社員や地域の高齢者、若い世代や子どもなど、幅広い年齢層の患者が訪れる。優しい色調の院内は、ついたてでプライバシーを確保しながらも開放的にデザインされていて、リラックスできる雰囲気だ。一般的な虫歯や歯周病の治療から、セラミック治療、インプラント治療など専門的な治療にも対応。治療する部分だけを診るのではなく、口の中全体を包括的に診ることで、治療後の状態を長く維持できるように努めている。予防歯科にも注力する2人に、診療のことやクリニックのコンセプト、歯科医師をめざした理由など幅広く話を聞いた。
(取材日2021年9月14日)
患者が自主的に予防に向かえるように初診の検査に注力
とても駅から近く通いやすい場所ですね。

【智泰副院長】僕の実家がこの辺りで土地勘があり、なじみ深いエリアで、地域に根差した治療を行えるかかりつけ医として長くやっていきたいと考え、ここに開業しました。
【慶子院長】駅に近く、朝8時から診療していることもあって、出勤前の会社員の方も多くいらっしゃいます。地域に長く暮らすご年配の方や、小さい子どもや赤ちゃんも来ますし、会社などもあるので、そこで働く方など老若男女問わず来てくださっています。定期検診に来る方も目立ちますので、歯科の意識が高い方が多いようです。
クリニックのコンセプトを教えてください。
【慶子院長】予防に力を入れて、20年、30年とお口の中を健康的に保てるように、長く付き合えるクリニックでありたいと思っています。そのためにはまず痛みが出ている部分だけではなく、お口の中全体のことを知ってもらう必要があると考え、当院では初診時に全体的な検査の時間を設けています。
【智泰副院長】予防は僕ら歯科医師や歯科衛生士だけでは成り立ちません。患者さんがクリニックと関わるのは生活のほんの一部。それ以外の日々の暮らしの中で、患者さんと一緒に予防に取り組んでいく必要があります。検査やお話などによって自分の口の中を知ってもらい、予防を続けるモチベーションを保つお手伝いをしていきたいと考えています。
初診時にじっくり話す時間を設けているのですね。

【智泰副院長】長くお口の中を健康な状態で維持するためには、治療主体だとなかなか難しいため、最初に患者さんとよくお話をしています。噛み合わせや食いしばり、食生活など、患者さんが気づいていないお口の中を不調にさせている原因も、会話から引き出して一緒に解決していきたいですね。初診時はレントゲン写真、口腔内カメラで写真を撮って、今の状態をわかりやすく画像で伝えています。位相差顕微鏡といって、歯垢の中で動く細菌の様子を確認できる顕微鏡もあります。そういった検査の結果を目で見てわかる形で伝えて、できるならば患者さんにも僕らと同じ知識を持ってもらいたいと思っているんです。それによって、患者さん自身が自分の歯を管理しやすくなり、維持のしやすさにもつながります。
包括的な治療を提案。経験豊富な歯科医師2人のニ診制
お2人のご経歴を教えてください。

【慶子院長】研修医を終了し、練馬にあるクリニックに勤務しました。そこでは主訴の治療だけではなく包括的に診ることを重要視していて、「木を見て森を見ずにならないように、先を見通して治療しなさい」とよく言われました。そうすることで治療後も長くお口の健康な状態が保てると考えられます。次の職場では歯周病治療と予防歯科に注力するクリニックで勤務し、今のクリニックのベースになる予防の知識や歯周病治療の技術を学びました。
【智泰副院長】僕は山梨大学医学部附属病院では歯科口腔外科と口腔インプラント治療センターに勤務し、手術などの外科治療や顎関節症やインプラント治療、また、医科の先生と連携を取りながらさまざまな有病者の方の治療にも携わらせていただきました。その後勤めたクリニックでは、一般治療やインプラントやセラミック治療についても、多くの臨床を経験し、勉強させてもらうことができました。
診療の際、心がけていることは?
【慶子院長】患者さんの気持ちを考えながら、こちらの一方的な押しつけにならないようにというのは気をつけているところです。治療の際は当たり前ではありますが、丁寧に行っています。例えば詰め物などはずっとお口の中に入れて普段生活するわけですから、誠心誠意、精密に作ったものを提供したいと思っています。お子さんも多く来てくれますが、一人の人として誠実に接すると治療についてきてくれますので、優しく対応しながらも子ども扱いはしていません。親に促されるのではなく、自分で治したいと思って来てもらえるように信頼関係を築ける対応を心がけています。
歯科医師をめざされたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?

【慶子院長】周囲に医療関係者がいたことがきっかけでしょうか。親が医師で、親族が歯科医師をしています。そういう環境の中で、小さい頃から細かいものを作るのが好きで手先が器用だったこともあって、手先を使って何か人の役に立つ仕事をしたいと、自然に歯科医師をめざしていました。
【智泰副院長】父親が歯科医師をしていて、親族にも歯科医師が多い家系でした。同じ道に進むことに迷いもあったのですが、歯科医師をしている親戚のクリニックで少し勉強させてもらっていた時に、高齢の患者さんで入れ歯を作ってすぐに来なくなった方がいたんです。しばらくして家族の方がいらっしゃって、がんで亡くなったと聞きました。ですが、「作った入れ歯を使って、最期にごはんを食べてとても喜んでいた」とおっしゃっていたのを聞き、人の役に立てる仕事なんだと強く実感しました。そこで、歯科医師の道に進む決意が固まり、今に至ります。
今後の人生で口の中を不安に思うことがないように
院内の設備も充実させているそうですね。

【智泰副院長】院内にはインプラントのオペに対応する個室もあります。3D口腔内カメラで撮影して型採りし、コンピューター上で設計し、院内でかぶせ物や詰め物を作製するCAD/CAMという機械も備えて、セラミックやインプラント治療等に活用しています。また、視野が6倍の大きさに見える拡大鏡を普段の診療から使用することで、より精密な治療を行うようにしています。他には優れた殺菌作用や鈍麻作用が期待できるNd:YAGレーザー(ネオジウム・ヤグレーザー)という特殊なレーザーを導入しており、麻酔なしでも歯を削ったり歯肉を切除したりできます。歯質を強化する作用が期待できるレーザーも使用しています。治療機器だけではなく、院内感染対策として、口をゆすぐ水から治療時に使用する水まで、高純度の塩と水を電気分解して生成した除菌水を使用するなど、衛生管理も徹底しています。
矯正歯科にも対応しているとお聞きしました。
【智泰副院長】専門の先生に月に2回来ていただいています。通常のワイヤー矯正や、歯の裏側で行うリンガル矯正、マウスピース型装置を用いた矯正、部分矯正、お子さんの顎の成長を利用した床矯正など、さまざまな方法に対応しています。矯正歯科でも患者さんのニーズに応えられる体制になっているのではないでしょうか。
最後に今後の展望、読者へのメッセージをお聞かせください。

【慶子院長】今後は、もっと予防歯科のシステムを充実させていきたいと考えています。特に高齢になっても自分の歯で過ごすためには子どもの頃からのケアや習慣づけがとても大事です。ですので、お子さんの小さい頃から親御さんとも手を取り合って一緒に予防歯科に取り組んでいけるようにしていきたいですね。自分のお口の中のことをよく知ってもらい、今後の人生でお口の中に対して不安に思うことがなくなるようにお手伝いしていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック治療/5万5000円~、インプラント治療/36万3000円~、ワイヤー矯正/77万円~、リンガル矯正/110万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/110万円~、部分的な矯正/16万5000円~、床矯正/33万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。