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星野 洋 院長の独自取材記事

星野こどもクリニック

(新宿区/下落合駅)

最終更新日:2024/02/19

星野洋院長 星野こどもクリニック main

西武新宿線・下落合駅から徒歩10分、緑の多い閑静な住宅街にある「星野こどもクリニック」。日本大学病院や銚子市立総合病院(現・銚子市立病院)などでキャリアを積んだ星野洋先生が、父の後を継ぎ院長に就任したのは2000年。以来、地域のかかりつけ医院として、風邪症状や気管支喘息、便秘、感染症など子どもの病気全般を診療。予防接種や乳幼児健診にも対応し、子どもたちの健康を守ってきた。明るく開放的な待合室の一角にある広いキッズスペースは子どもたちに人気。遊びに夢中で帰りたがらない子どもには、スタッフが「またね」と優しく声をかける。同院での診療のほか、新宿区医師会の副会長として学校保健の充実にも尽力する星野院長に、普段の診療の様子や地域の活動について話を聞いた。

(取材日2023年11月30日)

未来ある子どもの健康を守る小児科の医師として

落合で開業した経緯を教えてください。

星野洋院長 星野こどもクリニック1

ここは私の実家で、もともとは父が小児科・内科医院を営んでいました。落合は新宿区という都心でありながら緑豊かでのんびりした静かな環境で、50年以上住み続けている大好きな町なんです。当院の患者さんもほとんどが地元の方で父の代から長く通ってくださる方も多く、幼い頃に父の医院に通われていた方がお子さんを連れて来られることもあります。今後も地域のお子さんの健康を見守るかかりつけ医として貢献していきたいですね。そのためにも楽しく通ってもらえる場所でありたいと考え、キッズスペースはもちろんのこと、診察室にも子どもたちが大好きな動物のフィギュアを飾っています。私自身が若い頃にキリンに似ていると言われていたこともあって、キリンのフィギュアも置いています。クリニックのロゴマークもキリンなんですよ。

医師になったきっかけをお聞かせください。

父が開業医でしたので医師という仕事を身近に感じながら育ちました。ただ私は機械いじりが大好きでしたので、大学は工学部に進んで将来は機械関係の仕事に就きたいと考えていたのです。一方で、地域の皆さんの健康な生活を支えるかかりつけ医としての父を誇りに感じていましたので、最終的には医学部への進学を決めました。小児科を選んだのは、やはり小児科の医師だった父の影響が大きいと思います。また、医学生時代の臨床実習の際に指導してくださった小児科の先生のお人柄や診療にあたる姿勢からも大きな影響を受けました。医学を学ぶ中で小児科の医師の果たす重要な役割を認識するにつれ、「未来ある子どもたちの健康を守りたい」という思いが強くなったのです。

患者さんに特に多い症状はどのようなものですか。

星野洋院長 星野こどもクリニック2

当院に来られるのは乳児から中学生ぐらいまでのお子さんですが、小学生になるとあまり病気にもかからなくなりますので、多いのは乳幼児の患者さんです。この年代で注意が必要なのは感染症ですね。感染症の症状は普通の風邪の初期症状と見分けがつきにくく、風邪だと思って来院された患者さんが、実はウイルス感染による肺炎を起こしていた、というケースも少なくありません。そのため、風邪なのか、それとも重症のウイルス感染なのかを判断して適切な治療を行うよう心がけています。また、感染症を予防するための予防接種も非常に重要です。特に乳児は感染症にかかってしまうと重症化しやすく、最悪の場合は命を落とす危険もあります。ワクチンは生後2ヵ月から接種できます。赤ちゃんに注射はかわいそうなどと先延ばしにしている間に感染してしまうかもしれません。生後2ヵ月を過ぎたらできるだけ早く接種を開始してほしいですね。

医師会副会長としても地域医療に貢献

診療では、どのようなことを心がけていますか。

星野洋院長 星野こどもクリニック3

まずは、普段から身近でお子さんを見ているご家族のお話をよくお聞きします。また、小児の場合、風邪だと思っていたら実は気管支炎を起こしていたということもあり、早めの治療が大切です。お子さんは体調が悪いと食欲がなくなったり機嫌が悪くなったり、何かしら普段とは様子が変わります。ご家族には、「いつもと少しでも様子が違うと感じたら、すぐに来てください」と必ず伝えています。特に、乳児や喘息などの基礎疾患があるお子さんは注意していただきたいですね。診療では、今後の病状の推移がわかるよう、先を見据えた説明を心がけています。「今はこういう状態ですが、こういう症状が出てくることも考えられるので、そのときは早めに受診してください」などとお話ししておくと、ご家族も安心だと思います。

院内の診療だけでなく、新宿区の医師会や教育委員会でも活動されているそうですね。

はい。新宿区医師会の副会長と新宿区教育委員会の委員を務めており、健診や予防接種の啓発、小児科の休日診療など、小児医療の充実・改善に取り組んでいます。学校保健分野に関しては、就学前健診を含む学校健診や予防接種の啓発、学校の先生方との連携による感染症の予防と実際に起こったときの対応、登校許可基準の作成などを行っています。ほかにも、肥満対策として子どもの内臓脂肪貯蓄症の状況を把握するため、学校健診でのへそまわり測定を導入しました。さらに、学校健診とは別に、新宿区では小学4年生から中学3年生の希望者を対象に年1回、生活習慣病検診を実施しています。

小児でも生活習慣病対策が必要なのですか?

星野洋院長 星野こどもクリニック4

はい。近年、子どもの肥満が大きな問題になっており、実際にこの検診で糖尿病や脂質異常症などが見つかることもあります。学童期・青年前期の肥満は成人肥満につながるリスクが高く、生活習慣の改善により将来の生活習慣病の発症予防につなげることが大切です。また、体型にかかわらず、LDLコレステロール値が高い場合は家族性高コレステロール血症という遺伝性の病気の可能性もあります。両親、祖父母など家族に心筋梗塞・脳卒中の既往のある方がいる場合には、ぜひこの検診を利用していただきたいと思います。また、新宿区の公立中学校では、健康教育の一環としてがん予防プログラムが授業に組み込まれています。子どものうちからがんについて正しい知識を身につけ、ご家庭で親御さんと話してもらうことで大人の意識向上にもつなげていきたいですね。

子どもが病気になったら、まずは小児科の受診を

お忙しい中、院外の活動にも尽力されているのはなぜですか?

星野洋院長 星野こどもクリニック5

新宿区は大きな病院が多いこともあって開業の小児科の医師が少なく、医師会や教育委員会で活動する小児科の医師も少ないのが実情です。地域の小児医療を改善していくには、小児の健康・発達のプロである小児科の医師の存在が不可欠だと思います。私が医師会や教育委員会に在籍していることで他の先生方も参加しやすくなり、さまざまな場面で活躍していただけるようになるのではないかと期待しています。新宿区に住む子どもたちの健やかな成長のためにまだまだ改善できるところがたくさんあります。皆さんと協力しながら、区内の小児医療のさらなる充実をめざしていきたいですね。

ところで、休日はどのように過ごされているのですか?

趣味は鉄道の撮影、いわゆる「撮り鉄」ですね。山に登って俯瞰で撮影するのが好きで、秩父などに2~3ヵ月に1回程度は出かけていたのですが、最近は山中でクマが目撃されるようになったのでちょっとお休みしています。その代わり、山道など自然の中をドライブしてリフレッシュしています。大学時代は自動車部で、ラリーやダートトライアルに参加していたんですよ。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

星野洋院長 星野こどもクリニック6

お子さんの体調不良の際、近くに小児科がない場合は内科を受診するご家庭もあるかと思いますが、子どもは大人を小さくしただけの存在ではありません。免疫力も弱く、大人とはまったく違う体なのです。小児科の医師はその違いを熟知していますので、できる限り小児科を受診されることを強くお勧めします。また、最近気になっているのが、インターネットやスマートフォンなどの電子メディア接触です。近年、学校でのタブレット学習が導入されたことで、子どもの電子メディア接触時間がますます増え、視力障害や睡眠不足、脳の発達への影響が心配されています。ご家庭ではなるべく外遊びや読み聞かせ、ボードゲームなど家族で楽しめる遊びを取り入れて、電子メディアとの接触時間を減らすよう気をつけていただきたいと思います。お子さんの健康・発達に心配なことがあれば、気軽に相談にいらしてください。

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