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佐藤 雄 院長、佐藤 杏月 副院長の独自取材記事

八丁堀さとうクリニック

(中央区/八丁堀駅)

最終更新日:2020/07/31

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東京メトロ八丁堀駅から徒歩5分、医療ビルの2フロアで整形外科、産科、女性診療科の診療を手がける「八丁堀さとうクリニック」を訪ねた。院長の佐藤雄先生はクリニックからほど近い聖路加国際病院の整形外科で脊椎の手術を数多く手がけた経験豊富なドクター。妻で副院長の佐藤杏月先生も、日本医科大学武蔵小杉病院や都内の産婦人科クリニックで、ハイリスク妊婦の緊急帝王切開など過酷な出産の現場や悪性腫瘍の患者に対するメンタルケアを含めた診療などに幅広く携わってきた。整形外科と産婦人科それぞれの第一線でキャリアを積み重ねてきた2人に、開業に至った経緯や、患者への思い、めざすクリニック像などについて、じっくり話を聞いた。
(取材日2020年7月16日)

セミオープンシステムによる病診連携で妊婦を支える

開業された経緯を教えてください。

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【院長】長年勤めてきた聖路加国際病院は手術を数多く手がける病院のため、骨粗しょう症など投薬中心の患者さんを外来でフォローし続けることが難しく、近隣のクリニックに送り出さざるを得ません。しかし受け皿となってくださる地域のクリニックが少なく、患者さんとクリニックの先生双方の負担が大きくなってしまっている現状を知り、私自身がこの地域で開業して外来を担うことを考え始めました。手術を辞める決断に1年かかりましたが、よりやりがいを持って患者さんと向き合える診療がしたいと思い、開業に至りました。
【副院長】私は大学病院の勤務医時代に長女を出産しましたが、子育てとの両立に悩み、クリニックの勤務医に転身しました。またいつか責任ある立場で挑戦してみたいという思いがあった中で、主人の決断も重なり、2フロアでの開業を決めました。年齢的に、人生に何度か訪れる分岐点の1つだったのかもしれませんね。

こちらの産科では、6つの病院とのセミオープンシステムを整えているそうですね。

【副院長】比較的リスクの少ない妊婦さんのフォローは、可能な限りクリニックが担うべきだと思っています。とはいえ、最近は高齢出産も増え、経過が順調な妊婦さんであっても予期せぬ急変に備えて、細心の注意を払って見守っていく必要があります。そこで当院では、昭和大学江東豊洲病院、東京大学医学部附属病院など周産期母子医療センターを備えた6ヵ所の病院とセミオープンシステムの契約を結び、夜間や休日など当院の休診時、緊急での診療を要する妊婦さんを受け入れていただける体制を整えています。最近ではセミオープン先での分娩を前提とするのではなく、地方での里帰り出産を予定している方も同様に受け入れていただけるようになりました。妊婦さんが安心して出産に臨めるよう、病院のバックアップを得て出産直前までフォローしていけるこの体制は、当院の強みの一つです。

患者さんと接する上で、心がけていることはありますか?

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【院長】このタイミングで来院されたのはなぜなのか、あるいはご家族が何らかの病気を患っていてご自身のことも心配になったなど、問診表の文面には現れてこないような、患者さんが抱える不安要素まで確認しながら、診療にあたっていきたいと思っています。また、私はあれもこれもお伝えしたいと思うあまり、つい話し過ぎてしまう傾向があるので、患者さんがより理解しやすいよう、大事な情報にポイントを絞りつつ、ゆっくり簡潔に話すことを少し意識するようにしています。
【副院長】1つ挙げるとしたら、自然体でお話することでしょうか。病院だからと身構えることなく少しリラックスしていただいて、気になることは何でもご相談いただく中で、いい信頼関係をゆっくり築いていけたらと考えています。

骨転移した乳がん患者の背骨の再建手術なども担当

それぞれ医師として整形外科、産婦人科の道に進まれたきっかけは?

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【院長】祖父をはじめ親族に医師が多くいたので、幼い頃から医師という職業が一番身近でした。中高生時代、折しもプロサッカーリーグが開幕して僕も本気でサッカー選手になりたいと思うほどサッカーにのめり込み、医師以外の選択肢を少し意識し始めた頃、偶然見たテレビのドキュメンタリー番組に、サッカーチームに帯同するスポーツドクターが取り上げられていたんです。その仕事ぶりを見て、サッカー選手をそばで支える医師という職業に強い憧れを抱き、「医師になる」ではなく「整形外科医になりたい」という入口で医学部に進学しました。
【副院長】私の場合は中高生時代に医学部をめざす友人が周囲にいて、その影響が大きかったですね。医学部の実習で味わったお産の緊迫感に圧倒され、「私がやりたかったのはこれだ!」と迷いなく産婦人科を選びました。

院長先生のご専門は脊椎だそうですね。

【院長】この9年ほど、脊椎、いわゆる背骨に特化した手術を手がけてきました。ご高齢の方のほか、交通事故による外傷、そしてがんの骨転移がある患者さんに対する背骨の再建手術も専門に担当していました。というのも聖路加国際病院は、乳がん患者の受け入れ数がたいへん多く、骨転移の患者さんも相当数いらっしゃいました。乳がんはゆっくりと進行するため、骨転移した骨とともにいかに生きていくかということが問題になります。骨転移によって麻痺が起こったり、背骨が折れて立てなくなったり、そうした患者さんの背骨の再建手術に携わってきました。

副院長先生は、ハイリスクの妊婦さんの出産を数多く診てこられたそうですね。

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【副院長】私が勤めていた日本医科大学武蔵小杉病院は年間多くの分娩を手がける病院。ハイリスクとひと口に言っても状態は妊婦さんによってさまざまで、持病のある方はもちろん、妊娠高血圧症候群の影響で赤ちゃんがなかなか大きくならないとか、切迫早産や三つ子など、本当にさまざまなケースを経験しました。病棟の患者さんといい意味で濃密な時間を過ごす中で、産まれてきたお子さんに私の名前をつけてくださった方も何人かいらしたんですよ。大学病院では医師は何人もいますが、開業した今、患者さんにとって担当医は私しかいません。この先また、患者さんから「この子に先生の名前をいただきました」と言っていただけるような診療をしていきたいなと思っているところです。

患者が気軽に頼れる「最初の窓口」をめざして

高齢者の整形外科への通院は、リハビリテーションなどを含め長期化する傾向にありますね。

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【院長】リハビリテーションは患者さんにとても喜ばれる取り組みですが、リハビリ期間を終えて再び症状が悪化し、またリハビリでの通院を再開するといったことを繰り返しているケースが非常に多いのが現状です。本来、運動は人にやってもらうものではなく、自分で行うもの。リハビリで通院しなくて済むような体にするための情報提供、運動のやり方を丁寧にお伝えし、高齢者が骨折しない体づくりをサポートしていくことが僕の目標です。病院に来ることを仕事や日課のようにしてほしくないですし、病院の待合室にいるくらいなら、天気のいい日は外を歩いたほうが気持ちいいですからね。

開業されて以降、産婦人科領域ではどういった患者さんが来られていますか?

【副院長】50歳前後で更年期の症状にお悩みの方が予想以上に多く来られて、少し驚きました。当院では基本的に大学病院の外来と同じレベルの診療をしたいと考えて、子宮細胞診で異常が指摘された方に対する組織診に対応できるコルポスコピーや、不妊治療の第一段階として子宮と卵管がちゃんと通っているかを調べる検査設備なども導入しました。かかりつけの婦人科クリニックで設備がないために、大学病院に送られてきた患者さんをたくさん診てきましたから、まずここでできる限りのことをして差し上げたいという思いがあります。

今後の展望と、読者に向けたメッセージをお願いします。

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【院長】体のどこかが痛むとき、必ずしも整形外科的な要因ではなく、他の疾患が隠れていることも多々あります。当院は整形外科ではありますが、その枠にとらわれず、内科の先生と整形外科をつなぐ、いわば「整形内科」のような立ち位置で患者さんと向き合っていきたいと考えています。「どこに行ったらいいかわからなくて、ここに来ました」と、気軽に頼っていただけるクリニックでありたいですね。
【副院長】私も、産婦人科の領域にとどまらず女性の心身をトータルで診られるクリニックをつくり上げていきたいと思っています。お産や婦人科疾患に関するご相談はもちろん、女性の健康全般に関わる最初の窓口として利用していただけたらうれしいです。

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