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村田 秀則 院長の独自取材記事

広島さくら整形外科

(広島市安佐南区/上安駅)

最終更新日:2022/02/01

村田秀則院長 広島さくら整形外科 main

広島市北部、安佐南区の閑静な住宅街にある「広島さくら整形外科」。2020年に開業した整形外科、リハビリテーション科を持つ医院だ。村田秀則院長は大学卒業後、骨に関する基礎研究を行い、その後は膝の関節の臨床を経験。中でも人工関節の手術に数多くあたってきた。「患者さんが治療を通して明るくなり、旅行など、いろんなことにチャレンジされていると、良かったなあと思います」と語る。現在の医院は、広いリハビリルームや個室リハビリ室があり、10人の理学療法士が在籍するのが特徴。市内や呉市からのほか、島根県、山口県東部、四国から通う患者もいるそう。スポーツをするのも見るのも好きという村田院長は、現在フットサルのチームドクターも務めている。そんな村田院長に診療の心構えや膝の治療について、じっくり話を聞いた。

(取材日2021年12月18日)

骨の基礎研究後、膝を専門に

医師をめざしたきっかけと、整形外科を選んだ理由について教えてください。

村田秀則院長 広島さくら整形外科1

私の祖母が関節リウマチを患っていたことが、医師をめざしたきっかけの一つにあると思います。祖母を病院に連れていき、入院した時には身の回りの世話をしていました。その時多少、自分が治療する側に回ってみたいという気持ちはありました。整形外科を選んだのは、スポーツが好きな人が集まりやすいというのが理由にあります。私自身スポーツが好きで、大学時代にはバレーボールをやっていました。今は自分が運動する機会は少ないですが、地元の球団やサッカーチームの応援にスタジアムまでよく足を運んでいます。

大学卒業後に留学され、その後膝の研究に熱心な大学で学ばれたそうですね。

大学院に進み、基礎研究として骨の代謝をテーマに選びました。骨ができる成り立ちを学び、その延長線上でオーストラリアの大学に留学しました。しかし当時は、手術のスキルを若いうちから身につけたい気持ちもあったので、研究をするのは少し足踏みのようにも思えたんです。けれども今、例えば骨粗しょう症の患者さんを診るときにすごく役に立っています。基礎研究の機会を持てたのは、今になって良かったと思っていますね。臨床でのスキルの部分が少し出遅れたので、早く高いレベルで身につけたいと思い、留学から帰国後は膝の研究において国内では先進的だった神戸大学に勉強に行きました。そこで膝の治療について学び、短期間でものすごくたくさんの手術を見せていただいて。そのことが、その後私が膝を専門にするきっかけになったと思います。

開業は当初から考えていたのですか。

村田秀則院長 広島さくら整形外科2

最初は開業を考えていませんでした。しかし、勤務医だとどうしても、病院の経営に負担はかけられないという思いがあり、材料など高価なものは、なかなか使えなかったんです。スタッフにチームに入ってほしいと思っても、ほかの業務で忙しくしているので、なかなか声をかけづらいこともありました。自分が経営者だったら、自分で何でも決められるだろうなという思いから開業を考えるようになり、2020年5月に開業しました。

患者さんはどういった層の方々ですか。

住宅街のこの辺はお年寄りがたくさんいらっしゃって、ご高齢の方が多いですが、学校もあるので学生さんもみえます。また、30~40代の働く世代の方も多いですね。訴えとしては高齢の方は、変性疾患というんですけれども、加齢に伴ういろいろな病気が多いです。学生の方はスポーツ外傷がほとんどです。30~40代の方はデスクワークによる肩凝りや腰痛などのご相談が多いです。テレワークになり、そういったお悩みは増えていますね。一般的にいわれる有病率でいうと、整形外科で特に多いのは腰痛になります。次が関節痛で、その次に肩凝りとなりますね。関節痛の中で多いのが膝の痛みです。

膝の治療では、人工関節の手術も多数経験

膝に痛みが出るというのは、どんなケースが多いですか。

村田秀則院長 広島さくら整形外科3

膝が痛む疾患で最も多いのは、変形性膝関節症といわれるものです。変形性膝関節症の原因は、一つは加齢ですね。もう一つは素因という言い方をしますが、もともと持っておられる体質的なものです。それによって、一定の年齢で軟骨が擦り減ってきて、骨が変形してくるという、日本には2000万人以上患者さんがいるともいわれている一般的な病気です。放っておいて治る病気ではなく、ゆっくりと進行していきます。悪化したら、人工関節の手術をする治療法はあります。患者さんの中には、例えば90歳になって初めて手術を受ける方もいらっしゃいます。

人工関節について教えてください。

膝を切開して、痛みの原因となる悪い部分を取り除いていきつつ、その組織の代わりに人工物を膝の中に設置して、再現を図るというものです。人工関節そのものは、まだオーダーメイドではないので、既製品で2ミリごとぐらいのサイズの違うバリエーションがあり、一番近いサイズのものを選んで入れるというかたちになります。

リハビリに力を入れているそうですが、具体的にどのように進められているのですか。

村田秀則院長 広島さくら整形外科4

まず私が患者さんを診断して、この患者さんにはこういうリハビリをというような指示を出します。私が一旦オーダーを出してしまったら、ある程度理学療法士の裁量で行っています。例えば、患者さんの訴えが腰痛だからと言って、理学療法士が腰しか見ないということはないんです。背骨全体や足の動き、座っているときの姿勢など、そういうもの全部を見てくれます。そこで、「著しくバランスが悪い」「骨盤の傾きが良くない」「背骨が曲がっていて一方の肩が上がっている」などの問題が見つかる場合もあります。腰以外の体の部分にそういった問題がある場合は、「筋肉のバランスを取り直す」という言い方をしますが、その部分のリハビリを行うことで、腰痛の軽減につなげていくこともあります。

病気との付き合い方をアドバイス

30~40代、高齢者に、それぞれ気をつけてほしいことは何ですか。

村田秀則院長 広島さくら整形外科5

30代の方たちはストレスが症状の原因にあることが多いようです。私たちもできるだけ、ストレスを解消できるような工夫をアドバイスさせてもらっています。ご高齢の方々は、痛みが一箇所ではないことが多いんですね。腰が痛い人は、膝も肩も痛いという感じで。体のあちこちが痛いとなると、メンタル的にも沈んでいって、「年を取って、いいことは一つもない」と考えたりすると、ますます良くないですよね。なので、「年齢を重ねてからのいいところもたくさんありますよ」と気づいていただき、「体の痛いところは一つ一つ、丁寧に治していきましょう」と、できるだけポジティブでいられるようにお話しするようにしています。

今後の展望についてお聞かせください。

今現在、当院では手術は行っていないのですが、将来的には手術もできるようにして、手術からリハビリまで全部、こちらで完結できたらと思っています。また、現在当院には10人の理学療法士が在籍しているんですが、企業に出向いてトレーニングを指導したり、産後のお母さんのケアをしたり、スポーツに深く関わりを持ったりといったことも考えています。理学療法士もそれぞれに違う得意分野を持っていていいと思うんです。スポーツのチームに帯同してトレーナーとしていろいろ活動しながら、活動がないときは当院で患者さんを指導するなど、そういう仕事の仕方があってもいいのではないでしょうか。各スタッフがそれぞれ違う強みを持っていると、患者さんの満足度ももっと上がっていくのではと思います。

最後にメッセージをお願いします。

村田秀則院長 広島さくら整形外科6

まず、病院を怖がらないでほしいなと思います。病院に行くことには、いろいろな心配があるでしょう。例えばスポーツをやっている学生は「スポーツを休んで」と言われるんじゃないかとか、また、「痩せなさい」や「注射しないと治らない」とか言われるのではないかといったように。特に、「手術しないと治らない」と言われたことのある方は、ほかの病院に行ってもまた手術しなさいと言われるのではと心配されます。当院ではできるだけこうしなさいというふうには言わないようにして、患者さんのご意向やしてほしいこと、してほしくないことにも配慮していく考え方です。医療とは、結果はもちろん大事ですけど、同時に患者さんの受け入れやすさも大事だと考えているので、患者さんが納得できる範囲の中で、合理的な医療を提供したいと思っています。あまり構えすぎないで、気軽に来ていただけたらうれしいです。

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