赤川 玄樹 院長、永野 喜信 先生、田村 祐規 先生の独自取材記事
横浜みなと呼吸器内科・内科クリニック
(横浜市港南区/港南台駅)
最終更新日:2026/03/06
「横浜みなと呼吸器内科・内科クリニック」の赤川玄樹(はるき)院長は、大学病院の呼吸器内科やICU(集中治療室)で重篤な患者を多く診てきたことから、もっと専門的な診療を身近に提供し、病気の早期発見や重篤化予防に貢献したいという思いで2020年に開業した。多くの患者が受診するようになったため、医師やスタッフも増員して診療体制の充実を図り、患者のニーズに応えている。赤川院長と、その診療方針に賛同して同院に加わった永野喜信先生、田村祐規先生に、診療の特徴や診療方針について聞いた。
(取材日2025年12月29日)
充実した検査体制を整え、呼吸器疾患を軸に幅広く診療
開業までの経緯を教えてください。

【赤川院長】実は弁護士を志したこともあったのですが、父が医師で結局、医学部に進みました。医師になるなら集中治療をめざそうと考えたのですが、先輩から「重症呼吸器不全をICUで診るなら、まずは呼吸器内科で修業を積んでからのほうがいい」と勧められ、10年ほど呼吸器内科で経験を積み、ICUでの集中治療にも携わりました。ICU領域ではどれだけ尽力しても亡くなる患者さんが多く、重症化する前の軽症段階で診断をつけ、状態の安定を図っていれば、患者さんは助かったかもしれないという思いが強くなり、「自分が地域医療の現場で重症化を食い止めよう」と開業を決意しました。
永野先生と田村先生のご経歴を教えてください。
【永野先生】私は千葉県の出身で、2019年に杏林大学を卒業して、千葉県や神奈川県の病院などを経て2024年4月にこちらに入職しました。こちらはクリニックでありながら専門的な検査や治療を手がけていると知り、研鑽を積みたいと思ったのがきっかけです。検査体制が整っているところと、多くの患者さんが来られるものの、大規模病院と異なり情報共有しやすいところが特徴だと感じています。
【田村先生】私は、横浜市出身で筑波大学を卒業後、大学病院や横浜市立大学附属市民総合医療センターや茅ヶ崎市立病院、関東労災病院などを経て2025年4月に入職しました。総合病院では診断がついた患者さんを診ることが多いので、もっと患者さんに近いところで、最初から関わっていきたいと考えて当院に入職しました。実際、初診の患者さんが多く、やりがいを感じています。
検査設備と衛生管理にこだわられているそうですね。

【赤川院長】CTやエックス線検査機器、心電図や超音波などの検査機器を導入し、精密な検査データに基づいた専門治療が可能な体制を整備しています。臨床検査技師や診療放射線技師が常駐し、必要に応じてすぐに検査が行えるのも特徴で、CT検査で初期の肺がんや乳がん、甲状腺がんなどの発見につなげられればと考えています。また、呼吸器内科は感染症との関わりが深いため、感染症対策も徹底しました。空気感染の可能性のある細菌が外部に流出しないように整備された陰圧室など、病院の感染症病棟にあるような隔離個室も用意し、PCR検査にも対応可能な衛生管理システムを整えています。
専門性の高い検査で診断、早期治療で重篤化を防ぐ
診療面での特徴を教えてください。

【赤川院長】呼吸器系の病気を診る際に、「肺」と「気管支」に分けて、それぞれを専門性の高い検査で調べ、適切な診断につなげることが可能です。また、喘息はアレルギーが関与していることも多く、採血が必要になることがあります。このビルの5階に採血センターがあり、採血結果を含めて受診当日にほとんどすべての検査結果がわかります。その結果、呼吸器内科に異常がないと判断できれば、同じ医療モール内にある内科や小児科、耳鼻咽喉科など他科と連携して、多角的な診療が可能です。
どのような患者さんが多いですか。
【赤川院長】お子さんから高齢の方まで幅広いですが、特に40~60代の方々が多いですね。痰が絡む、咳が続くという主訴で、すでに診察を受けたがよくわからないといわれた、薬を飲んでも良くならないという訴えが多いです。そのような場合、調べてみると長引く咳の原因は咳喘息のことが多いです。咳喘息は、喘息のような息苦しさや喘鳴(ぜんめい)が見られず、咳が主な症状の疾患ですが、放置して気管支の炎症を繰り返すと気管支喘息に移行するリスクがあります。4週間以上続く咳は咳喘息を疑い、早めに受診していただきたいですね。また喘息には胸の痛みを主体とする胸痛喘息という疾患概念も存在しており、他院の心電図などで異常がなかったという胸痛を主訴に受診される方も最近は目立ちます。長引く咳や胸痛に悩んでいる人が、遠方から相談に来られるケースも増えています。
先生方の診療方針について聞かせてください。

【赤川院長】問診や触診による所見も大切ですが、CTに加え呼気NO検査やモストグラフなどの精密な検査で咳の原因を突き止め、ピンポイントにアプローチできるよう過不足のない薬の処方を心がけています。薬の量も極力減らすようにしていますが、どうしてもこれだけはという部分は、患者さんになぜ必要なのかを理解してもらえるよう工夫しています。私も喘息患者なので、つらい気持ちや薬を飲み忘れてそのままドロップアウトしてしまう気持ちもよくわかりますので、治療中断後のリカバリーの相談にも対応しています。
【永野先生】検査を重視しているので、検査時の説明や結果説明にも注力し、専門用語は使わずにイメージしやすい言葉を選んでいます。
【田村先生】検査結果をふまえ適切に診断して、できる限り早く介入して重症化を防ぐことと、生活の質を重視して、病気がある中でもその方らしい生活を守れるような診療をめざしたいと思っています。
生活の質を重視した治療を心がけ、地域貢献をめざす
赤川院長は喘息なのですね。

【赤川院長】そうなんです。喘息は子どもに多いと思われがちですが、咳喘息などは20~40歳代にも多いのです。長引く咳や、眠れないほどの息苦しさ、夜中や明け方などに胸がゼイゼイする、少しの運動で咳き込むという症状があっても、喘息とは思わず、市販薬を飲んでしのぐ方も見られます。私も、40歳を過ぎてからトライアスロンの練習後に息切れや咳の症状が出て、検査したところ喘息だとわかりました。ショックでしたが、定期的な治療を受けながら、仕事も練習も普通にこなしています。
今後の展望についても聞かせてください。
【赤川院長】かかりつけ医としてできる限り早い段階で診断をつけて治療を開始し、患者さんがドロップアウトしないよう気持ちの面でもサポートしていければと思います。人生はただ長ければいいというものではありません。当院の患者さんには適切な治療で症状をコントロールし、生活の質の維持を図りつつ充実した人生を送ることをめざしていただきたいと考えています。当院のようなクリニックが病院の分院的な位置づけで患者さんを引き受ければ、病院は重症の入院患者さんに集中できます。当院が頑張ることで病院の助けとなって、地域医療に貢献できればと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。

【赤川院長】患者さんとしっかり向き合いながら、ともに悩み、ともに生活の質を考えていけたら良いなと思っています。咳喘息や喘息は、症状が落ち着いているときでも、気管支などの炎症が完全に治まっているわけではありません。炎症を繰り返すことで少しずつ気管支の内側の壁が厚くなり、重症化して命に関わることもあります。また、喘息は症状が出ている時は何もできないほど苦しいですが、適切にコントロールして重症化の予防を図ることで、生活の質を下げずにスポーツや趣味を楽しむことが期待できます。気軽に通える地元の呼吸器内科として、力になれたらうれしいですね。
永野先生、田村先生もお願いします。
【永野先生】長引く咳や痰、38度以上の熱が3、4日間続いた時は受診してください。また、息切れは心臓の病気のこともあるので、早めの受診が勧められます。多くの患者さんに来ていただいて、お待たせすることもあり心苦しいところはありますが、呼吸器内科として地域の皆さんの健康を守るために、今後も頑張りたいと思います。
【田村先生】地域の皆さんにお伝えしたいのは、呼吸器を守るためにはやはり禁煙していただきたいということ。肺がんもCOPDも進行してしまうと治療を受けても後遺症が残りやすいので、検診や、早めの受診で早期発見し、軽症のうちに治療を受けていただきたいと思います。できるだけ早く受診していただいて、症状がないという状態の方を一人でも増やしたいので、お困りのことがあればいつでも来てください。

