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脂肪肝から肝炎、肝臓がんまで専門的に診療
肝臓内科のかかり方

土屋記念クリニック

(横浜市青葉区/あざみ野駅)

最終更新日:2024/04/15

土屋記念クリニック 脂肪肝から肝炎、肝臓がんまで専門的に診療 肝臓内科のかかり方 土屋記念クリニック 脂肪肝から肝炎、肝臓がんまで専門的に診療 肝臓内科のかかり方
  • 保険診療

「お酒の飲みすぎは肝臓に悪い」ということは知っていても、肝臓が体内でどのような役割を果たしているか、どのような原因でその機能が低下するかまで把握している人は多くないのではないだろうか。健康診断で肝機能低下を指摘され、「お酒は飲んでいないのに」と信じられない思いを抱く人もいるだろう。「肝機能障害にはさまざまな原因があり、その鑑別には専門の知識が求められます」と話すのは、横浜市青葉区「土屋記念クリニック」の石田仁也(いしだ・じんや)院長。肝臓領域を専門に、長く大学病院などで先進治療や研究に従事してきた肝臓のエキスパートだ。日本肝臓学会認定肝臓専門医でもある石田院長に、肝臓内科でできることや同科を受診すべきタイミングなど、詳しく聞いた。

(取材日2024年1月9日)

超音波検査と専門の知識で、肝機能低下の原因を詳しく探る

Q肝臓内科とはどのような診療科なのか教えてください。
A
土屋記念クリニック 一般内科から専門性の高い分野まで日々研鑽を積んできた石田院長

▲一般内科から専門性の高い分野まで日々研鑽を積んできた石田院長

あまり耳慣れないかもしれませんが、消化器の一部である肝臓を専門に診る内科です。一般的に身近な脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝臓がんへと移行することも多い肝臓病を扱います。肝臓は人体内で最大の臓器とされており、多彩な酵素を用いた化学反応を起こすことで、栄養素の変換やエネルギーの貯蔵、アルコールや薬剤の解毒などに働いています。肝機能障害にはさまざまな原因があり、その判定には高い専門性が求められることから、厚生労働省では都道府県ごとに肝疾患に関する専門医療機関を指定するという肝疾患の診療体制の整備を推進。当院は神奈川県の肝臓専門医療機関に指定されており、日本肝臓学会認定肝臓専門医である私が診療しています。

Qどのような時に肝臓内科を受診すべきでしょうか?
A
土屋記念クリニック 血液検査で異常が見つかった際は早めの受診を推奨している

▲血液検査で異常が見つかった際は早めの受診を推奨している

健康診断で肝機能の異常を指摘された際は早めに肝臓内科の受診をお勧めします。AST、ALT、γ(ガンマ)-GTPの3項目で、採血による検査で測定されるものです。これらは肝臓内で働く酵素で、肝臓の細胞が壊れると血液中に流れ出し、数値が高くなります。肝臓のダメージ具合を測る指標といえるでしょう。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、疾患の初期では自覚できる症状がほとんどないのが特徴です。放置しているうちに静かに進行し、気づくと肝臓がんになっているようなケースも少なくありません。進行すると黄疸や著しい体重減少、倦怠感、むくみや腹水などが起こりますが、そうした症状が出る前に診断を受けることが大切です。

Q肝臓の病気にはどのようなものがありますか?
A
土屋記念クリニック 院長は肝臓専門医の視点から丁寧な診察を心がけている

▲院長は肝臓専門医の視点から丁寧な診察を心がけている

肝機能障害を引き起こす病気としては、脂肪肝やアルコールの長期摂取で起こるアルコール性肝障害、アルコールの摂取によらない非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、B型・C型のウイルス性肝炎、自己免疫の問題に起因する自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎などがあります。これらが慢性化すると、肝硬変から肝臓がんへと移行してしまうことも。肝機能障害の原因を突き止めるには専門の知識が求められ、一般内科では単なる脂肪肝として「様子を見ましょう」とされることも少なくないようです。ほとんどの脂肪肝は経過観察で問題ありませんが、一部に肝硬変や肝がんへ進行するリスクの高いものもあります。正しい診断が重要なのです。

Q非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について教えてください。
A
土屋記念クリニック 飲酒をしない人でもかかりうる肝炎について話す

▲飲酒をしない人でもかかりうる肝炎について話す

過度の飲酒を長期間続けると肝臓に負担がかかることは広く知られています。そのため「自分はお酒を飲まないから大丈夫」と思い込んでいる方も。しかし、中性脂肪が肝臓内に蓄積する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、ほとんどアルコールを摂取しない人も発症します。肥満や糖尿病、高血圧症、脂質異常症など生活習慣病の合併が多く、薬物療法と並行して生活習慣の改善が必要です。近年、ウイルスによらない肝がんが増加傾向にあり、その原因の一つとしてNASHが指摘されています。ウイルス性肝炎では定期受診によりがんの早期発見につながるケースが多いのに対し、NASH由来のがんは進行してから見つかるケースが多いのも心配です。

Qこちらには肝臓を調べる先進のエコー機器があるそうですね。
A
土屋記念クリニック 病気の早期発見に努める同院は先進の機器を導入し、活用している

▲病気の早期発見に努める同院は先進の機器を導入し、活用している

臓器の形に加えて、組織の硬さを測定できる超音波エラストグラフィを導入しています。肝臓の繊維化や肝硬変の状態、脂肪量などを数値化して評価できます。おなかの上から超音波を当てる非侵襲的検査で、健康診断の結果「要精密検査」とされた方のフォローアップや、治療中の方の経過確認などにも適した検査です。針を刺したり、器具を体内に挿入したりする必要がなく、体へのダメージがほぼないので、気軽に受けていただきやすいのも特徴です。当院では、4時間以上の絶食後に来院していただければ、予約なしで即日検査を受けていただくことも可能です。検査自体は10〜20分程度で終わり、結果もすぐにご説明できます。

ドクターからのメッセージ

石田 仁也院長

肝臓は人体内で重要な役割を果たす大切な臓器です。しかし、「沈黙の臓器」とも呼ばれるとおり、多少の不具合で症状を自覚できることは少なく、受診タイミングを逃すうちにダメージを深刻化させてしまうケースも少なくありません。健康診断で精密検査を勧められた場合はもちろん、お酒の飲みすぎや食生活の乱れ、太りすぎなどを気にされているなら、一度は肝臓を専門とする医師の診療を受けていただきたいと思います。直ちに問題ないケースでも、年に1度程度の経過観察を受けることで、重篤なリスクを未然に避けることにつながります。大切な臓器だからこそ、専門家と一緒に大切に守っていきましょう。

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