永井 崇博 院長の独自取材記事
ながい内科循環器内科クリニック
(箕面市/箕面萱野駅)
最終更新日:2024/10/04

2020年5月に開業した「ながい内科循環器内科クリニック」の院長は、京都大学医学部附属病院、関西電力病院などの循環器内科で経験を積み、日本循環器学会循環器内科専門医、日本内科学会総合内科専門医の資格を持つ永井崇博先生だ。内科のトータルクリニックをめざしており、風邪や花粉症、生活習慣病といった一般内科、自身の専門である循環器内科に加え、西洋医学ではなかなか診断がつきづらい「冷え性」「疲れやすい」といった悩みにも答えるため漢方内科の顔も持つ。加えて、幅広い診療内容に対応するため、エコー検査から胃内視鏡検査、2025年4月からは大腸内視鏡検査も開始し、多様な検査が可能な設備を用意しているのも強みと言えるだろう。開業から4年、改めて診療へのこだわりや医師としての思いなど幅広く話を聞いた。
(取材日2024年3月15日/更新日2024年9月30日)
基幹病院での勤務医からゆかりの地、箕面で開業
先生が医師をめざしたきっかけは何だったのですか。

幼い頃、私は病弱でした。そのときよく助けてくれた小児科の先生がいます。その背中に憧れたのです。小学生を迎える頃には自然と「あの先生みたいになりたい」と医師をめざすようになりました。大阪医科大学に入学した当初めざしたのは、もちろん小児科医です。しかし、現場で学ぶ中、今の進路につながる経験をします。循環器内科の現場で心筋梗塞や狭心症など命の危機に瀕するような症状で運ばれてきた患者さんにカテーテル治療を行い、ご自宅に帰すために懸命に治療を行う場面です。循環器内科であれば、より命の危機に瀕する人を救うことができるのではないか。私が憧れた医師の姿に近いのではないかと思い、循環器内科の道を選んだのです。それからは、京都大学医学部附属病院などでカテーテル治療を中心に経験を積みました。
勤務医を離れて開業を決めた理由を教えてください。
基幹病院を中心に経験を積んでいました。勤務医としての毎日は充実していたのですが、30代も半ばを迎え「かかりつけ医として地域医療に貢献したい」という思いが湧き上がってきたのです。そして40歳までには開業しようと決断しました。開業の場所に箕面を選んだのは祖父や親族の家があり、ゆかりの深い土地だったからです。またかねてからこの地域では循環器内科のクリニックが不足しているとも聞いており、私の培ってきた経験を生かせば地域医療に貢献できるのではないかと考えたのも後押しになりました。それから、箕面市立病院に勤め、物件を探す日々が始まりました。タイミング良く、3階にあり眺望が良く箕面山が待合室から一望できる、また新設された箕面萱野駅から近く、車でもアクセスの良い立地にあるこの物件を見つけ、開業を決めた次第です。なんとか目標だった40歳で開業することができました。
待合室の外にある屋外スペースからの眺望が実にきれいでした。

秋になると箕面山の紅葉も楽しめます。天気の良い日は私もここで休憩していますよ。開放感があって気持ちいいんです。もともとは患者さんに待ち時間の間もリラックスしていただけるように作ったものだったのですが、開業当初に新型コロナウイルス感染症の流行があり、院内感染を心配される患者さんの待合スペースとしても活用することができました。当時は毎日多くの発熱患者さんが来院され、大変でした。なんとか乗り越えられたので今があると思っています。ちなみに、当時は4階を発熱患者さんの外来として利用していたのですが、流行が落ち着いてきたこともあり、現在は4階を内視鏡検査部門として活用しています。
内視鏡から超音波検査まで幅広く対応
4階に新しくできた内視鏡部門について詳しく教えてください。

週に3回消化器内科専門の医師を招き、経口・経鼻による胃内視鏡検査ができる体制を整えています。定期的に検査をしていれば、大病になる前の早期発見につながるのですが、内視鏡検査を怖がる方は少なくありません。ですから、当院では適切に鎮静剤を使い、苦痛を軽減するように努めているほか、スタッフにも適宜声かけをしてもらい不安感を取り除くように努めています。また、2025年4月より、箕面市によるがん検診に胃内視鏡検査が加わることが決定いたしました。検査の追加に合わせて、当院では大腸内視鏡検査の体制も拡充し、2025年1月より予約開始、2025年4月より大腸内視鏡検査を開始いたします。
開業から4年、通われる患者さんには変化はありましたか?
新駅の開業に伴い、近隣は盛り上がってきました。患者さんの数も増えてきた印象です。年齢層は幅広く、お子さんからお年寄りまで幅広い年齢層の方が来院されています。症状もさまざまで、私の専門である「心臓が痛い」「動悸がする」といった循環器の患者さんから、花粉症、風邪の患者さんも来ますね。また、「疲れやすい」「ふらつく」「体が冷える」といった症状の患者さんもいらっしゃいます。西洋医学では対処する薬がないので、様子を見ることしかできないのですが、こうした状況を何とか改善しようと思い、東洋医学の知見も治療に取り入れています。なんとなく調子が悪い、東洋医学では「未病」と呼ばれる症状の患者さんにはお一人お一人の体質や体調に合わせて保険診療内で漢方を処方しています。
超音波検査から、内視鏡まで検査体制も充実していますね。

気軽に検査を受けていただきたいという思いからです。内視鏡検査に加えて、超音波検査、心電図検査、骨粗しょう症の検査、睡眠時無呼吸症候群の検査、血圧脈内検査などを受けられる体制にしていますし、精度にもこだわって設備を整えています。例えば超音波検査は、エックス線やCTのように放射線を使わずに、腹部、頸動脈、甲状腺、心臓などの評価ができます。また、血圧脈波検査は動脈硬化の程度が調べられるので、何か病気が隠れていないか予測ができます。最終的な目標である「内科のトータルクリニック」に近い診察体制をめざし、現在も体制を拡充しているところです。
内科のトータルクリニックとして患者の悩みに応える
スタッフの数も増えたそうですね。チームを率いる上で工夫していることはありますか?

開業当初は、事務と看護師と合計3人の体制でしたが、現在は事務、看護師、臨床検査技師合わせて約20人の体制で診療にあたっています。今後はさらに人員体制を強化する予定です。人数が増えたぶん、極力スタッフ一人ひとりに声をかけて、コミュニケーションを欠かさないようにしていますね。
診療にあたって心がけていることはなんですか?
当たり前ですが、医療の原則である診断をしっかりすること。多様な検査や診察を駆使して、適切な診断そして治療につなげることをいつも意識しています。また、患者さんの心理的な負担に配慮することも心がけています。特に医療機関では診察時間に比べ待ち時間が長いため、負担にならないよう屋外スペースも設けていますし、スタッフにも定期的に患者さんにお声がけしてもらい、患者さんがリラックスして待ち時間を過ごせるよう工夫しています。
今後の展望について教えてください。

うれしい悲鳴と言いますか、来院される患者さんの増加に合わせ、人員体制の強化が必要になっていると日々感じています。そのため、他診療科の常勤の医師を招くことを検討しているところです。例えば糖尿病の治療では、血糖値や体重などのコントロール、運動習慣の指導など、こまやかな対応が求められます。糖尿病専門の先生を招き連携が取れれば、糖尿病の治療経過がより良好なものになりそうです。また、糖尿病は循環器疾患のリスク要因でもありますから、より患者さんにとって良質な診療体制が提供できるのではないかと考えています。
最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。
当院がめざすのは内科のトータルクリニックです。そのため、診断から治療のための検査が多様にできる設備、人員体制を整えました。西洋医学だけでなく東洋医学の知見もあるので、「ちょっと調子が悪い」「冷え性に悩んでいる」といった些細なお悩みの解消にも尽力いたします。お悩みがあれば、まずは気楽にご来院ください。