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作間 俊治 院長の独自取材記事

さくま泌尿器科

(広島市中区/八丁堀駅)

最終更新日:2021/10/12

作間俊治院長 さくま泌尿器科 main

2020年に開業したばかりの「さくま泌尿器科」は、広島市中心地の八丁堀交差点近くのビルにある。院長の作間俊治先生は、福岡県や広島県の基幹病院で研鑽を積み、特に尿路感染症と性感染症に関する造詣が深いベテラン医師だ。泌尿器科ではデリケートな悩みが多いが、やわらかな笑顔と穏やかな語り口の作間院長には話しやすそうだ。地域医療に貢献しながら、広島市医師会看護専門学校の講師を務めるなど後進の育成にも力を注ぐ作間院長に、開業までの経緯や治療方針、診療への思いなどについてじっくりと話を聞いた。

(取材日2021年7月26日)

デリケートなことも話しやすい雰囲気づくりに努める

開業までの経緯と、開業地としてこの場所を選んだ理由をお聞かせいただけますか。

作間俊治院長 さくま泌尿器科1

大学卒業後、泌尿器科医師として九州や広島の基幹病院に勤務し、多くの患者さんを診療してきました。その経験を生かして地域医療に貢献したいと思ったのが開業のきっかけですね。広島を選んだのは、広島での勤務が長かったことと、故郷の山口県光市に近いからです。この場所はもともと内科のクリニックがあり、ちょうどテナントを募集していたんです。泌尿器科は、腎臓や膀胱など尿に関する臓器と男性生殖器を診る、専門性の高い科です。患者さんが多いエリアのほうが、その専門性を生かしながら診療できると考えて選びました。市内中心地にあり、アクセスが良く、患者さんが通いやすいだろうと思ったのも理由ですね。

患者さんはどのような方が多いですか。

当院では、膀胱炎、尿道炎、尿失禁、頻尿、尿路結石、性感染症、膀胱がん、前立腺がんなどの診断と治療を行っています。患者さんは男女ともに来られますが、膀胱炎、尿失禁、頻尿は女性の方が多く、半数近くを占めます。以前勤めていた基幹病院では膀胱がん、腎臓がんの患者さんが多く、男性が多かったものですから少し驚きました。でも、性別は関係なく、多くの方が悩んでおられるのだと改めて感じましたね。年齢的には中高年の方が中心ですが、土曜日、日曜日は平日仕事をされている若い世代の方やお子さんも来られます。本当に幅広い層の方にお越しいただいていますね。

患者さんと接するときに意識していることを教えてください。

作間俊治院長 さくま泌尿器科2

何よりも患者さんにリラックスして受診していただけるよう心がけています。泌尿器科ではデリケートな部分を扱うため、お話ししづらいことも多いと思うんです。検査や診察でわかることもありますけれども、痛みの程度やかゆみの種類はそれぞれの感覚なので、ご本人に伝えていただかないことにはわかりません。的確な診断のためにも大切なことですから、緊張や不安を和らげてなるべく正直に包み隠さず話していただけるよう努めています。恥ずかしいからと受診をためらっているうちに症状が悪化してしまうことも少なくありません。プライバシーにも十分に配慮していますので、安心して受診していただければと思います。

排尿障害、泌尿器がんの診断、治療に力を注ぐ

尿失禁、頻尿の患者さんが多いそうですけれども、どのような治療をされているのでしょうか。

作間俊治院長 さくま泌尿器科3

当院では、尿失禁、頻尿は40~60代の女性によく見られます。男性の場合は60~70代の方が多く、特に夜間頻尿が目立ちますね。近年、夜間の尿の量や回数を減らすための治療薬が開発されていますし、膀胱の下にある骨盤底筋を鍛える体操などもあります。それでも改善しない場合は手術を検討します。尿失禁、頻尿は命に関わる病気ではないものの、夜中に何回も起きなければいけなくなったり、それによって睡眠不足になったりと、生活の質に影響が及ぶことが少なくありません。お困りの方は泌尿器科でご相談されることをお勧めします。もしかしたら膀胱炎、膀胱がんなどの病気が潜んでいるかもしれませんから。最近は尿漏れパッドなど機能性の高いケア用品も増えていますので、軽症の尿失禁、頻尿であればこういった物を活用するのもいいでしょう。

膀胱がん、前立腺がんについてはどのように対応されていますか。

がんの発見に加えて、どちらも再発することが多いので、基幹病院などと連携し、手術後の患者さんの経過観察も行っています。膀胱がんは、膀胱鏡で膀胱の中を観察することで早期発見することが可能です。検査には、軟性膀胱鏡を使っています。膀胱鏡というと、かつては金属製で硬かったのですが、軟性膀胱鏡は管が細くやわらかいため、金属製に比べると痛みの少ない検査が可能になっています。早期で見つかった場合は、内視鏡による手術で治療ができますので、肉眼的血尿や頻尿、排尿痛などの症状がある方は一度検査を受けることをお勧めします。前立腺がんの発見には、PSA検査という血液検査が役に立ちます。前立腺がんは50歳を過ぎると増加しますので、50歳以上の男性は年1回受けられるといいと思います。

こだわりの医療機器などがありましたら教えてください。

作間俊治院長 さくま泌尿器科4

まず、超音波断層検査装置(エコー)ですね。腎臓や膀胱、前立腺の断層画像を、ほとんど痛みなく撮ることができます。特に腎臓がんの診断に役立ちますね。また、淋病などの細菌の検査を行う顕微鏡も備えていますので、10分ほどで検査結果をお伝えすることができます。このほか、CT検査などの放射線検査が必要なときは、連携を取っている近隣のクリニックでスムーズに診療できる体制を整えています。

患者とじっくり向き合う泌尿器科の診療に魅力を感じて

医師を志したきっかけをお聞かせください。

作間俊治院長 さくま泌尿器科5

私は子どもの頃から病気がちで、小学校低学年の時に栄養失調と細菌性赤痢で何度か入院したことがあるんです。細菌性赤痢は今では少ないですが、当時は流行していたんですね。その時にお医者さんや看護師さんにとてもお世話になり、医療従事者の皆さんが憧れの存在になりました。職業として意識し始めたのは高校3年生の時。進路を考える中で、自然に医学部が選択肢の1つになりました。

泌尿器科を選んだのはなぜですか。

1人の患者さんを最初から最後まで診るというところに面白さを感じたからです。診療科によっては、診断をしたら手術など治療は別の科の先生にお願いするということもありますが、泌尿器科では、検査、診断から始まり、お薬での治療もすれば手術も行いますので、じっくりと患者さんと向き合えるところが魅力だと思ったのです。泌尿器科の中では特に尿路感染症と性感染症を専門とし、大学院の後にはアメリカの大学に留学して公衆衛生について研究を深めました。その大学には世界中から研究者が集まってきていたので、大きな学びと刺激になりましたね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

作間俊治院長 さくま泌尿器科6

泌尿器科というと痛い検査をされるというイメージがあるようですが、軟性膀胱鏡をはじめ機器の精度も上がっていますし、丁寧にご説明してから始めますので、どうぞご安心ください。その上で、専門的な治療が必要か、当院で対応ができるか、心配しなくても大丈夫なことなのか、きちんと診断します。膀胱炎、尿道炎、尿失禁、頻尿などは、身近な病気です。尿トラブルなどご心配なことがありましたら、お一人で悩まずに、まずはご相談いただければと思います。

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