頭痛やめまい、しびれは早期に正確な診断を
脳神経内科のかかり方
医療法人怜和会 かしい駅前内科・脳神経クリニック
(福岡市東区/西鉄香椎駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
高い専門性が求められる分野であり、全年代に関係のある病気を扱う科でもある脳神経内科。初診で足を運ぶ機会は多くはないものの、結果的に脳神経内科を受診することで、原因疾患を早期に発見できる場合もあるそうだ。国内での診療のみならず、海外で神経難病の研究にも従事した経歴を持つ「かしい駅前内科・脳神経クリニック」の吉村怜院長は、豊富な臨床経験を生かして正確な診断から適した治療につなげるよう努める。若い頃から健康に対する意識を高めることの重要性を呼びかけ、脳ドックをはじめとする予防医学にも注力しているという。「適切に治療を行えば、患者さんの生活の質を大きく向上させることも期待できます」と語る院長に、脳神経内科で診療する症状・疾患や治療法、受診時のポイントなどを聞いた。
(取材日2020年12月29日)
目次
身近な症状の原因は、見過ごしてはいけない病気かも。適切な診断・治療には神経学的診察とMRIが重要
- Q脳神経内科では、どのような症状を診るのですか?
-
A
脳神経内科は、脳や脊髄といった中枢神経や末梢神経、筋肉に起きる病気を扱う科です。診療範囲は多岐にわたり、頭痛やめまい、しびれ、物忘れの症状を診ることが多いですね。他にも歩きにくい、ふるえ、ひきつけ、一過性の意識消失、物が二重に見えるなどの症状に対し、専門的な視点から診断します。診療の流れとしては、初めに問診と神経学的診察を実施し、病変のある場所や疑われる病気をある程度絞った上で、検査によって診断を確定します。当院においては、MRI検査や脳波計を含む充実した医療機器を備えておりますので、受診当日に検査を受けることができて、結果がわかるということは患者さんにとって大きなメリットだと思います。
- Q頭痛に対してはどのような治療法がありますか?
-
A
一次性頭痛には片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などがありますが、受診される大半は日常生活に支障を来す片頭痛の患者さんです。吐き気を伴い脈打つような痛みが生じ、光や音に敏感になるのが特徴。片頭痛を速やかに消失させる目的の頓挫薬の他に予防薬を用いることにより、満足な効果が期待できる場合が多く、「早く出会いたかった」とおっしゃる方は大勢いらっしゃいます。ただ薬はいくつか種類があり人によって効果はさまざまですので、まずはどの薬が自分にあっているかを早く知ることが大切です。くも膜下出血など頭蓋内に原因疾患がある頭痛(二次性頭痛)の場合もありますので、市販薬で済まそうとせず早めに専門医療機関を受診しましょう。
- Q物忘れの症状が出たら、どのタイミングで受診すべきですか?
-
A
物忘れは、加齢による場合と認知症の場合が挙げられます。前者は一時的に出来事を忘れても思い出せますが、後者は体験した出来事自体が記憶から抜け落ちてしまっている点が異なります。認知症にもアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などいくつか種類があり、治療が可能なケースも存在しますので、早めに診断をつけることが重要です。「最近物忘れが多くなった」、「記憶力が落ちてきた」と気になるようでしたら、物忘れの外来を受診しましょう。認知症の発症には生活習慣が大きく関係していますので、バランスが良い塩分控えめな食事や有酸素運動や積極的な社会交流を心がけましょう。当院でも適切な治療やアドバイスを行っています。
- Qめまいやしびれの症状がある場合は、どんな検査をするのですか?
-
A
めまいの原因は内耳の障害によるものが多く、良性発作性頭位めまい症が大半です。一方で、小脳や脳幹の脳出血または脳梗塞が原因の中枢性めまいの可能性もあります。病変が小さい場合など、内耳性めまいと中枢性めまいとの鑑別が難しい場合もあるので、中枢性めまいを見逃さないためにMRIやMRAで画像的に確認することが必要です。しびれにおいては、大脳、脊髄、末梢神経など、まずどこからのしびれなのかを神経学的診察から突き止め、MRIや末梢神経伝導速度検査で病変を確認する必要があります。めまいやしびれ、どちらの症状においても神経学的診察とMRI検査は重要になりますので、少しでも症状を感じたら相談に来てください。
- Qパーキンソン病やてんかんも脳神経内科で診ていると聞きました。
-
A
パーキンソン病は、主に中年以降に発症し、振戦や筋強剛、動作・歩行緩慢などを生じる疾患です。早期にパーキンソン病と診断し、適切な薬物療法とリハビリテーションを並行することにより、自由に動ける期間をできる限り長くすることが大切。当院ではパーキンソン病に特化したリハビリテーションを実施しております。また、てんかんは突然意識を失って反応がなくなる、ひきつけ・けいれんなどの「てんかん発作」を繰り返し起こす病気ですが、その原因や症状は人によりさまざまです。当院では脳波計やMRIを用いて精密に診断を行い、新規抗てんかん薬を軸に薬物療法でコントロールを図りますので、安心してご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万2000円~(コースによって金額が異なります)