野田 和秀 院長の独自取材記事
一宮かみあわせ歯科
(一宮市/今伊勢駅)
最終更新日:2021/12/10

名鉄今伊勢駅から徒歩2分ほど、長く地域に根づいてきた「ノダ歯科クリニック」の向かいに、2020年4月に開院したのが「一宮かみあわせ歯科」だ。「ノダ歯科クリニック」院長・野田和裕先生の息子、野田和秀先生が院長を務めるクリニックで、局所だけでなく口腔内全体を視野に入れた噛み合わせ治療を重視する。一般的な治療に加えて、セラミック修復、小児矯正、インプラント治療、予防など、より専門的で質の高い歯科医療をめざす。カウンセリングや初診に時間をかける診療体制で、「患者さんのライフステージに合わせ、歯の健康を守るための最適な治療を提案したい」と和秀院長。和モダンな落ち着いた空間で、噛み合わせ治療に対する熱い思いや展望を語ってもらった。
(取材日2020年3月18日/更新日2021年7月2日)
口腔内全体を診てトータル的な治療を提案
先生のご経歴について教えてください。

父が歯科医師でしたので自然な流れで歯科大学に入学しました。歯科医師は一生続けていく仕事。この道に進んだ以上奮起しようと思い、もっと学びたいという気持ちが高まり、紹介を受けて愛知、岐阜、三重、静岡で30軒ほどの歯科医院を訪ねたでしょうか。いずれ独立するのだから多様な症例が診られて専門的な治療を行っているところで学びたいと、愛知県豊橋市の大手の歯科医院に勤務。父の歯科医院を手伝いながら、そこで一般的な治療からセラミック修復などの審美面に配慮した治療、矯正治療、インプラント治療まで多くの治療に携わりました。
幅広く研鑽を積まれたのですね。
最初は、保険診療の詰め物や歯の根っこの治療など簡単な治療から始まりました。少しでも早く認められたくて、クオリティーにこだわって丁寧な仕事を心がけていましたね。年月を経て難しい治療もできるようになった頃、院内の先生からも認められるようになったことで自信もつき、父の歯科医院をただ継ぐだけでなく、自分の考える歯科医療を追求しようと考えるようになりました。豊橋の歯科医院では10年ほど勤務しましたが、ここで自分を育ててくださったメンターにはたいへん感謝しています。その教えを地元で実践するために7年目ぐらいから、開業に向けて構想を練り始めました。
そのときお考えになったこととは、どのようなことだったのでしょうか?

当時、悪い所を一生懸命治療しても数年後再発して来院される方も多く、局所的な治療よりも口腔内全体を診て原因を取り除くことが重要ではないかと感じるようになっていました。例えば前歯が悪くなったという方の場合、奥歯が噛めていなくてそのせいで前歯に負担がかかっていたとしたら、前歯だけを治しても繰り返す可能性が高く、奥歯から治療するほうが良いことがあります。またどの範囲まで治療するのがベストなのか年齢によって検討が必要です。歯を健康に保つためには全体の噛み合わせを考えることが重要であり、口腔内をトータルコーディネートして治療できるクリニックをつくりたいという考えを持つようになりました。
質にこだわった治療を落ち着きのある和の空間で
噛み合わせ治療とは、口腔内全体を診て健康を考える治療なのですね。

噛み合わせ治療といってもその内容は患者さんよって変わります。お子さまで虫歯もない状態でしたら予防が重要になります。矯正治療もその一つの方法ですね。30~40代になれば白いセラミックの詰め物やかぶせ物をつくる治療、中高年ではインプラント治療、もっとご高齢になると精密な義歯というイメージです。悪い所だけではなく全体的に口腔内を診て、一生健康な歯を保つという目標は同じですので、年齢や症状に最も適した治療法をご提案するようにしています。
新しいクリニックで先生のめざされるところとは?
一般的な歯科治療も行っていますが、患者さんの中には痛い所だけ治してくれればいいという方や予防に関心がない方もいます。私はそうではなくて、痛い所のみならずお口全体を考える治療や予防に積極的に取り組んでいきたいです。普段の食事でも、安さよりできるだけ健康を考えた安全な食品を選ぶ方もみえます。ホテルや飲食店では大切な日に行くこだわりのお店もあり私たちは区別して足を運びますね。私は高級志向な歯科医院にしたいわけではなく、一生使う自分の歯を大切にしたい、質にこだわった施術をくつろげる場所で受けたい、そう望む健康志向の方々に応えられるクリニックをめざしているのです。
治療の質を重視されるということで、建物も落ち着けるデザインになっているのですね。

はい。木、石、和紙のような自然素材を多用し、品のある、和モダンな空間にしたいと思いました。待合室のキッズスペースは畳です。3つの診療ユニットは完全個室で、足元の窓からは坪庭の緑が見えて開放感もあると思います。うち1室はファミリールームで親子そろって入っていただけます。また患者さんのお話をじっくりお聞きするため、カウンセリングルームもゆったりとした造りとしています。お子さまの矯正治療では、口腔周りの筋肉を鍛えることを目的としたMFT(口腔筋機能療法)も行ったり、お子さまが楽しみながらボルダリングやバランスボールを使った体幹トレーニングもしたいので、そうした活動ができるルームを作りました。
生涯、口の健康を守るクリニックとして
噛み合わせ治療のため、先生はいろいろな治療法を学んでこられたのですね。

勤務医時代に、インプラント治療や噛み合わせなどのさまざまな勉強会に参加してきました。矯正については長年行っている父からも教えを受けましたし、専門の先生に給料はいらないから一人前にしてほしいと頼み込んで勉強させてもらいました。今でも診療後や休日も勉強の時間にあて、私自身噛み合わせに関する講演を行うなど日々研鑽を積んでいます。実際にお口の中は、かぶせ物だけでも矯正やインプラントだけでも解決しない場合があります。基本の部分である根の治療や歯周病の治療もこだわってますし、さらに顎関節症の治療も行います。自分がすべてできれば複数の治療法を組み合わせてより適切な噛み合わせをめざせます。
読者にメッセージをいただけますか?
歯科の価値についてお話しします。自由診療が高いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「お口は命の入り口」ともいわれるように、口腔機能は全身の健康にも関係します。体の一部である歯は、見た目がいいだけでなく、快適に長持ちするならすごく価値があると思います。そのために、一人ひとりに時間をかけ、各工程で使う材料の質などすべてにこだわって行えるのが自由診療です。私は各患者さまに合わせ、できるだけコストパフォーマンスの高い治療を提案するようにしています。ベストな治療が長く持てば価格以上の価値があると思っています。ブランド品や旅行などと比べることはできませんが、矯正治療は最高でも100万円ほど、全部の歯を治しても車1台分にもならないことがほとんどなので、日本ではまだ歯の価値が低いのだと思います。噛み合わせを考えた質のいい診療を続け、歯科の価値全体を引き上げていくことが私のライフワークだと思っています。
野田先生が考える理想的な歯科治療とはどのようなものでしょうか。

若い方にはなるべく削らない治療が適していても、年齢を重ねて歯がボロボロになった状態では抜歯も視野に入れた根本的治療が必要になることもあり、どう治療するかの判断がプロとして真に重要なところだと思います。人生100年時代といわれる今、これまでよりさらに長く歯を持たせないといけないわけで、長い一生、歯を守り健康に過ごせるように、患者さんそれぞれのライフステージに合わせた治療の提案をしていきたいです。歯科医師や歯科衛生士の会で講演をすることもあり、微力ではありますが地域全体の意識向上にも努めたいですね。開院後は、新しいスタッフとともに、歯の健康の重要性について患者さんにお伝えしていきます。出会ったご縁を大切に、お口の健康から人生がより豊かになることを祈って、誠心誠意お応えしたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック修復/6万円~、マウスピース型の装置を用いた小児矯正/20万円~、成人矯正/50~90万円、インプラント治療/35万円~